がろはる_喜

このページではイケメン革命フェンリルのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「恋に似ている」第10話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「恋に似ている」

赤の軍との戦闘で重傷を負ってしまったルカ。兄であるヨナは見舞いのために黒の兵舎にやってきます。

主人公とフェンリルは敵軍であるヨナを案内し、それがシリウスにバレてしまいます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


フェンリル

ここまで来れば、シリウスも追っては来ねーだろ

イケメン革命_主人公

そ、そうだね……

イケメン革命_主人公

(シリウスさん、かなり怒ってたな)

【回想】


シリウス

勝手なことばっかりしやがって、クソガキが。よっぽど叱られてえみたいだな?

フェンリル

逃げるぞ、●●●

イケメン革命_主人公

え!?逃げるって、どこに……

フェンリル

どこでもいいけど、邪魔が入らねえとこ
今夜はまだ、お前といたい。――来いよ


走ったせいで乱れた呼吸は次第に整うけれど、鼓動はうるさいままだ。

イケメン革命_主人公

(フェンリルの何気ない言葉がいつも、私をこんなふうにドキドキさせる)
(魔法でもかかってるみたいだ)

フェンリル

●●●、ここでちょい休憩な

フェンリルはジャケットを脱ぎ捨てると、草むらの上へ無造作に敷いた。

フェンリル

座れよ

イケメン革命_主人公

えっ、でも、

フェンリル

いーから。ほら

自分は地面に直接腰を下ろして、フェンリルがジャケットの上をポンポン叩く。

イケメン革命_主人公

ありがとう……

申し訳ない気持ちで座り、膝を抱える。

イケメン革命_主人公

(レディーファーストが徹底してるな)
(兵舎で皆と騒いでる時には、そんな面、全然見せないのに)

改めて感心するけれど、フェンリルは何ごともなかったように話題を切り変えた。

フェンリル

で、さっきは何を言いかけてた?

尋ねられて、途切れた会話を思い出す。

フェンリル

●●●? どーしたよ、苦いもんでも食ったみてーな顔だな
なんでそんな顔してんのか、言ってみ?

イケメン革命_主人公

なんだか少し、悲しくて……

イケメン革命_主人公

(そうか。フェンリルは、シリウスさんに怒られるのが嫌で逃げ出したんじゃなくて、)
(私を心配して、話を続けるために連れ出してくれたんだ)

気付いた途端、じんわり胸が熱くなった。

フェンリル

なあ、何が悲しいか、俺にも教えといてくれねー?
じゃなきゃ、お前を笑顔にできねーし

イケメン革命_主人公

……私が、悲しいのは

ヨナ

次会う時は、戦場だ

フェンリル

だな

イケメン革命_主人公

赤のクイーンとしてじゃなく、ルカのお兄さんとして接したヨナは悪い人じゃなかった
フェンリルとヨナも、個人的に憎しみ合ってるわけじゃないって、見ててわかった
なのに……この先に戦いが待ち受けてるかもしれないことが、悲しいの

フェンリル

…………

イケメン革命_主人公

(よそものの私が、こんなこと言うのは間違ってるかもしれないけど……)

イケメン革命_主人公

黒の軍と赤の軍が、和解する道はないのかな?

ためらいがちに伝えた言葉への返答は、ごくさっぱりしたものだった。

フェンリル

今さら引き返せねえ。どっちかがぶっ倒れるまで、ヤるしかねー
500年の長い長い時間をかけて、こじれにこじれて、この国は後戻りできなくなってんだ

イケメン革命_主人公

(500年……。なんて重い年月だろう)
(たった1ヶ月しかクレイドルにいない私が、口を出せることじゃないんだ)

フェンリル

そう考えたら、すげーテンション上がらねー?

イケメン革命_主人公

えっ?

フェンリル

俺たちの代で、500年間の憎しみ合いに終止符を打つ
最高にスカッとする筋書じゃねーの。こんなラッキーチャンス、逃せるかよ

イケメン革命_主人公

(ラッキーチャンスって……。フェンリルの発想は、いつも私の予想を越えるな)

イケメン革命_主人公

フェンリルは、戦うことが本当に好きなんだね

フェンリル

ああ、好きだな、理屈じゃなく。こんなに血が沸騰すること、他に知らねー
俺は、戦うために生まれてきた。だから人生全部、戦いに懸ける

イケメン革命_主人公

フェンリルがそこまで戦いにのめり込む理由って、何……?

フェンリル

ん……?

イケメン革命_主人公

(戦うのが好きでも、フェンリルは誰かを傷つけて快楽を覚えるような人じゃない)

敵を倒す時でさえ、殺傷能力のない魔法銃や改造兵器を使うくらいだ。

イケメン革命_主人公

人生全部懸けるほど、何がフェンリルにそうさせるの?

