がろはる_喜

このページではイケメン戦国家康のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「天邪鬼の告白」第八話中盤の恋の試練のプレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「天邪鬼の告白」

家康プレミアムストーリー3謙信信玄同盟軍と戦をすることになった家康。城で待機中の主人公は家康の傷が完治していないことを知り、慌てて三成とともに戦場に駆けつけます。

戦場に主人公が来たことを知り、家康は激しい剣幕で主人公を野営地の外に連れ出し……

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


イケメン戦国_主人公

家康、手、ちょっと、痛い…

徳川家康

っ……

野原の真ん中で足を止め、家康は掴んだ私の手首をぐいっと引き寄せた。

イケメン戦国_主人公

(あ……っ)

徳川家康

この程度で痛がるくらい、弱くて弱くてどうしようもないあんたが、なんで、ここに来たの

怒りと戸惑いに満ちた瞳が、私の目の前で揺れる。

イケメン戦国_主人公

(それは、たしかに私は、弱いけど……っ)

答える言葉を探していると、手首を掴む手が解かれて、その代わり……
家康がいたわるように優しく、私の指先をそっと握り直した。

徳川家康

ここは……あんたが居ていい場所じゃ、ない

イケメン戦国_主人公

っ……それは、わかってるよ

イケメン戦国_主人公

(でも、来ずにはいられなかった)

想いを込めて、家康の手を握り返す。

徳川家康

…………
わかってるんなら、さっさと帰って

触れ合っていた手が、すっと離された。
拒絶するように目を逸らされ、ひやりとした心地が広がる。

イケメン戦国_主人公

(私は勝手なことをしてるんだから、家康を怒らせて当然だ……。でも、)
(ちゃんと、確かめなきゃ。それまで帰れない)

イケメン戦国_主人公

ケガが……治ってなかったって、聞いた。傷が開いたって

徳川家康

え……?

イケメン戦国_主人公

回復したって言ってたのは嘘なんだね

徳川家康

…嘘ではない。だいたい治ったよ
ケガが開いたっていっても、かすった程度の傷だ
ちょっと出血が派手だったから、家臣が慌てて伝令を送ったんだろう

イケメン戦国_主人公

(ちょっとって……っ。出血してる時点で、ちょっとじゃないよ!)

イケメン戦国_主人公

傷口、見せて

徳川家康

……どうして

イケメン戦国_主人公

いいから、見せて…っ

徳川家康

……あんたに見せる筋合い、ない

イケメン戦国_主人公

(なんで……っ?本当は酷いケガなのを隠したいから?)
(それとも、ただ……嫌なだけ?)

不意に、見えない壁にへだてられているような感覚に襲われる。
近づいたと思っていた距離が急に開いて、そばにいるのに、家康が遠い。

徳川家康

話は、それで終わり?

イケメン戦国_主人公

っ……ううん

イケメン戦国_主人公

(ここで引きさがったら、何のために逢いに来たのかわからない)

心配になって、役に立ちたくて……どうしてもそばにいたくて、ここまで来た。
戦場の光景を見て家康の心がわからなくなって−−止めなきゃならないと、強く思った。

イケメン戦国_主人公

支城は守り切って、上杉の軍は追い払ったんだよね?
どうして、兵を引かずに敵地に進軍してるの…?

徳川家康

越後への、けん制だよ
安易に織田軍に戦を仕掛けたらどうなるか、わからせる

イケメン戦国_主人公

(わからせるって……)

野営地で見た兵達と同じで、家康の目も、殺気立ってぎらついて見える。

イケメン戦国_主人公

けん制だったら、もう十分でしょう…?これ以上戦う必要ないじゃない

徳川家康

まだ、足りない

イケメン戦国_主人公

(え……?)

徳川家康

敵は今、総崩れの状態だ。この機を逃さず、もう一歩深く攻め入る
領土を奪って、田畑は燃やして……戦闘意欲を叩き折る

イケメン戦国_主人公

(何、言ってるの……?)

つむがれる言葉のひとつひとつで、不穏に胸へと突き刺さる。
昼間見た、敗走する敵兵達の姿が、くっきりと脳裏に浮かび上がった。

イケメン戦国_主人公

もう戦には勝ってるのに、どうしてそこまで……っ?

徳川家康

反撃の余地が相手に残ってるのに、勝ったなんて言えない
できる限りの武功を立ててから、俺は安土に戻る

イケメン戦国_主人公

何のために……っ?

