がろはる_喜

このページではイケメン戦国秀吉のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「当たり前の奇跡」第十話中盤の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「当たり前の奇跡」

佐助と現代に帰る道すがら、謙信に囚われてしまった主人公。

敵軍の内情を知る主人公はそれを知らせるために織田軍へ。それにより、秀吉軍は戦に勝利します。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


謙信信玄軍の拠点をあとにした私達は、信長様の待つ本陣へ向かって引き返し始めた。
秀吉さんは、私を背中から抱いて片手で手綱を握り、馬を走らせている。

イケメン戦国_主人公

(さっきの言葉、どういう意味だろう・・・)

豊臣秀吉

話は二人っきりになってからだ
-ただし
話すだけじゃ、済まさないけどな

触れられた唇が今もまだ熱い。

イケメン戦国_主人公

あの、秀吉さん・・・

豊臣秀吉

話はあとって言っただろう。今は、休んでろ

イケメン戦国_主人公

うん・・・

イケメン戦国_主人公

(そういえば、昨日は一睡もしてないんだった)

身体が、急に疲れていたことを思い出したみたいに、重くなる。
夜が近づき、冷たい風が吹きつけるけれど、秀吉さんの腕の中は温かい。

イケメン戦国_主人公

(秀吉さんのそばに戻ってきたんだ、私・・・)

私は心地よい睡魔に襲われ、広い胸板に頭を預け、いつしか眠ってしまった。

その夜ー

豊臣秀吉

ー成程。で、謙信に佐助ともどもされわれた、と

秀吉さんの天幕に呼ばれ、私達はお互いこれまでの出来事を伝え合った。
信長様の待つ本陣は遠く、今夜は途中で野営することになったのだ。

豊臣秀吉

そもそも俺は安土を発つ時、大人しく留守番してろって言ったよな?

イケメン戦国_主人公

は、はい。言いました・・・!

イケメン戦国_主人公

(覚悟してたけど、相当怒ってる・・・)

豊臣秀吉

止むを得ない事情があったことは、お前の文を読んで理解した
夢みたいな話だけど、お前が嘘をつくような女じゃないことはよく知ってる
だけど、謙信軍にさらわれたって知って俺がどれだけ驚いたか・・・

イケメン戦国_主人公

本当に心配をおかけしました・・・

光秀さんが、秀吉さんに文を届けて私の居場所を知らせたと聞いたのは、ついさっきだ。

イケメン戦国_主人公

(牢屋に入ってるのに、どんな方法を使ったんだろう)
(驚いたけど・・・光秀さんも、私がいなくなることを心配してくれたんだよね)
(秀吉さんと光秀さんだけじゃない。織田軍のみんなが心配してくれた・・・)

ありがたさと申し訳なさに背筋が伸び、正座した足を組み変える。

豊臣秀吉

おい、そろそろ正座はやめとけ。足が痺れたらどうする

イケメン戦国_主人公

う、うん

声も表情も厳しいのに、告げられる言葉の全部が優しい。

イケメン戦国_主人公

(お小言が嬉しいなんて言ったら、不謹慎だよね・・・。でも、やっぱり嬉しい)

私は秀吉さんのそばに帰ってきたのだと、改めて実感する

豊臣秀吉

ー何よりも

秀吉さんが眉間の皴を深くし、重い息をつく。

豊臣秀吉

合戦の真っただ中に飛び込むなんて、無茶の極みだ

イケメン戦国_主人公

うん・・・。二度としない

豊臣秀吉

当たり前だ
どうして、あんな無茶したんだ

イケメン戦国_主人公

敵の策略を、合戦が始まる前に秀吉さんに伝えようと思って・・・
でも足が遅くて間に合わなかったの。-ごめん

豊臣秀吉

っ・・・謝るな

うめくような呟きが聞こえた直後、たくましい腕が私の背中に回り、

イケメン戦国_主人公

(え・・・・っ?)

