がろはる_喜

このページではイケメン革命フェンリルのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「ベッドの上じゃ眠れない」第15話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「ベッドの上じゃ眠れない」

ついに始まった黒と赤の戦争。主人公の活躍もあって、初戦で勝利を収める黒の軍

連戦が続くなか、レイの計らいで二人は同室で寝泊まりをすることになります。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


フェンリル

おいセス!? っ…ドア開かねー!何のマネだよ!?

セス

アタシだって辛いのっ! 朝になったら鍵は開けてあげるから!! おやすみなさい!!!

フェンリル

な……っ

イケメン革命_主人公

(嘘でしょ……っ?)

セスさんの足音が遠ざかり――私はフェンリルと顔を見合わせた。

イケメン革命_主人公

(朝まで、ここで、ふたりきり!?)

フェンリル

あー……、なんつーか、あれだな
……タチの悪りー、イタズラだな

イケメン革命_主人公

そ、そう、だね……

フェンリル

あー……どーすっかなー……

フェンリルは狭い部屋を見回しながら、乾きかけの髪を乱暴にタオルで拭いている。
何気ない仕草なのに、視線が惹きつけられてしまう。

イケメン革命_主人公

(落ち着こう。これは事故みたいなものなんだから、変に意識しちゃダメだ……っ)

自分に言い聞かせるけれど、心臓が口から飛び出しそうだ。

フェンリル

とりあえず、●●●はベッドで寝ろ。俺はてきとーにやるし

イケメン革命_主人公

えっ、適当って……?

フェンリル

椅子とか床とか。慣れてっから

イケメン革命_主人公

(そんな! ゆっくり休める貴重な機会なのに)

ここ1週間近く、フェンリルは休みなしで隊を率いて行軍を続けてきた。
疲れの色はまったく見えないけれど、休める時には休んで欲しい。

イケメン革命_主人公

ねえ、フェンリルがベッドを使って。私は椅子をくっつけて…

フェンリル

んなこと、お前にさせられっかよ

言葉をさえぎったフェンリルの顔には、”ありえない”と書かれている。

イケメン革命_主人公

(フェンリル、とことん紳士だからな。――でも)

イケメン革命_主人公

私だって、フェンリルを床や椅子で寝かせられないよ
身体、痛くなっちゃうでしょ。明日からも戦いは続くのに

フェンリル

気持ちは嬉しいけど、心配いらねーって。そんなヤワじゃねーしな
お前は気にせずベッド使え。そうしてもらわねーと俺が困るんだよ

フェンリルはタオルを椅子の背に引っかけ、テーブルの水差しの水をグラスに注いだ。

フェンリル

同じ部屋で寝泊まりするってだけでもお前に悪りーのに、これ以上ヤな思いさせられるか

話は終わりと言いたげに、フェンリルが顔を背けてグラスを傾ける。

イケメン革命_主人公

(嫌な思いって……、なんで、そんなふうに思うの?)

イケメン革命_主人公

嫌じゃないよ、全然……っ

フェンリル

っ……

イケメン革命_主人公

(あっ、つい……)

ごく、と、水がフェンリルの喉を通り過ぎる音が、やけにくっきりと響く。
耳の先まで熱くなって、私は視線を落とした。

フェンリル

…あー、そうなの? なら、ま、よかった

イケメン革命_主人公

(軽く、流されちゃった……。どきどきしてるのは、私だけなの?)

ほっとしていいはずなのに、フェンリルがあまりに平然としていて、急に悔しさが湧いてくる。

イケメン革命_主人公

っ……じゃあ、一緒に、寝ればいいんじゃないかな? ベッド、広いし、半分ずつ使って

フェンリル

……さすがにそれは、まずいだろ

イケメン革命_主人公

私は……フェンリルの相棒代理をレイに任されてる立場だよ
ただの、友達なんだから……気にする必要、ないよ

フェンリル

……ただの友達、か

フェンリルがかすかに、眉をしかめる。

フェンリル

たしかに、お前が”ただの友達”っつーなら、ベッドで雑魚寝すんのは、ま、フツーだな

イケメン革命_主人公

……うん。別に、何でもない、普通のことだよ

フェンリル

ふーん

イケメン革命_主人公

(本当は”何でもない”わけない。どきどきして変になりそうだ)
(でも、フェンリルが床や椅子で寝ることになるのだけは避けたいし……)

フェンリル

“何でもない”なら、問題ねーか。半分、ベッド借りるわ

イケメン革命_主人公

どうぞどうぞ……? ほんと、気にせず寝るから、私

フェンリル

そ? じゃ、俺もそうする

イケメン革命_主人公

(フェンリル、珍しく不機嫌……)
(なんだか意地の張り合いみたいになっちゃったけど……あとに退けないよ)

緊張を必死に押し隠し、ベッドの片側に身体を寄せて横になる。

イケメン革命_主人公

(とにかく眠ろう……!)

