このページではイケメン戦国家康のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!
今回の「あられもない本心」は第十話中盤の恋の試練のプレミアストーリーになるぞ!!
プレミアストーリー「あられもない本心」
佐助と幸村の助けもあり、主人公を救出することに成功します。その帰り道。
※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。
……自分でするから放してよ
いいから、じっとしてて
織田軍の陣営へと戻ったあと、私は天幕の中で右手に薬を塗っていた。
(家康の嘘つき……)
今川の残党に負わされたけがは、確かにほとんど治りかけていたけれど、
利き手の二の腕につけられた傷がひとつ、くっつき切らずに開いてしまっていた。
(私だったらきっと痛くて手を動かせない。どこまで強がりなんだろう…)
(痛そうな顔ひとつしないで、家康は私を、助けに来てくれた)
……帰ってきたあんたの顔見て、すごく喜んでたね、三成の奴
うん……
国境に待機していた織田軍の皆は、帰って来た私を喝さいで迎えてくれた。
(その上、敵の策に惑わされて申し訳ありませんでしたって、見張りの人に謝られちゃった…)
申し訳なさとありがたさで胸がいっぱいで、私はただただ頭を下げた。
(戦に向かう時は殺気立ってても、戦を離れれば、皆、優しくてあったかい人達なんだ……)
改めて気付いたことを噛みしめながら、私は家康の腕に布を巻き終えた。
……はい、手当て、終わったよ
……ありがと
道具を片付け終わると、することがなくなり、天幕の中が沈黙に包まれる。
(陣営に戻ったあと、ばたばたしてたから、忘れてたけど……)
陣営に戻ったら……覚悟しなよ
あんたに、伝える。俺の気持ち丸ごと全部
●●●が嫌がっても、もう、抑えておけないから
(あれがどういう意味か、聞きたいけど……)
(改まって話そうとすると、緊張してきた……っ)
そわそわしながら、隣に座る家康に目を向けると−−
…………
(あ……)
家康の視線は真っすぐに私へ向けられていて、心臓がどくっと跳ねあがった。
家康は懐(ふところ)から何かを取り出すと、そうっと私の髪をかきあげた。
(な、何だろう……?)
あらわになった耳に、冷ややかな何かが触れる。
はっとして手を伸ばすと、小さく丸い飾り玉が指先に触れた。
これ……家康がくれた、耳飾り……?
……そう
(ずっと、持っててくれたんだ……)
胸が熱くなって、家康から目を離せなくなる。
見つめ返す家康の瞳が、切なげに光った。
謙信がこれを送りつけて来た時、気が変になるかと思った
……もう、なくさないでよね
っ……うん
喉が熱くなって、とっさに家康の胸に額を押しつける。
(絶対、なくさない……っ)
なだめるように、家康は私の髪を撫でた。
あんまり優しく触れるから、涙が出た。
また、泣いてるの
ご、ごめ……
謝るのは俺の方だって、言ったでしょ
……●●●を巻き込んで、危ない目に遭わせた
違う、私が勝手に、家康を追いかけてきたから……っ
−−嬉しかったんだ、ほんとは
(え……?)
目を上げると、家康の顔が間近で苦しげに歪んだ。
あんたの顔を見た瞬間、頭で何か考えるより先に、心が、喜んでた
戦の最中なのに、胸が熱くて、苦しかった
……あんたを俺の人生に、巻き込んだりしたくないのに
(そんなこと、考えてたの……?)
俺はこの先も戦うのをやめない。……やめられない
背負ってるものがあるから、止まれない
……うん
でも、あんたは……違うでしょ
え……?
佐助に聞いた。●●●とあいつは、五百年先の世からここへ来て…
もう少ししたら、その時代に帰るって
(……!佐助くん、家康に話したんだ……)
●●●と俺は、全然違う場所で生きてきた
この先、帰る場所もばらばらだ
だから……俺があんたが欲しいなんて思うのは、間違いだ
家康、それはっ
黙って
(っ……!)
長い指先が、私の唇を塞ぐ。
どきりとして息を呑むと、家康は私を見つめ言葉を続けた。
俺は、幸せなんて欲しくない。そんなものにかまけてる暇なんてない
だからこんな気持ちは、要らないのに……それでも●●●を手離したくない
(え……)
俺は、●●●が……
この先もそばにいてくれたらって、願わずにいられない。
(私と、同じ気持ちで、いてくれてる……)
(ちゃんと、本音で、話してくれてる)
幸福が胸を塞いで、涙が乾かないまま笑みがこぼれた。
なら……手離さないで
……簡単にそんなこと言って、いいの
言っとくけど、俺といても楽しいことなんて一つもないよ
あんたはきっと、幸せになれない
そんなの関係ない。私は…
家康だけ、いればいい
…………っ
あんたって、ほんとバカだね
あんたみたいなお荷物、絶対背負い込まないって決めてたんだけどな……
……しょうがないから、そばにいてあげるよ
っ……ほんと?
ほんと
いいの……?
しつこい
そう言いながらも、家康は嬉しそうに笑っていて、
私の胸を、太陽みたいに、温めた。
(こんなに嬉しいことって、ない)
じゃあ、ずっと、そばにいるね
絶対ぜったい、離さないでね
……あんたが嫌がっても、離してあげない
囁いて、家康が私を抱きすくめた。
(どうしよう……)
(嬉しすぎて、おかしくなる)
きつく抱きしめ返すと、顎をそっと持ち上げられた。
ん……っ
唇が重なって、鼓動がますます速くなる。
ゆっくりとキスが深まって、舌先から、溶かされていく。
ん……、ぁ…っ
(声、が……)
堪えようと息を詰めるけれど、家康の指先が首筋を撫でて−−
……っあ
無防備な声がこぼれ、恥ずかしさが湧きあがった。
ちょ、っと、待って
……無理言わないでくれる
ひゃ…っ
耳にキスされて、肩が震えて力が抜けた。
その隙に家康は、私の身体を向かい合わせに膝に乗せて、腰に腕を巻きつける。
(恥ずかしい……、でも、)
(っ……離れたくない)
見上げる家康の瞳が眩しくて、鼓動がうるさくて息が上手くできない。
どうしよう……
何が
……どきどきして、心臓、止まるかも
……あのね
そんな可愛いこと言っても、手加減なんてしないから
(あ……っ)
いっそう強く抱きしめられ、胸と胸が重なり合う。
激しい口づけに身をよじるうちに、着物がはだけて、肌が触れ合った。
(家康……)
(大好き)
与えられる激しい熱に、必死に応えながら、私は…
欲しかった心ごと、何もかもを溶け合わせた。
「あんたに、伝える。俺の気持ち丸ごと全部」ってセリフ大好き♡
家康の耳飾りはこれまたキーアイテムになります!!