私はきつく抱き締められ、秀吉さんの胸にすっぽりと包みこまれた。

豊臣秀吉

心臓が止まるかと思った
お前を失うなんて考えられない
]あんなこと二度と勘弁してくれ。頼むから

イケメン戦国_主人公

(秀吉さん・・・)

切羽詰まったような声に心を揺さぶられ、目元が熱くなっていく。

イケメン戦国_主人公

っ・・・それなら、私も言うけど
敵の将に撃たれそうになった時、秀吉さん、私を身体で庇ったよね?
あの時、私だって心臓が止まりそうになった

豊臣秀吉

え・・・

私は顔を上げ、秀吉さんの頬を両手で挟みこんだ。

イケメン戦国_主人公

私のために自分を投げ出すようなこと、二度としないで・・・っ

豊臣秀吉

●●●・・・

頬を包む私の手に、秀吉さんが手のひらを重ねる。
触れ合った肌が、感電したように疼く。

イケメン戦国_主人公

(生きてるから、触れられる)
(生きてるから、こんなに、あったかい)
(当たり前のことだけど、ほんとは全然、当たり前じゃないんだ)

五百年の時を超え、命儚いこの乱世で、かけがえのない人に出逢って、
生きて、こうして触れ合えた―

イケメン戦国_主人公

(奇跡、みたいだ)

イケメン戦国_主人公

ー秀吉さん。ずっと言えなかったこと、言ってもいい?

豊臣秀吉

駄目だ

イケメン戦国_主人公

え・・・

豊臣秀吉

俺から言う
ー愛してる

恋い焦がれた眩しい笑顔が、目の前で私だけを照らし出す。

イケメン戦国_主人公

っ・・・ずるいよ、そういうの

イケメン戦国_主人公

(泣きたく、ないのに)

喉の奥で熱がふくれあがり、涙がこぼれ落ちた。
秀吉さんがどんな顔をしているか、ちゃんと見たいのに止まらなくて、すごく邪魔だ。

豊臣秀吉

ごめんな

イケメン戦国_主人公

っ・・・謝ら、ないで

嗚咽が漏れ、上手くしゃべれない。
頬を伝う熱い涙は、こぼれるそばから長い指先にそっと拭われていく。

豊臣秀吉

こーら、泣き過ぎだ

イケメン戦国_主人公

ごめ、ん・・・。でも私、秀吉さんが、好きで・・・

豊臣秀吉

・・・うん

イケメン戦国_主人公

前から、大好きで・・・だから、嬉しくて

豊臣秀吉

俺も、同じだ

イケメン戦国_主人公

(どうしよう・・・。何言われても、嬉しくて、たまらない)

俯いて目をごしごしこすり、涙を押し込める。
泣き止んで目を上げると、秀吉さんが私を見つめながら、なぜか苦しげにまつげを伏せた。

豊臣秀吉

・・・ひとつだけ、●●●に言っとかなきゃならないことがある

イケメン戦国_主人公

何・・・?

豊臣秀吉

お前を俺のものにしたとしても、俺の命が信長様のものであることは、変わらない
ーすまない

イケメン戦国_主人公

(それは・・・元々わかってたことだ)

私は、真っすぐに秀吉さんを見つめた。

イケメン戦国_主人公

秀吉さんは、大きな目標を一緒に叶えるために、信長様に忠義を尽くしてるんだよね

豊臣秀吉

ああ

イケメン戦国_主人公

命を懸けてでも、やるべきことがあるーそうだよね

豊臣秀吉

そうだ

イケメン戦国_主人公

私は、秀吉さんのそういうところもひっくるめて好きになったんだよ

豊臣秀吉

・・・

イケメン戦国_主人公

だから、秀吉さんが気にすることなんて何もないよ

豊臣秀吉

●●●・・・

イケメン戦国_主人公

(秀吉さんが、秀吉さんだから、私はこんなに好きになった)

笑みがこぼれるけれど、反対に秀吉さんの顔が少し曇った。

豊臣秀吉

俺は・・・死ぬことが怖いと思ったことは一度もない。多分この先も同じだ
だけど・・・お前が大事になり過ぎたから・・・
俺が死んだ時にお前が泣くかもしれないと思うと、それだけが怖い

イケメン戦国_主人公

(そんなこと、考えてたの・・・?)