フェンリル

んなこと聞いて、どーすんだよ

イケメン革命_主人公

ただ知りたいの。フェンリルのこと、もっと

フェンリル

お前はもう、相当知ってると思うけど? 俺の苦手なもんから好きなもんまで

イケメン革命_主人公

まだ足りないよ。もっとちゃんと、知りたい。

フェンリル

ふうん? やけに必死じゃねーか

イケメン革命_主人公

だって、時間がないから。……そばにいられるのは、次の満月までだから

フェンリル

…………

イケメン革命_主人公

(そばにいられるのは、次の満月までなのに――好きに、なったから)

イケメン革命_主人公

一緒にいられる時間をめいっぱい使って、フェンリルを……知りたい

フェンリル

――なんで、知りたいと思うんだ

イケメン革命_主人公

それは……

好きだから、なんて、とても言えない。

“楽しく過ごしてカラッと別れるためにも、お互い恋なんてしないこと”

フェンリルが私を思って持ちかけてくれた大事な約束を、意地でも守りたくて、押し黙る。

イケメン革命_主人公

(あれ、私が質問してたはずなのに、いつの間にか逆になってる……)

フェンリル

●●●、答え、ちゃんと聞きてーんだけど

イケメン革命_主人公

え……

艶やかな仕草で顎を持ち上げられ、息が止まった。
強烈な引力を持つ瞳が、すぐそこまで迫る。
視線は、照準を定めている時のように鋭くて、同時にどこか色香を帯びていた。

イケメン革命_主人公

(っ……フェンリルのこんな顔、見たことない)

鼓動が騒ぎ、回りの音が聞こえなくなる。

イケメン革命_主人公

(でも……答えは、言えない。絶対に)

冷静さをかき集め、私はフェンリルを真っ向から見つめ返した。

イケメン革命_主人公

フェンリルこそ……っ、なんで、そんなふうな目で、見るの

フェンリル

そんなふう、って?

イケメン革命_主人公

(そんなふうって、いうのは……)

骨まで溶けそうな、激しい眼差し。
フェンリルの瞳に浮かぶ、あられもない熱は、なんだかまるで――
恋に、とてもよく似ていた。

イケメン革命_主人公

(まさかそんなこと……あるはず、ないよね?)
(きっと気のせいだ。私たちは約束したんだから、恋なんてしないって)

とっさに頭で否定しても、心が否応なしに浮き立ち、心臓が鼓動を打ち鳴らす。
苦しくて、これ以上はフェンリルの視線を受け止めきれなくなる。

イケメン革命_主人公

……わからないなら、もういい

フェンリル

わかりたいから、言えよ

イケメン革命_主人公

(え……)

顎をやんわり掴まれ、火照る顔を背けることを許してもらえない。
フェンリルの親指が、誘うように、唇の上を撫でていく。

イケメン革命_主人公

(ん……っ)

触れられたのはほんの一瞬なのに、甘い感覚がほとばしる。

フェンリル

俺も知りてーんだよ。お前のこと、もっと

イケメン革命_主人公

(ぁ……っ)

ふに、と指の腹で下唇を押され、少しだけ吐息が漏れた。
過剰に反応してしまうことが恥ずかしくて、目じりが熱くなる。

イケメン革命_主人公

(フェンリルも、もしかして、私を……?)

足元がふわふわするのと同時に、胸が引き絞られる。
喜びなのか切なさなのか、その両方なのか――
この気持ちに、なんて名前を付ければいいのだろう。

イケメン革命_主人公

(全然、なんにも、わからない。フェンリルの指先が、熱いことだけしか)

どちらかがほんの1ミリ近づけば、キスになる。
その1ミリをどうにも出来ず、ただ吐息を混ぜ合わせる。

イケメン革命_主人公

なんで、こんなこと……するの?

フェンリル

……さあな

イケメン革命_主人公

(答える気、ないってこと……?)

けれど、こうして質問を重ね合い、回答をはぐらかし合っても――
答えは全部、お互いの瞳の中にある気がした。

イケメン革命_主人公

(これじゃまるで、私たちふたりとも――)
(恋のさなかに、いるみたいだ)

唇と唇が今、触れ合ってないことの方が、いっそ不思議だ。
近づける距離の臨界点で見つめ合い、身じろぎも出来ない。
お互いの眼差しにがんじがらめになったまま、夜が音もなく、更けていった。


がろはる_悲

イケ戦とは違って主人公が帰ることが前提になってるから、すごく切ないですね……