がろはる_喜

このページではイケメン戦国政宗のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「飢えた熱」第六話中盤の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「飢えた熱」

護身のために光秀に鉄砲の訓練を受ける主人公。

その姿をあまり良しとしない政宗。会いに行きましたが、いつもと反応が違います。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


伊達政宗

近寄るなって言ってるだろ

イケメン戦国_主人公

ご……ごめん。政宗が、いつもと違うから心配になって

伊達政宗

せっかく、警告してやってんのに

イケメン戦国_主人公

(っ!)

片手が私の顎にかかり、乱暴に上を向かされた。

伊達政宗

そんなに不用意だと……食っちまうぞ

イケメン戦国_主人公

(やっぱり、今日の政宗、普通じゃない……)

伊達政宗

逃げないのか?

イケメン戦国_主人公

だって……変だよ、政宗

今にも牙を立てられそうな雰囲気に身震いする。

イケメン戦国_主人公

ねえ、本当に、どうしたの……?

ぐっと、壁に強く身体を押し付けられる。

伊達政宗

…………知らねえぞ

拒む間もなく、政宗が噛み付くように唇に触れた。

イケメン戦国_主人公

ん……っ!?ぅ、んん……!

政宗の歯が、唇を、舌を噛む。
深く重ねられる口づけは、私から呼吸すらも奪っていく。

イケメン戦国_主人公

ん…っ……、は…っ、はあ

伊達政宗

……息、してるよな

イケメン戦国_主人公

え…っ?あ……

身じろぎすら許さないというように、両足の間に政宗の脚が割り込む。
熱の揺らめく眼差しがすぐそこに迫り、鼓動が跳ね上がる。

イケメン戦国_主人公

っ、ま、政宗……?


イケメン戦国_主人公

(あ…っ)

政宗の歯が、今度は喉に噛み付いてくる。
犬歯がぐっと肌を刺し、全身を熱く溶かすほどの刺激が巡った。
脈打つ首筋を、政宗の熱い舌が撫でる。

伊達政宗

……脈も、ある

政宗はぽつりと呟くと、噛み付いた場所へ、すり、と頬を寄せた。
ぬくもりを確かめるような政宗の行動を、ただ呆然と受け入れる。

イケメン戦国_主人公

(っ、よく……わからない、けど……)

イケメン戦国_主人公

い……痛みも、ある、よ

伊達政宗

……

噛まれた首筋がじんじんと痺れているのを、控えめに避難すると、
政宗は一瞬、きょとんと目を瞬かせて、吹き出すように笑った。

伊達政宗

そうだな。悪い、痛かったな
……だから近寄るなって言ったんだ、俺は

イケメン戦国_主人公

……びっくり、した

伊達政宗

びっくり、ね……本当、のん気だな、お前は

イケメン戦国_主人公

(よく、わからないけど……少し落ち着いたみたい?)

優しく喉元を撫でる政宗の表情は、さっきよりもずっと穏やかで、私はほっと息をもらした。

イケメン戦国_主人公

……どうして、急にこんな……噛み付いたり、したの

私が問いかけると、政宗は一瞬ためらってから、静かに口を開いた。

伊達政宗

お前が……ちゃんと生きてるかどうか、確かめたくなって

イケメン戦国_主人公

……?生きてるかどうかなんて……見ればわかるでしょ……?

政宗は私からそっと身体を離して、自分も壁に寄りかかった。

伊達政宗

確かに、おかしな話なんだが……目で見えてても、直接確かめたくなる時が、たまにあるんだ

伊達政宗

生きてるって実感を……肌で触れて、身体で感じたくなる

イケメン戦国_主人公

……どうして……?

イケメン戦国_主人公

(さっきの政宗は……見たことないくらい、必死に見えた……)

伊達政宗

……人間、いつ死んでもおかしくないと思ってるからかもな
硝煙の匂いがすると、特に……

イケメン戦国_主人公

……戦を思い出すから……?

伊達政宗

それもあるが……多分、父上の……

政宗は、それ以上続けるのをためらって、言葉を濁らせた。

イケメン戦国_主人公

(父上の……?)

徳川家康

使命のために、自分の父親すら撃った男の覚悟なんて

イケメン戦国_主人公

(あの時、家康さんが言ってたこと……?)

イケメン戦国_主人公

……お父様を、撃ったことと……関係、あるの……?

伊達政宗

……何だ、家康あたりにでも聞いてたか

イケメン戦国_主人公

うん……ごめん、少しだけ。……本当なの?

素直に頷くと、政宗は小さくため息を吐いて、言葉を続けた。

伊達政宗

ああ。……父上が拉致されて、犯人もろとも、撃つしかなかった
父上も、そうすることを望んでた

伊達政宗

俺もきっと同じ立場なら、俺を殺せと命じていた

政宗の声には、後悔も罪悪感も滲んでいなかった。

イケメン戦国_主人公

(でも……本当に辛くなかったら、硝煙の匂いがするだけであんなこと……しないんじゃ、ないかな……)

伊達政宗

俺は伊達家当主として、家臣団の将として、それが必要とあれば
たとえお前だとしても――殺す


伊達政宗

この乱世で、それぞれが強い信念を持って生きているなら、
誰かを殺すことも、自分が死ぬことも、当然のことだ

いつか聞いた政宗の言葉が、耳元でこだました。

イケメン戦国_主人公

そうするべきだったのかも知れないけど……きっと、苦しかったんだよね

イケメン戦国_主人公

(だから……きっとこんなふうに、生きてるかどうかなんて当たり前のこと、確かめたりするんだよね?)

政宗は、その問には答えなかった。

伊達政宗

俺は、前に進み続けるだけだ。払った犠牲を、無駄にはしない

迷いのない言葉に、痛みや悲しみを飲み込んだ強さを感じる。

イケメン戦国_主人公

(戦国武将なんて、違う生き物だと思ってたけど……)
(でもそんなことない……誰だって、大事な人を失えば、悲しい)
(その悲しみを割り切らなきゃいけないなんて……もっと悲しい)

堪らなくなって、私は隣に立つ政宗の手を、そっと握った。

伊達政宗

……●●●?

イケメン戦国_主人公

生きてるって実感、肌で感じたいんでしょ
さっきみたいな痛いのは嫌だけど……これなら、いいよ

伊達政宗

……


伊達政宗

……ありがとな

政宗が柔らかく微笑んで、私の手を握り返す。
そのぬくもりに、胸が締め付けられて、苦しかった。

イケメン戦国_主人公

(私は、政宗みたいに戦えないし……心も、強くないけど)
(せめて、大事なものを失くした時、悲しいって言えるように)
(寄り添えたら……いいのにな)

いつもは私を翻弄する政宗の手が、いつか甘えてくれるようになればいい。
そんなことを願って、私はそっと、指を絡めた。


がろはる_全身

政宗の悲しみは底知れぬものですよね。主人公には頑張ってほしいです♪