がろはる_喜

このページではイケメン革命エドガーのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「誰のためでもない祈り」第10話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「誰のためでもない祈り」

赤の軍の幹部たちとだんだんと打ち解けてきた主人公。
彼らからエドガーの過去やジャックとしての仕事について教えられます。

そんな孤独なエドガーのために秘書としての仕事を手伝う主人公。
ある日、エドガーの休みの日に主人公はデートに誘われます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


イケメン革命_主人公

(風が気持ちいい……)

暮れなずむ空の下、緑の匂いがする空気を胸いっぱいに吸い込む。
赤の兵舎の外へ出るのは、本当に久しぶりだ。

エドガー

遠くへはお連れ出来なくて、すみません

イケメン革命_主人公

いいの。兵舎のまわりを散歩するだけで十分楽しいよ

エドガーが私にデートを申し込んでくれたのは、今日の午後のことだ。

【回想】


エドガー

久しぶりに午後、休みをとったんです。だから……
俺とデートして下さい、アリス

うやうやしく指先にキスをされ、返事に詰まった。

エドガー

強盗が捕まっていない今、兵舎を離れて歩き回るのは危険ですが……
少しの間、周囲を散策するくらいは大丈夫でしょう

エドガー

ものものしい護衛をつけて出掛けるのは貴女も気詰まりでしょうし、お忍びデートしましょう

イケメン革命_主人公

(お忍びデート……)

魅惑的な響きの言葉に、胸が躍り出す。

エドガー

貴女が出掛けたくなるように、新しい靴も用意しました

イケメン革命_主人公

えっ? そんなことまで……

エドガー

ささやかながら、秘書業務の特別手当です


イケメン革命_主人公

(エドガーがくれたサンダル、サイズぴったりで足に馴染むな)

歩きながら足元を見てばかりいたら、エドガーに笑われた。

エドガー

気に入っていただけたみたいで嬉しいです

イケメン革命_主人公

うん、とっても! 本当にありがとう

エドガーの髪を風がさらい、夕陽が洗う。
キラキラ光って、金の糸みたいだ。

イケメン革命_主人公

(歩いてるだけなのに楽しくて仕方がない。久しぶりに外へ出たせいかな?)

スキップしたくなる気持ちを抑えながら、のどかな風景を眺めていると……

エドガー

あれ……?

ふとエドガーが脇道に逸れ、茂みの中を覗きこんだ。

イケメン革命_主人公

どうしたの?

エドガー

迷子を見つけました

近寄ると、首輪をした小犬が草かげでふるふる震えていた。

イケメン革命_主人公

わぁ、可愛い。よく気づいたね

エドガー

鳴き声が小さく聞こえたので。飼い主とはぐれてしまったんでしょうか

片膝をつき、エドガーは小犬を抱き上げた。

「クゥーン、クゥーン……」

エドガー

大丈夫ですよ。貴女のママを探しましょう

なだめるように、エドガーが小犬の背中を撫でる。
思いが伝わったのか、小犬は安心したように鳴くのをやめた。

エドガー

いい子ですね。偉い偉い

イケメン革命_主人公

(なんて優しい目……)
(クリーク一家といる時も、こういう顔をしてた)

エドガーは普段、感情をあらわにすることがないけれど、
動物と触れ合う時だけは、溢れる愛情を隠そうともせず、惜しみなく注ぐ。

イケメン革命_主人公

(人間を相手にしてる時よりもずっと、心を許してるように見える)

イケメン革命_主人公

いいなあ……

エドガー

貴女も撫でられたいんですか?

イケメン革命_主人公

(いけない、口に出ちゃってた……!)

