がろはる_喜

このページではイケメン革命ヨナのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「かぐわしき恋の香り」第15話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「かぐわしき恋の香り」

赤の兵舎でランスロットの説得に成功した主人公。両軍の会談が実現します。

会談前、ヨナとの6回目のデートに出かけます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


イケメン革命_主人公

(わぁ、素敵なお店……)

セントラル地区の一角にある雑貨屋には、珍しい品々が整然と陳列されていた。

イケメン革命_主人公

ヨナが私を連れてきたかった場所って、ここ?

ヨナ

ああ

【回想シーン】


ヨナ

今日は、●●●を連れて行きたい場所があるんだ

ヨナ

君が……元の世界に帰る前に、どうしても


イケメン革命_主人公

(急にあんなこと言いだすから、びっくりした)

ヨナの目的は、私を赤の軍に取り込み、戦いに役立てること。
傘下に置いたあとは、元の世界には帰さないーーそう言っていたはずだ。

イケメン革命_主人公

(どういう心境の変化なんだろう)

ヨナ

えーっと、たしかこの棚に……あ、やっぱりそうだ

ヨナ

●●●、こっちに来て

手招きされ、ヨナのそばへと歩み寄ると……

イケメン革命_主人公

(すごい、綺麗な香水瓶がたくさん……!)

繊細な細工がほどこされた香水瓶が並び、照明を反射して七色に輝いている。

ヨナ

会談が始まるまで、まだ時間がある。ゆっくり選ぶといいよ

イケメン革命_主人公

選ぶって、どういうこと?

ヨナ

鈍いな、君は。贈り物にするから好きなのを選べばって言ってるんだよ

イケメン革命_主人公

(えっ?)

ヨナ

ここは小さな店だけれど、店主が目利きで、良質な品物がそろってる
俺が普段使ってる香水も、ここでいつも手に入れてるんだ

イケメン革命_主人公

待って、それがなんで、私への贈り物に繋がるの?

ヨナ

それはだから……っ。君はこの前、言ったじゃないか
俺のこと……いい匂いがするって

イケメン革命_主人公

ええっ!? いつ、どこで?

ヨナ

……7日前、俺の、ベッドで

イケメン革命_主人公

(まさか……!)

【回想シーン】


ヨナ

…………何さ。やっぱり、俺に抱かれたくなったの?

イケメン革命_主人公

違う。抱きしめたくなったの

ヨナ

っ……わけ、わかんない

イケメン革命_主人公

(甘い、いい匂いがする。それに、すごくあったかい……)


イケメン革命_主人公

(うわぁ……っ、あの時、口に出して言っちゃってたんだ)

イケメン革命_主人公

わ、忘れて! 今すぐ!

ヨナ

無理言わないでよね。あんなこと言われて、忘れられるわけないじゃないか
とにかく……君が俺の香りを気に入ったのなら、贈ってあげようかと思ったんだよ

イケメン革命_主人公

(それで、ここに連れて来てくれたんだ……)

顔から火がでるくらい恥ずかしいけれど、それを嬉しさが上回っていく。

ヨナ

俺が使ってるのはコレだけど、女性が使うには少し華やぎが足りない。君に似合いそうなのは……

ヨナはひとつひとつの香水の特徴を、丁寧に説明してくれた。
店主に来てもらい、気になったものの香りを試してみる。

イケメン革命_主人公

あ、これ、いい香り

ヨナ

そう? ムスクがちょっときついから、君には重すぎるよ

イケメン革命_主人公

そうかな。じゃあ、こっちは?

ヨナ

失格。バニラの香りが強くて、バランスを欠いてるし、甘さが行きすぎてる

イケメン革命_主人公

ヨナ、ちょっと厳しすぎない?

ヨナ

当然でしょ? 君がまとう香りを選んでるんだから

イケメン革命_主人公

(そんな理由で、厳しく選んでくれてるの……?)

憮然として告げられた言葉なのに、私の耳には甘く響いて、胸がざわめく。
あれでもない、これでもないと、議論を重ねた末ーー

私たちは、金細工で飾られた薄桃色の香水瓶を選びだした。

——(場面転換)

イケメン革命_主人公

素敵な贈り物、ありがとう!

ヨナ

感謝して、大事してよね? それから、キャビネットにしまい込むなんて言語道断だよ

イケメン革命_主人公

うん、大事に使うよ

包んでもらう前に、店主の勧めで、ひと雫、手首に落とし、耳の後ろにそっと香りをまとわせた。

イケメン革命_主人公

(慣れてくると、自分じゃ香りがあんまりわからないな)

ヨナ

結局、俺が使ってるのと同じ香水の、女性用のものになったけど、それでよかったの?

