がろはる_喜

このページではイケメン革命レイのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「あなたと過ごした時間たち」第20話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「あなたと過ごした時間たち」

明日は黒の軍と赤の軍が戦いをする日。そして主人公が現代に帰る日でもあります。

ブランに挨拶に行った帰り、主人公はレイと出会います。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


イケメン革命_主人公

……レイ!

レイ

●●●……

私に気づいたレイが、顔をあげる。

イケメン革命_主人公

なにしてたの?

レイ

お前こそ

イケメン革命_主人公

ブランさんの家に行ってたんだ。そしたら、レイを見つけたの

レイ

ふーん……

レイはどこか上の空で、後ろ手に何かを隠していた。

イケメン革命_主人公

(……あやしい)

一瞬の隙に、レイの背後に回り込む。

イケメン革命_主人公

隙あり!

レイ

……っ

イケメン革命_主人公

……花束?

レイ

……

イケメン革命_主人公

今日、誰かのお誕生日だっけ?

レイ

違う
これ、お前の

イケメン革命_主人公

え……

レイはもう諦めた、とでも言いたげに花束を持ち直す。

レイ

お前が帰るのは、明日の夜だけど
普通に過ごせる夜は、今日で最後だから。今日、夜は兵舎で、お前のお別れ会

イケメン革命_主人公

戦いの前の日なのに、いいの……?

レイ

だから、だろ

首を傾げると、レイがにやりと笑う。

レイ

お前、気づいていないの
お前がいると、みんな嬉しそうなんだよ
だから、こんな夜は、お前が必要

レイがふっと可笑しそうに笑みを溢す。

レイ

お前のための夜なのに、誰のためかわかんねえな

何気ない笑顔に、胸がぎゅっとなる。
その感情を隠して、なるべく笑顔を作って言葉を返した。

イケメン革命_主人公

ありがとう、レイ

レイ

ん……

レイの顔が、茜色に染まる。

レイ

それじゃ、歩いて兵舎まで戻るか

クレイドルの街を、2人で歩いて行く。

イケメン革命_主人公

(……こうやって歩くのも、最後かもしれない)

少し前で揺れる、大きな手を見つめる。
本当は手を伸ばして触れたい。
けど、もうそれを望むこともできない。

レイ

……なあ

イケメン革命_主人公

ん……?

レイ

クレイドルに来て、お前が心から笑えた日、一度でもあった?

唐突な質問に驚くけれど、穏やかな沈黙が答えを促しているようだ。

イケメン革命_主人公

……あったよ

イケメン革命_主人公

(……そんなの決まってる)

イケメン革命_主人公

毎日、笑ってたよ

レイ

……

イケメン革命_主人公

セスさんと食べに行ったパンケーキ屋さん、美味しすぎて笑っちゃった

レイ

あーあいつ、ほんとそういうとこ詳しいよな

イケメン革命_主人公

そうそう!ルカ、寝言でも料理の指示してたんだよ?

レイ

なんか、想像できる

イケメン革命_主人公

シリウスさんは、花壇の花が咲くと本当に嬉しそうに笑うの。つられちゃうよね

レイ

それ、お前だけ

イケメン革命_主人公

フェンリルが話してくれることは、全部面白いから、お腹が痛くなっちゃって困るよ

レイ

あいつにそれ言わないで、調子に乗るから

私が話す言葉、一つひとつのことにレイは優しい声で反応してくれる。

イケメン革命_主人公

あとはね……

レイと、視線が真っ直ぐに重なる。

イケメン革命_主人公

(レイと、笑った時間は……)

【回想シーン】


イケメン革命_主人公

あ、待って!もう帰っちゃうの?

レイ

どうせまた来るから
お前も、来たいならお好きにどーぞ

イケメン革命_主人公

え、いいの?

レイ

だってお前、駄目って言っても来そうだし

イケメン革命_主人公

来る!明日にもここに来るよ

レイ

……勢い良すぎ


イケメン革命_主人公

(……レイが初めて、笑いかけてくれた時、本当に嬉しくて)
(つられて笑ったっけ)
(あとは……)

その瞬間、色んなレイの笑った顔が胸を埋め尽くす。

イケメン革命_主人公

(レイといると、私はいつも笑ってた)

一緒にいるだけで、ただ嬉しくて、一瞬一瞬が愛おしかった。
ただ好きな人といる、それだけで毎日が爽やかに色づいた。
右も左もわからないこの世界のことを、愛することが出来た。

イケメン革命_主人公

……

レイ

……●●●?

イケメン革命_主人公

……私、みんながいたから、レイがいたから笑えてたよ

過ぎていく時間は、記憶を奪っていく。
雨で濡れた地面が乾くように、波が足跡をさらうように、しだいに薄くなり消えていくのかもしれない。
だけど今、頰を撫でるこの風も、レイの声も、みんなの笑い声も、一つ残らず消えてほしくない。

イケメン革命_主人公

このクレイドルで過ごした時間の全部を絶対、忘れない

レイ

……

イケメン革命_主人公

この手に抱えて、抱きしめて、ずっと生きていくんだ

自分の手を、茜色の陽をかざす。

イケメン革命_主人公

…………忘れたく、ないな

無意識に吹いたその時、温かな体温が手を包む。

イケメン革命_主人公

レイ……?

レイ

……

手を掴んだまま、路地裏に足を踏み入れると……

イケメン革命_主人公

(……っ!)

レイの腕が私を閉じ込める。

イケメン革命_主人公

……レイ

レイ

少し、こうさせて

イケメン革命_主人公

……

切実な声に、息が奪われた。

レイ

笑った日だけじゃない
こういうのも覚えてて

イケメン革命_主人公

(そんなの……)

イケメン革命_主人公

ずるいよ……っ

忘れたくないと願う体温が、声が、全部身体に流れ込んでくる。

イケメン革命_主人公

忘れたくても、忘れられない……

レイ

ずるいよな
けど……

ゆっくり身体が離されて、手をそっと持ち上げられた。

レイ

お前の中に、残ってほしい

手の甲に唇が触れて、
見上げたレイの眼差しが、焼きつくすように私の心に刻まれていく。

レイ

……少しでも、俺が残っていてほしい

もう、何も言葉にすることが出来ない。

レイの手にある花束だけが、私たちの間で静かに揺れていた…


がろはる_全身

むう、別れなくてはいけないのに、こんなことされたら抜け出せないじゃない!!