豊臣秀吉

残していくことが怖い相手なんて、初めてなんだ

安土を発つ前、秀吉さんは苦しそうにそう言って、私にキスした。
そしてーいっそう苦しそうな顔で忘れろと言った。

イケメン戦国_主人公

(そうか、秀吉さんは・・・)
(自分がいつ命を落とすかわからないから、私と距離を置こうとしたんだ)
(死ぬのは怖くないのに、私が泣くのは、怖いなんて)

愛おしさで胸がつぶれそうだった。
これ以上泣かないよう、お腹に力を入れて大きく息を吸う。

イケメン戦国_主人公

じゃあ約束する。秀吉さんが死んでも、私は泣かない

秀吉さんがやるべきことをなすために、悔いなく生涯を捧げるなら、泣かないよ

豊臣秀吉

・・・信用ならない言葉だな、泣き虫のくせに

イケメン戦国_主人公

(う・・・。やっぱり泣くんじゃなかった)

イケメン戦国_主人公

もう泣かないように、頑張るから
元の時代には帰らない。秀吉さんのそばに、いてもいい?

豊臣秀吉

・・・ああ、俺もお前を離せそうにない
そばにいろ

イケメン戦国_主人公

うん・・・!

イケメン戦国_主人公

(よかった・・・)

豊臣秀吉

だいたい●●●は、目の届くところに置いとかないと無茶するに決まってるからな

泣いたせいで乾いた私の目のふちを、秀吉さんが優しく撫でる。

豊臣秀吉

五百年先の世なんかに行かれちゃ、小言も届かないし・・・
お前を守る役目は他の誰にも譲れない。-ただし

顎を持ち上げられ、鼻先が触れ合った。

豊臣秀吉

兄貴なんてつまらねえ役回りだけは、今日でおしまいだ
ただの男として、お前が欲しい、●●●

イケメン戦国_主人公

(秀吉さん・・・)

声も出ず、返事の代わりに目をつむる。
唇が重なり、吐息がとろけるように混ざり合った。

豊臣秀吉

ん・・・っ、は、ぁ・・・

ゆっくりと解かれ、奥まで探られ、溶けていく。
また涙がにじむけど、悲しみのせいじゃない。

イケメン戦国_主人公

(私も・・・ずっと、秀吉さんが欲しかった)
(妹代わりなんかじゃなくて、あなたの、恋人になりたかった)

敷かれた薄い布団の上に、そっと押し倒される。
いつもは余裕めいている瞳が、夜の闇の中で、切なさを露わにして光った。

豊臣秀吉

ー本当は、前からずっと考えてた
お前に口づけしたら、どんな顔するかなって

イケメン戦国_主人公

(え・・・?)

どきりと鼓動が高鳴った瞬間、首筋にやんわり口づけられた。

イケメン戦国_主人公

ゃっ・・・

背中が反りかえり、恥ずかしいと思う間もなく、今度は着物の襟に指がかかる。

豊臣秀吉

お前に、触れられたら、
どんなに、幸せかって

温かい場所を探るように秀吉さんの指が肌の上を滑っていく。

イケメン戦国_主人公

っ・・・ぁ、あ

イケメン戦国_主人公

(声、だめ・・・)

唇を噛んで声を抑えるけれど、乱れる吐息はどうしようもなかった。

イケメン戦国_主人公

(言葉も、触れ方も、嬉しくて変になる)

無数の口だけと淡い愛撫に、身体の芯までぐずぐずにされる。

豊臣秀吉

ここも、ここも、ここもーお前の全部が、欲しかった
二度と、離さない

イケメン戦国_主人公

・・・うん。私も、離さない

イケメン戦国_主人公

(命ある限り、あなたと一緒にいる)

火照りきったふたりの身体を、重ね合ってー
その夜私は、偽物の兄を失い、生涯の恋人を手に入れた。


がろはる_尊

報われてよかったね。主人公…びえーん