がろはる_喜

このページではイケメン革命フェンリルのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「デートインワンダーランド」第4話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「デートインワンダーランド」

偶然、現代の世界から魔法の国に迷い込んでしまった主人公は、魔法を跳ね返す自分の力のせいで命を狙われることに怯えます

そんな主人公を二度も救ってくれた上に相談相手にもなってくれたフェンリル。今日は気晴らしにデートに連れて行ってくれるようです。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


イケメン革命_主人公

(フェンリルとの待ち合わせ場所、ここで合ってるよね)

青空の下、黒の軍の旗が風に煽られてひるがえっている。

フェンリル

お前な、そーいう大事なことは先に言えよ

イケメン革命_主人公

大事なことって?

フェンリル

甘いもんが好きってこと。ま、でもこれでプランが立てられる
セスたちに聞かれるとうるせーから、内緒な?
明日一日、空けとけよ。デートしようぜ?

あの瞬間のドキドキがおさまるまで、一晩かかってしまった。

イケメン革命_主人公

(非番だから付き合えって言ってたし、深い意味はないんだろうな)
(とっさに行きたいって返事をしたけど……)
(この橋を渡れば、セントラル地区。黒の領地の外だ)

赤の軍に襲撃された記憶がフラッシュバックして、悪寒が走ったその時……

フェンリル

よう、●●●、お待たせ

イケメン革命_主人公

あっ、フェンリル……

現れたフェンリルの笑顔を見て、身体の強張りがふっと解けた。

イケメン革命_主人公

(今日は、軍服じゃないんだ……。私服姿を見るの、初めてだな)

フェンリル

じゃ、始めるぞ、クレイドル食い倒れツアー

イケメン革命_主人公

えっ、食い倒れ!?

フェンリル

お前、甘いもん食うの好きなんだろ?
セントラル地区のオススメスイーツ、全制覇させてやるよ

イケメン革命_主人公

(それで、デートに誘ってくれたんだ)

ふわっと心が浮き立つけれど、手離しには喜べない。

イケメン革命_主人公

すごく嬉しいんだけど、セントラル地区には赤の軍もやってくるんでしょう?
スイーツ巡りをしてる時に、私を狙ってる敵にばったり会っちゃったら……

フェンリル

決まってる。速攻ぶっ飛ばして次の皿を注文する

イケメン革命_主人公

(予想外の答え……!)

フェンリル

多少のリスクがある方が、デザートのうまみも増すんじゃね―の?

フェンリルの笑顔は自信たっぷりで、襲撃を楽しみにしている気配すらある。

フェンリル

ほら、行こうぜ

イケメン革命_主人公

う、うん……っ

ナチュラルに差し伸べられた手を、勢いに呑まれてぎゅっと握る。
風がびゅうびゅう吹き過ぎて、橋へと足を踏み出した私たちの背中を、後押しした。

セントラル地区の中心部は、大勢の人が賑やかに行き交っていた。
道行く人の服装は、クラシカルだったりエキゾチックだったりと様々だ。

イケメン革命_主人公

(前来た時は馬車だったから、気付かず通り過ぎてたけど、素敵なお店がいっぱいあるな)

テーラーに雑貨屋、ブックストア、アイスクリームショップにカフェ…
目に入る全てが新鮮で、カラフルだ。

フェンリル

きょろきょろすんのはいーけど、迷子は勘弁な?

イケメン革命_主人公

う、うん

革命娘

あら、フェンリル! 何してるのーっ?

フェンリル

んあ?

ワンピースとミニハットで着飾った女の子の一団が駆け寄ってきて、フェンリルを取り囲む。

イケメン革命_主人公

(友達かな? 可愛い子ばっかり……)

革命娘

久しぶりじゃない、フェンリル!今日はお休みなの?

革命娘

その子、誰? フェンリルの恋人?

イケメン革命_主人公

ち、違います

全員にじーっと注目され、思わず背筋が伸びる。

イケメン革命_主人公

私は●●●といって……黒の軍にお世話になっている者です

フェンリル

外国からの旅行客なんだ。で、俺はこいつのボディーガード役

革命娘

うらやましいな、私もフェンリルに守られたいー!

革命娘

でも変な感じね。フェンリルにボディーガードがついてるっていうならわかるけど

イケメン革命_主人公

(フェンリルに、ボディーガード?)

革命娘

言えてるー!

小鳥がさえずるように女の子たちが笑い合うけれど、私にはピンとこない。

イケメン革命_主人公

どうしてフェンリルにボディーガードが必要なんですか? こんなに強いのに

革命娘

それは、なんてったってゴッドスピード・カンパニーの御曹司だもの

イケメン革命_主人公

ゴッドスピード・カンパニー?

革命娘

フェンリルの実家のゴッドスピード家は、黒の領地最大手の建築会社を経営してるのよ

革命娘

フェンリルはこう見えて、名家の箱入り息子なの

イケメン革命_主人公

(箱入り息子!? フェンリルが!?)

