このページではイケメン革命エドガーのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!
今回の「恋の罪」は第15話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!
プレミアストーリー「恋の罪」
エドガーとどんどん仲良くなる反面、夜中に一人任務に赴くジャックとしての顔を知る主人公。
ランスロットに偵察の報告をするエドガーを心配する主人公はエドガーからツライ一言を言われ、ショックを受けます。その夜。
※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。
(いざとなったら、緊張してきた……)
『エドガーが帰ってきた』とゼロが知らせてくれたのは、消灯時間の間際だった。
仲直りのために、私はエドガーの部屋へとやってきていた。
ドアの前で、深呼吸を繰り返す。
(大丈夫。エドガーなら、きっと話を聞いてくれる)
(よし!)
気合いを入れ、ノックしようと一歩踏み出した瞬間、
目の前でドアが音を立てて開いた。
わっ
(エドガー!?)
つんのめった私は、エドガーの薄く固い胸板に飛び込んでしまった。
(あ……っ)
シミひとつないシャツを、とっさにぎゅっと掴む。
エドガーもすかさず私の腰を支えてくれて、お互いに静止する。
(あ、れ……?)
心臓が、ドクッ、ドクッ、と爆音を鳴らし始めた。
それも、ひとつじゃなくて、ふたつ。
(エドガー、も……?)
こわごわ、顔を上げていく。
…………
匂い立つような鎖骨と首筋の先で、戸惑ったような瞳とぶつかった。
あの……ごめん、ね
……いいえ
……ケガは、ないですか
うん……。エドガーは……
……平気です
痛く、なかった……?
……少しも
そっか……。なら、よかった
言葉が途切れても、鼓動の音がうるさくてかなわない。
(変だな、私たち、どうして)
(どっちも、離れようとしてないの)
その時――
(あ……)
明かりが落ち、消灯時間になったことがわかった。
同時に、エドガーが私をそっと離して立たせてくれた。
とりあえず、中へどうぞ
っ、ありがとう
(なんだったの、今の……)
甘い困惑を引きずりながら、エドガーの部屋に足を踏み入れる。
紅茶でもいかがですか?
ううん、すぐ帰るから
立ったままエドガーと向き合って、改めて深く息を吸う。
夜分にお邪魔してごめんなさい。どこかへ行くところだったかな?
貴女に会いに行こうと思っていたところでした
(私に……?)
一刻も早く昨夜の非礼を詫びたくて。着替えもロクにしないままで、申し訳ないんですが
貴女は何も悪くないのに、声を荒げるなんて、どうかしていました
本当に、すみませんでした
謝らないで……! 私こそ、本当にごめん
わかったようなこと言っちゃって、あれからすごく反省した
許してもらえるなら、仲直りしたい
そんなの、尋ねるまでもないですよ
俺が貴女を許さないなんて、ありえません。――逆なら、まだしも
柔らかな笑みを見て、ほっとした。
(よかった、もう怒ってないみたい)
(でもまだ少し、しょんぼりしてる)
この所どこか元気がないように見えたのは、開戦が近づいているからだと考えると納得がいく。
偵察に行くのは、もう止めない。エドガーが判断したことなら、きっと正しいだろうから
その代わり……はい、これ
これは……?
手渡したのは、今日の午後に中庭を探し回って見つけた、四葉のクローバーだ。
(何も持ってない私は、ささやかなプレゼントしか返せないけど……)
幸運を呼ぶお守りだよ。持っていってくれたら嬉しい
私の、ほんの気持ち
アリス……
どうか、どうか、無事でいてね。私はあと少ししたらロンドンに帰るけど……
いつまでも、どこにいても、エドガーの幸運を祈ってるから
もう、無理に心を許して欲しいとは言わない。ただ、私の心はいつでもあなたのそばにあるよ
っ……
不意に、エドガーの笑顔が崩れたかと思うと――
(あ……)
今度は偶然じゃなく、私はエドガーの両腕にかき抱かれていた。
耳元で、柔らかく繊細な声がくぐもって響く。
……貴女を助けたのが、間違いでした
……っ? ごめん、よく、聞こえない……
俺は、貴女が
貴女が……
エドガー……?
……っ
意を決したような表情で、エドガーは腕を解いた。
……何を言おうとしたか、忘れました
(え……)
消灯時間を過ぎていましたね。そろそろベッドにお戻りを、アリス
……う、うん
良い夢を
何も言葉が出てこないまま、背中を押され、廊下へと出る。
(今のは……なんだったんだろう)
ひと足ごとに、身体の内側で熱が膨れ上がって苦しい。
(胸が痛い、比喩じゃなくて。どうにかなりそうなくらいに)
(この気持ちは……甘くもないし、ふわふわもしてない)
(だけど)
この狂熱が、恋以外のなんだと言うのだろう。
【回想】
俺は、貴女が
貴女が……
(エドガー、無事に帰ってきて。帰ったら……)
(言葉の続きを、私に聞かせて)
●●●の去った部屋で、エドガーは姿見へと目を向けた。
映っているのは、自分の見知らぬ憔悴しきった男だ。
……計画を、練り直さないと
彼女を、見ていると、
そばに、いると……俺が、おかしくなる
恋に狂った目をしている男を睨み、シャツの胸元を力任せに掴み上げる。
……高鳴るくらいなら、いっそ止まってしまえばいいのに
こんな想いは、罪でしかない
願いも空しく、ざわめきがエドガーの胸を去ることはなかった。
――…次の満月まで、あと6日。
ここで、初めてエドガーが恋していることがわかって、なんだか安心しました!!