イケメン革命_主人公

気にしないで! 今のは何でもないから

エドガー

遠慮すること、ないですよ

片腕で小犬を抱き直すと、エドガーは手を伸ばした。

イケメン革命_主人公

(わ……っ)

温かな手のひらがゆっくりと、私の頭を撫でる。
小犬が羨ましそうな目で、私を見つめた。

イケメン革命_主人公

(ブラッシングでもされてる気分……)

エドガー

ふふ、こっちの小犬も大人しいなあ

イケメン革命_主人公

っ、小犬扱いしないで欲しい

エドガー

そこは、ワンッて言ってくれないと

イケメン革命_主人公

言わないよ……!

エドガー

冗談ですよ。いい子、いい子

イケメン革命_主人公

(……っ、そんな優しい声を出されると、困る)

こんなふうに溢れんばかりの愛情を注いでもらえるなら、小犬扱いでもいい気がしてきた。
その時――

革命娘

すみません! うちの子がご迷惑をおかけして……

エドガー

よかった。早々にママが迎えに来ましたよ

走り寄ってきた飼い主の女性に、エドガーは小犬を手渡した。

エドガー

またお会いしましょうね

小犬「クゥーン!」

女性が小犬を抱いて去るのを、私たちは並んで見送った。

イケメン革命_主人公

(すぐに飼い主が見つかってよかった……)

イケメン革命_主人公

リードが緩んで、家の外に出ちゃったんだろうね

エドガー

ええ。家の庭に閉じこもってばかりだと、飽きてしまうんでしょう
俺も気持がよくわかります

イケメン革命_主人公

どうして……? エドガーはどこへでも出掛けられるじゃない

エドガー

いえ……。赤のジャックという階級は少し特殊で

エドガー

ブライト家は、赤の軍に身も心も尽くすことを定められた家系なんです
任務ではないのに勝手に遠くへ出掛けるのは、許されないことです

イケメン革命_主人公

(そうなんだ……)

エドガー

退屈ですが、いたしかたありません。俺は……赤のジャックですから

エドガーはそれ以上詳しくは語らなかったけれど、
諦念に満ち達観したような笑顔から、任務の重さと階級の厳格さが感じ取れた。

イケメン革命_主人公

……エドガーに遊びに来て欲しいな。ロンドンへ

エドガー

え……?

イケメン革命_主人公

科学の国はすごく面白いところなの。退屈なんて吹き飛ぶこと請け合いだよ

エドガー

お誘い、恐縮です。折があれば是非

イケメン革命_主人公

エドガー、流さないで。私は本気で誘ってるの

エドガー

……

イケメン革命_主人公

(社交辞令で終わらせたくない。エドガーは私を、丁寧にもてなしてくれたから……)
(私もお礼にエドガーを楽しませたい)

イケメン革命_主人公

さっきエドガーは『退屈だ』って言ってたけど……
退屈って、寂しいのと似てるでしょう?

エドガー

…………

イケメン革命_主人公

いつか、自由にあちこち行けるようになるといいね

エドガー

……そう、ですね

笑みを消し、エドガーはふっつりと黙ってしまった。

イケメン革命_主人公

(気を悪くさせたかな……。お節介なこと言っちゃったかも)
(だけど……エドガーのために『自由になって欲しい』って思ったわけじゃない)
(エドガーが退屈で、寂しいと――なんだか私も寂しいと思ってしまった)

イケメン革命_主人公

(ってことは結局、私自身のため?)
でもどうして、エドガーが寂しいと、私も寂しいって感じるんだろう)
(こんがらがってきちゃった……。深く考えることもないか)

しばらくして、エドガーがぽつりと呟いた。

エドガー

今日は……やけに、夕焼けが眩しいですね

イケメン革命_主人公

うん、そうかも

私はエドガーと一緒に茜空を見上げ、誰のためでもなく、静かな心で祈った。
いつかエドガーが自由になれますように、と。

――その祈りを叶えることは、100年も昔から禁じられているとも知らずに。


がろはる_悲

なんだかちょっと物悲しいストーリーですね……

がろはる_喜

ああ、早くエドガーと主人公がハッピーになってほしいです!!