言われてみれば、礼儀正しさや品の良さを、態度の端々に感じることは何度もあったけれど……
戦闘狂でガンマニアの特攻隊長の出自としては、意外にもほどがある。

イケメン革命_主人公

(どこで道を踏み外し…じゃなくてっ、方向転換しちゃったんだろう)

イケメン革命_主人公

あ! それもあってブランさんに坊ちゃんって呼ばれてるんだね

フェンリル

っ…お前、よく覚えてんなー。言っとくけど、うちの家業は今の俺には関係ねーよ
跡を継ぐ気ねーし、オヤジが生涯現役って宣言して、はりきってっからな

革命娘

そうなの? フェンリルが次期社長なら私、玉の輿(たまのこし)狙っちゃうのに

革命娘

ほんとよねーっ

フェンリル

バカ言うなって。そんな小細工しなくても、お前らには良い男しか寄って来ねーだろ?

革命娘

え……っ

フェンリル

誰かを狙うなんて冗談言う前に、自分らが狙われる心配しとけよ、可愛いんだから

女の子たちが頬を染めて一斉に黙り、なんだか私までドキッとした。

イケメン革命_主人公

(こんなにさらっと褒め言葉を言えるなんて……。フェンリルって天然の女たらしかも)

フェンリル

じゃ、またな。今日はこいつに街を案内する予定なんで
行こうぜ、●●●

イケメン革命_主人公

う、うん

ぼーっと顔を上気させた女の子達に見送られ、私たちはその場をあとにした。

イケメン革命_主人公

(フェンリル、相当モテそう……。だからって、遊んでるって雰囲気でもないし……)
(お金持ちの子息だからってだけじゃなく、紳士で優しいから、人気があるんだろうな)

歩調を合わせ隣を歩くフェンリルを盗み見ながら、なんだか自分のことみたいに誇らしくなった。

——(場面転換)

クレイドルの有名菓子店をハシゴして回ったあと、私たちは噴水のある広場へやってきた。

イケメン革命_主人公

(ふう、お腹いっぱい……)

スコーン、カップケーキ、アップルクランブル、マカロン、フルーツババロア――
フェンリルに案内されるまま、色々なものを2人でシェアして少しずつ食べた。

イケメン革命_主人公

(はぁ、幸せ……。でも、ちょっとだけ歩き疲れたな)

フェンリル

●●●、そこのベンチでちょっと待ってな

イケメン革命_主人公

え? うん……

私がベンチに腰を下ろすと、フェンリルは身軽な足どりでどこかへ行ってしまった。

イケメン革命_主人公

(知り合いでもいたのかな? 休憩できて助かったけど、少し喉が渇いたかも……)

と思った直後、フェンリルがカップをふたつ手に戻ってくる。

フェンリル

今、紅茶とコーヒーどっちの気分?

イケメン革命_主人公

えっ? ええっと、どちらかというと紅茶かな……

フェンリル

じゃ、こっちな。一応、砂糖は入れてねーけど、あった方がいいか?

イケメン革命_主人公

ううん、甘いものたくさん食べたあとだし、今はない方が…

フェンリル

了解。あちーから気をつけろよ

イケメン革命_主人公

あ、ありがとう……!

隣に座ったフェンリルに、湯気をたてるカップを手渡される。

イケメン革命_主人公

(美味しい……。これを買いに行ってくれてたんだ)
(だけど、なんで?)

イケメン革命_主人公

フェンリルってもしかして、魔法使いなの?

フェンリル

は?

イケメン革命_主人公

どうして、私が休憩したいと思ってたことや、喉が渇いたって感じてたことがわかったの?

フェンリル

そーだったのか? じゃ、単に偶然タイミングがよかっただけだろ

イケメン革命_主人公

(本当かな? あ……紅茶を飲んでたら、ちょっとだけ甘いものがまた欲しくなってきた)

フェンリル

そうだ、これ、よかったらつまめよ。さっき寄った店で買っといたんだ

渡された小さな包みをひらくと、大粒のトリュフが転がり出た。

イケメン革命_主人公

ねえ、やっぱり私の頭の中、見えてるでしょう!?

フェンリル

だーから、偶然だって。チョコ、いらねーの?

イケメン革命_主人公

っ……いる

イケメン革命_主人公

(わぁ、これも美味しい……!)

もぐもぐ口を動かす私に、フェンリルが不意に顔を寄せた。

フェンリル

よく食うなー。お前、胃に穴でも開いてんじゃね―の?

イケメン革命_主人公

ちょ、あんまりじっと見ないで……っ

フェンリル

断る。見てて気持ちいーからな

イケメン革命_主人公

(え……)

フェンリル

お前といると、なんか楽しーわ

イケメン革命_主人公

(至近距離で、そのセリフと笑顔は、反則だよ……っ)

心臓が飛び跳ねて、トリュフを上手に飲み込めず、私はちょっとだけむせてしまった。ちなみに……
すかさずフェンリルがハンカチを差し出してくれてことは、言うまでもない。


がろはる_喜

これはモテるわwwフェンリル