徳川家康

決まってるでしょ。この乱世で、のし上がるためにだよ

決意に満ちた声で家康は言い切った。
家康の澄んだ瞳は、怒りと野心に満ち、冷たく燃えている。

徳川家康

戦って、武功を立てて、力を手にして……強くなる
俺自身も、俺の国も、強くする。二度と、誰にも踏みにじられないように

イケメン戦国_主人公

(っ……)

徳川家康

俺は−−俺が、許せない
今川家が滅びて自由になった日、二度と誰にも屈しないって誓った。なのに、
まだ、こんなに、弱い
あっさり踏みにじられるような自分が、許せないんだ

イケメン戦国_主人公

(家康が、こんなにも力が欲しいって思っているのは、きっと……)
(苦しい過去を生きて来たからだ)
(人生の長さはそんなに変わらなくても、平和にのんびり生きてきた私とは全然違う。でも……!)

イケメン戦国_主人公

戦って、戦って、力を得て……その先、どうするの?

徳川家康

もっと力を得るために、また戦うだけだ

イケメン戦国_主人公

それじゃ、家康が……いつまでたっても、幸せになれないじゃない!

徳川家康

…………

イケメン戦国_主人公

(踏みにじられて何年も辛い想いをして、耐え抜いて…)
(その先にあるものが戦いだけだなんて、あんまりだ)

徳川家康

幸せって……何それ。そんなの俺にはどうでもいい

イケメン戦国_主人公

どうでもよくないよ…!家康が幸せじゃないと、私が、嫌なの

噴き出した想いが、とめどなく唇から滑り出た。

徳川家康

っ……あんたには関係ないだろ

イケメン戦国_主人公

関係あるよ!

徳川家康

なんで…っ?

イケメン戦国_主人公

好きだからだよ!

徳川家康

っ……

イケメン戦国_主人公

(戦場を見て怖いと思った。絶対に正しくないって思った)
(でも、私が家康を止めなきゃって思ったのは……良心なんて綺麗なものじゃない)
(ただ、家康に、戦って欲しくなかった。傷ついて欲しくないし、傷つけて欲しくない)

イケメン戦国_主人公

家康が、好きだから……苦しそうな顔、見たくないの
もっと、たくさん、笑ってて欲しいの

徳川家康

…………

イケメン戦国_主人公

(好きなんて言わないつもりだったのに……っ)

けれど、溢れた想いが止まらず、胸を熱くしていく。

イケメン戦国_主人公

(この時代で生きるために、戦は避けられないんだと思う。どうしようもないんだろうとも、思う)
(だけどそれでも、できるだけたくさん、あなたに……笑っていて欲しい)

徳川家康

●●●……

冷ややかだった家康の表情が、悲しげに歪む。

イケメン戦国_主人公

(あ……っ)

背中に腕が回って、きつく抱きすくめられた。

徳川家康

あんたはそんなこと言うために、ここまで来たの?
−−どこまで、バカなの

切なげに揺れる瞳から目を逸らせずに、唇がどちらからともなく重なる。

イケメン戦国_主人公

ん……っ

こじ開けられて、乱暴に舌先を絡め取られた。
家康を抱きしめ返して、息をかるのも忘れて、キスをする。

イケメン戦国_主人公

ん、……は…ぁっ

イケメン戦国_主人公

(家康……)
(好きだよ、大好き……)

唇が離れると、荒い吐息が混ざり合った。
私を腕に抱いたまま、家康が私をじっと見つめた。

徳川家康

俺は……あんたなんか、要らない

イケメン戦国_主人公

(え……)

胸が冷えたけれど、それはほんの一瞬だった。
狂おしいほど熱を帯びた眼差しが、真っすぐ私に降り注いでいる。
それだけで、家康の気持ちを知るのには、十分だった。

イケメン戦国_主人公

(こんな時まで家康は、天邪鬼なんだね……)

イケメン戦国_主人公

それでも……私は、家康が好きだよ
家康が必要だよ

徳川家康

…………

息を詰めたあと、家康はすっと、腕を解いた。

徳川家康

……さっさと、帰って
もう、俺の帰りなんて待たなくていい
安土に戻っても、●●●には……二度と、会わない

イケメン戦国_主人公

(家康……っ)

背を向けて、家康が振り返らずに歩いていく。
遠ざかる背中を見つめたまま、私はその場に立ちつくした。

●●●を残し、野原をひとり歩く家康は、騒ぐ胸を力任せに押さえつけた。

徳川家康

−−…好きだよ。あんたが想ってるより何倍も、あんたが、好きだ
だから……要らない


がろはる_喜

なにそれ!?好きすぎだから必要ない、なんて言われたら…もうヤバいじゃん♡

がろはる_照

家康はキスがめっさ上手いんですが、これはどこで教わったのでしょう??