目をつむりかけた時、ベッドの反対側が、ぎし、と軋んだ。

イケメン革命_主人公

(っ……やっぱり、意識しないのは、無理)

恐る恐る振り返ると、フェンリルがベッドの端に腰を下ろしていた。

イケメン革命_主人公

……フェンリルは、まだ寝ないの

フェンリル

ん、まあ……もう少ししたら寝るわ

フェンリルは私に背中を向け、窓の外を見るともなく見ている。
ガラス越しに、レモン色の半月がぽっかりと浮かんでいた。

イケメン革命_主人公

(こんなに近くに、フェンリルがいる)
(朝までずっと、一緒にいられる)

緊張はするけれど、やっぱり嬉しい。
好きな人のそばにいられるのは、どうしたって嬉しい。
もうすぐ逢えなくなるとわかっているから――今の時間が愛おしい。

イケメン革命_主人公

……フェンリル。こっち、向いて

フェンリル

……ん、どした?

イケメン革命_主人公

笑ってる顔、見たい

フェンリル

っ……
いっつも見てんだろ?

イケメン革命_主人公

見てるけど。フェンリルの真似

フェンリル

……ったく

フェンリルがごろんと横になって、私の方へ身体を向け頬杖をつく。
困ったように笑いながら、ブランケットをふわりと私にかけてくれた。

フェンリル

これで満足?

イケメン革命_主人公

うん、満足

フェンリル

……そりゃ何よりだわ

フェンリルの手が伸びてきて、シーツに広がる私の髪をひと筋すくいあげた。

イケメン革命_主人公

(あ……)

フェンリル

……綺麗、だな

イケメン革命_主人公

(っ……)

いつもよりワントーン低い声に、耳をくすぐられる。
引き寄せられるように、私も手を伸ばして、フェンリルの髪にそっと触れた。

フェンリル

…………

イケメン革命_主人公

……フェンリルの髪は、まだちょっと、濡れてるね

フェンリル

……てきとーに、拭いたからな

髪に絡めた私の手を、フェンリルが掴む。
指先が触れ合い、一瞬お互いにためらって――
どちらからともなく、指を絡め合った。

イケメン革命_主人公

……ねえ、フェンリル

フェンリル

ん……?

イケメン革命_主人公

フェンリル……

フェンリル

…………

イケメン革命_主人公

フェンリル。……フェンリル

“好き”とは言えないから、名前をただ呼ぶ。
名前を呼ぶたび、胸が甘く、苦く、焦げていく。

フェンリル

●●●

イケメン革命_主人公

……うん

フェンリル

――…●●●

横になったまま、見つめ合い、沈黙が下りてきた。

イケメン革命_主人公

(これ以上は何も、言えないなあ)
(言葉で伝えられることが、残ってない)

この恋は先には進めない。
それでも形にならない想いが、お互いの胸の中にある。

イケメン革命_主人公

(フェンリルが今、こんなふうに見つめてくれてる)
(それだけで、十分。――そう、思わなきゃ)

繋いだ指先をそのままに、空いている手も、そっと伸ばす。
フェンリルがいつも私にするみたいに、フェンリルの頬に触れてみる。

フェンリル

…………っ

フェンリルは一瞬、身体を起こしかけたけれど、

フェンリル

…………

すぐにふっと力を抜いて、やがて目を閉じた。

イケメン革命_主人公

(あったかい。気持ちいい……)
(私に触れる時、フェンリルも同じ気持ちなのかな)
(そうだったら、いいな)

痛みに似た幸せを、噛みしめる。
私は目をつむり、フェンリルがくれる温もりの中で、眠りに落ちていった。

●●●が穏やかな寝息を立て始めた直後――
フェンリルのまぶたがパッと持ちあがり、唇から深いため息がこぼれた。

フェンリル

あ……っぶねー……

頬に触れられたあの瞬間、あと1秒でも●●●を見つめていたら、抑制できなかった。

フェンリル

……セスの奴、明日ぜってーフルボッコにしてやる
●●●の気遣い無駄にしちまうけど、一緒のベッドは、さすがに拷問だわ……

●●●を起こしてしまわないよう、慎重に手を解いて身体を起こす。

フェンリル

……悪い。こんくらいは、許せよな?

苦しげな吐息とともに、フェンリルは●●●の前髪をかきあげて、
額にそっと、キスを落とした。

――次の満月まで、あと7日。


がろはる_照

ぬはああああああああo(`ω´ )o 鼻血モノですわこりゃ……