がろはる_喜

このページではイケメン革命エドガーのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「優しき悪魔の誘惑」第4話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「優しき悪魔の誘惑」

偶然、現代の世界から魔法の国に迷い込んでしまった主人公は、黒の軍のお世話になろうとした矢先、ブランの大事な懐中時計ともども自分の荷物を何者かに奪われてしまいます。

赤のジャックであるエドガーに助けられた主人公はブランに制止される中、赤の兵舎に身を寄せることになります。
最初は黒の軍とは異なる環境に戸惑いを覚える主人公でしたが、だんだんと赤の軍の人々と親しくなっていくのでした。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


エドガー

……見てしまいましたね、アリス?

薔薇の茂みの陰にうずくまっていたエドガーが、立ち上がって私を隅へ追い詰める。

イケメン革命_主人公

(わ……!)

白壁に背中がぶつかり、退路をふさがれた。
エドガーが私の顔の真横に手をつき、胸板の中へと閉じ込める。

エドガー

見たからには、貴女も共犯になってもらいます

イケメン革命_主人公

(共犯!?)

逆光になって影が落ち、エドガーの表情はよく見えない。

イケメン革命_主人公

(ここでいったい何を……)

白壁の冷たさが背中に伝わり、ひやりとした時……

エドガー

で、何色がお好みですか?

イケメン革命_主人公

(へ……?)

抱えていた紙袋を、エドガーが私の前で広げてみせた。

イケメン革命_主人公

この中身って、まさか……!

エドガー

はい、ジェリービーンズです

七色の袋の中身と、悪戯っぽく笑うエドガーを、交互に見つめる。

イケメン革命_主人公

(ただ、おやつをこっそり食べてただけ……?)

イケメン革命_主人公

もう、何かと思っちゃったじゃない……!

エドガー

すみません。貴女があまりにいい反応をするので、つい

悪びれないエドガーの態度に、一気に力が抜けた。

イケメン革命_主人公

あー、びっくりした。お菓子を食べるのに、どうして隠れる必要があるの?

エドガー

うーん。強いて言うなら、癖、でしょうか

長い指先がソラマメ型のお菓子をつまみ出し、もてあそぶ。

エドガー

幼少期に、こういう菓子類を一切禁じられていたもので

イケメン革命_主人公

ずいぶん厳しいご家庭に育ったんだね……

エドガー

比較的、そうかもしれません

エドガー

赤の軍の役職は世襲制なんです。俺は、代々赤のジャックを務める家に生まれました

イケメン革命_主人公

(なるほど……。赤の軍の偉い人達は、ロンドンでいう貴族みたいなものか)

エドガー

赤のジャックになるべくして育てられたことに、俺自身、不満も異議もありません。ただ……
こういう身体に悪そうな食べ物だけは、やめられなくて

イケメン革命_主人公

(子どもの頃から隠れて食べてたってことか)

形のよい唇が開き、黄色のジェリービーンズが放り込まれる。
もぐもぐ口を動かすエドガーは、とっても幸せそうだ。

イケメン革命_主人公

(ふふ、ずいぶん美味しそうに食べるな。よっぽど好きなんだ)

エドガー

どうです、おひとつ? 無理にとは言いませんけど

促されて、袋の中身を覗き込む。

イケメン革命_主人公

ショッキングピンク、パープル、オレンジ……。どれも可愛くて楽しい色だね

エドガー

貴女もいけるクチですか?