イケメン革命_主人公

うん、これがよかったの。この香りを好きになったから

ヨナ

……ふうん。君がいいなら、別に、俺はどうでもいいけどね

明後日の方向を向いて歩きだすヨナは、耳が赤くなっている。

イケメン革命_主人公

(おそろいなのを、嬉しいって思ってくれてるのかな)
(だったらいいな)

秘密の会談が始まる夕方まで、まだ少しだけ時間がある。
私たちは特に行き先を決めず、街を散歩することにした。

イケメン革命_主人公

(手……どうしよう)

なんとなく今日は、ヨナとの距離が近くて、指先が時折、触れ合っては離れる。
お互い特に口には出さず、離れたり触れたりを繰り返しながら、歩いていく。

イケメン革命_主人公

(お店に入るまでは手を繋いでたけど……また繋ぐのは、変だよね)
(手を繋ぐ理由なんて、私たちにはないし)

わけもなく悲しくなってきて、急いで何か話題を探す。

イケメン革命_主人公

そうだ。どうして今日、プレゼントをくれようと思ったの?

ヨナ

今日の会議がうまくいけば、赤と黒の戦いは避けられるかもしれないって、君は言ってたよね

イケメン革命_主人公

うん

ヨナ

俺も、その可能性がなくもないんじゃないかって思うようになった

イケメン革命_主人公

(え……?)

ヨナ

君は食いしん坊ののんびり屋だけど、そこそこ賢くなくもない
そんな君の信頼を、黒の軍の連中が勝ち得ているのなら、

ヨナ

案外、話の通じない連中ってわけじゃないのかもって、考えたんだ

イケメン革命_主人公

(ヨナ……)

ヨナ

赤と黒の戦いが回避されればーー
“●●●”の能力を、我が軍に取り込む必要もなくなる

ヨナ

俺は、君にデートを申し込む必要がなくなって、
君は満月の夜、元の世界へ帰れる

イケメン革命_主人公

(っ……)

はっとして、歩みが止まった。

ヨナも足を止め、琥珀色の瞳で私を見据えた。

ヨナ

今のうちに、記念の品でも贈っておこうと思ったんだ
会談が成功すれば、今日が最後のデートになるから

イケメン革命_主人公

(今日が、最後……)

ずきん、と、胸の真ん中が痛みだす。

ヨナ

……ねえ。君の香水が、どんな香りか忘れちゃった

イケメン革命_主人公

え……?

ヨナ

覚えておきたいから、確かめさせてよ

答えるより先に、ヨナの手が腰に回され……

イケメン革命_主人公

(あ……っ)

そばに引き寄せられ、乱れた髪を耳へとかけられる。
そしてヨナは、肌と肌が触れる寸前まで、私のうなじに顔を寄せた。

イケメン革命_主人公

(触れられてるわけじゃないのに……)

心臓が、破れそうなくらい高鳴り出した。

ヨナ

甘い、香りがする

イケメン革命_主人公

っ……ヨナと、同じ匂いだよ

ヨナ

ううん、俺より、もっとずっと、●●●の方が甘い

くぐもった囁きに肌を撫でられ、なんだか泣きだしたくなった。

ーー本当は、少し前から気付いていた。

私の胸の中に、甘い甘い焼き菓子の種が、放りこまれていたことに。
それは、じっくりと火を通されて、香ばしい匂いを振りまきながら、ふくらんで……

今やこんがり焼き上がり、あとはオーブンから取り出して、食べられるのを待つばかり。

でも、この焼き菓子を、食べてはいけない。

どんなに美味しくたって、食べられない。

イケメン革命_主人公

(私……ヨナが、好きだ)
(すごくすごく、馬鹿みたいに、この人が好きだ)

イケメン革命_主人公

(でも、恋には、ならないし、できないよ……)

ヨナが私に構うのは、●●●を籠絡する任務を遂行しているからで、
それさえも今日で終わるかもしれない。

それに私はーー満月の夜が来れば、元の世界に帰る。

今、私たちを隔てる1mmの距離を、埋めることはできない。

イケメン革命_主人公

……ヨナ、もう離して

ヨナ

……ああ

ヨナの身体がゆっくりと離れ、甘い香りが遠ざかる。

イケメン革命_主人公

……香りを覚えておきたいなんて、おかしなことを考えるね、ヨナって
きっと、すぐに忘れちゃうよ

ヨナ

まあ、そうかもね

ヨナが歩き出し、私も黙って足を踏み出す。

イケメン革命_主人公

(でもね、ヨナ。私は多分、忘れないよ)
(ヨナのまとう香りも、声も、火花が散ってるような瞳も)

イケメン革命_主人公

(何もかも、きっと、忘れられない)

路地裏に差し込む陽ざしが、だんだんと、オレンジ色に染まり始めた。


がろはる_照

香りで恋を表現する感じ。ヨナのシナリオはおしゃれ♪