イケメン革命_主人公

うん! ジャンクなお菓子にはジャンクなお菓子なりの味わい深さがあるよね。私も好きだよ

エドガー

……賛同を得られたのは、初めてです

イケメン革命_主人公

今までひとりも? 赤の軍の人たちは、みんな育ちがいいんだね

エドガー

はい。お陰で、兵舎でお菓子を食べていると白い目で見られて、肩身が狭くて

イケメン革命_主人公

(それで、中庭の隅で……)

エドガー

グミ、マシュマロ、綿菓子、フィッシュ&チップスにドーナッツ……
俺の愛する食べ物はどれも、赤の軍の食堂には並ばない品ばかりです

エドガー

でも、禁じられたり遠ざけられたりすると、余計に欲しくなってしまうんです

イケメン革命_主人公

すごくよくわかる。苦労してるんだね、エドガー

エドガー

……変わってますね、貴女って。『身体に悪いからほどほどに』と言われるのが常なのに

イケメン革命_主人公

うーん、まあ私も食べすぎは良くないとは思うけど
とっても好きなんでしょう? なら仕方ないよ

笑顔で答えると、エドガーの目元もほころんだ。

エドガー

貴女の答えは予想外のものが多くて、会話をするのが楽しいです

イケメン革命_主人公

そ、そう?

エドガー

というわけで、共犯の証にひと口どうぞ?

砂糖の衣(ころも)をまとった桃色のジェリービーンズを1粒、エドガーが指先でつまみ上げる。 
当然のように唇の前に差し出され、ドキッとした。

エドガー

はい、あーん

イケメン革命_主人公

じ、自分で食べられるよ

エドガー

ええ、それは知ってます

イケメン革命_主人公

知ってるなら、手に載せてもらえると……

エドガー

お断りです

誘うように、エドガーがジェリービーンズを私の鼻先でゆらゆら動かす。
つられて手を伸ばした途端、桃色のソラマメは上へと逃げ、スカッと空振りしてしまった。

イケメン革命_主人公

(もう、からかって……っ)

ムキになってさらに手を伸ばすけれど、ソラマメは右へ左へ華麗に逃げて捕まらない。
必死になる私を見て、エドガーの笑みは深まっていく。

エドガー

あーあ、このジェリービーンズ、とびきり美味しいのになあ。アリスにも食べて欲しいなあ

イケメン革命_主人公

……エドガーって、意外と、意地悪でしょ

エドガー

意外だなんてそんな。こう見えて俺、意地悪には定評があるんです

イケメン革命_主人公

(なあに、それ)

自信たっぷりに言い切るから、根負けして吹きだしてしまった。

イケメン革命_主人公

ふふ、意地悪なだけじゃなくて、意外とお茶目なんだね

エドガー

それもよく言われます

空っとぼけた答え方がおかしくて、今度は声をあげて笑ってしまう。

エドガー

隙あり、ですよ

イケメン革命_主人公

(え? あ……っ)

顎を持ち上げられ、開いた口の中にジェリービーンズが転がり込む。
仕上げのように、エドガーの親指が私の唇をそっと閉ざした。

イケメン革命_主人公

(平気な顔で、こんなこと……っ)

エドガー

頬、真っ赤です。次はスカーレットのジェリービーンズを差し上げますね

イケメン革命_主人公

(もう!)

エドガーの手から袋を奪い、自分でスカーレット色のジェリービーンズをつまみだす。
びっくり顔のエドガーの前で、急いで口に頬張った。

イケメン革命_主人公

もう一度言いますけど、私は自分で、食べられます!

エドガー

貴女って……意外と、図太いんですね

イケメン革命_主人公

それ、褒め言葉じゃないからね

エドガー

お気に召さなければ訂正します

エドガー

貴女は、俺が思っていたよりずっと、強い女(ひと)です
無邪気ではあっても、傷つけられて泣き寝入りするタイプじゃないらしい

エドガー

本格的に気に入っちゃいました、貴女のこと

イケメン革命_主人公

(え……っ)

エドガー

当分、退屈せずに済みそうです

エドガーがますます楽しそうに笑うから、やけに視線を惹きつけられて、
『気に入った』というひと言がどういう意味かを、私はうっかり聞きそびれた。


がろはる_喜

うはあああ、ジェリービーンズ私も食べたい!!(そこかい!!)