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イケメン戦国 | 伊達政宗プレミアストーリー②「飢えた熱」

このページではイケメン戦国政宗のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「飢えた熱」第六話中盤の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「飢えた熱」

護身のために光秀に鉄砲の訓練を受ける主人公。

その姿をあまり良しとしない政宗。会いに行きましたが、いつもと反応が違います。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


近寄るなって言ってるだろ

ご……ごめん。政宗が、いつもと違うから心配になって

せっかく、警告してやってんのに

(っ!)

片手が私の顎にかかり、乱暴に上を向かされた。

そんなに不用意だと……食っちまうぞ

(やっぱり、今日の政宗、普通じゃない……)

逃げないのか?

だって……変だよ、政宗

今にも牙を立てられそうな雰囲気に身震いする。

ねえ、本当に、どうしたの……?

ぐっと、壁に強く身体を押し付けられる。

…………知らねえぞ

拒む間もなく、政宗が噛み付くように唇に触れた。

ん……っ!?ぅ、んん……!

政宗の歯が、唇を、舌を噛む。
深く重ねられる口づけは、私から呼吸すらも奪っていく。

ん…っ……、は…っ、はあ

……息、してるよな

え…っ?あ……

身じろぎすら許さないというように、両足の間に政宗の脚が割り込む。
熱の揺らめく眼差しがすぐそこに迫り、鼓動が跳ね上がる。

っ、ま、政宗……?


(あ…っ)

政宗の歯が、今度は喉に噛み付いてくる。
犬歯がぐっと肌を刺し、全身を熱く溶かすほどの刺激が巡った。
脈打つ首筋を、政宗の熱い舌が撫でる。

……脈も、ある

政宗はぽつりと呟くと、噛み付いた場所へ、すり、と頬を寄せた。
ぬくもりを確かめるような政宗の行動を、ただ呆然と受け入れる。

(っ、よく……わからない、けど……)

い……痛みも、ある、よ

……

噛まれた首筋がじんじんと痺れているのを、控えめに避難すると、
政宗は一瞬、きょとんと目を瞬かせて、吹き出すように笑った。

そうだな。悪い、痛かったな
……だから近寄るなって言ったんだ、俺は

……びっくり、した

びっくり、ね……本当、のん気だな、お前は

(よく、わからないけど……少し落ち着いたみたい?)

優しく喉元を撫でる政宗の表情は、さっきよりもずっと穏やかで、私はほっと息をもらした。

……どうして、急にこんな……噛み付いたり、したの

私が問いかけると、政宗は一瞬ためらってから、静かに口を開いた。

お前が……ちゃんと生きてるかどうか、確かめたくなって

……?生きてるかどうかなんて……見ればわかるでしょ……?

政宗は私からそっと身体を離して、自分も壁に寄りかかった。

確かに、おかしな話なんだが……目で見えてても、直接確かめたくなる時が、たまにあるんだ

生きてるって実感を……肌で触れて、身体で感じたくなる

……どうして……?

(さっきの政宗は……見たことないくらい、必死に見えた……)

……人間、いつ死んでもおかしくないと思ってるからかもな
硝煙の匂いがすると、特に……

……戦を思い出すから……?

それもあるが……多分、父上の……

政宗は、それ以上続けるのをためらって、言葉を濁らせた。

(父上の……?)

使命のために、自分の父親すら撃った男の覚悟なんて

(あの時、家康さんが言ってたこと……?)

……お父様を、撃ったことと……関係、あるの……?

……何だ、家康あたりにでも聞いてたか

うん……ごめん、少しだけ。……本当なの?

素直に頷くと、政宗は小さくため息を吐いて、言葉を続けた。

ああ。……父上が拉致されて、犯人もろとも、撃つしかなかった
父上も、そうすることを望んでた

俺もきっと同じ立場なら、俺を殺せと命じていた

政宗の声には、後悔も罪悪感も滲んでいなかった。

(でも……本当に辛くなかったら、硝煙の匂いがするだけであんなこと……しないんじゃ、ないかな……)

俺は伊達家当主として、家臣団の将として、それが必要とあれば
たとえお前だとしても――殺す


この乱世で、それぞれが強い信念を持って生きているなら、
誰かを殺すことも、自分が死ぬことも、当然のことだ

いつか聞いた政宗の言葉が、耳元でこだました。

そうするべきだったのかも知れないけど……きっと、苦しかったんだよね

(だから……きっとこんなふうに、生きてるかどうかなんて当たり前のこと、確かめたりするんだよね?)

政宗は、その問には答えなかった。

俺は、前に進み続けるだけだ。払った犠牲を、無駄にはしない

迷いのない言葉に、痛みや悲しみを飲み込んだ強さを感じる。

(戦国武将なんて、違う生き物だと思ってたけど……)
(でもそんなことない……誰だって、大事な人を失えば、悲しい)
(その悲しみを割り切らなきゃいけないなんて……もっと悲しい)

堪らなくなって、私は隣に立つ政宗の手を、そっと握った。

……●●●?

生きてるって実感、肌で感じたいんでしょ
さっきみたいな痛いのは嫌だけど……これなら、いいよ

……


……ありがとな

政宗が柔らかく微笑んで、私の手を握り返す。
そのぬくもりに、胸が締め付けられて、苦しかった。

(私は、政宗みたいに戦えないし……心も、強くないけど)
(せめて、大事なものを失くした時、悲しいって言えるように)
(寄り添えたら……いいのにな)

いつもは私を翻弄する政宗の手が、いつか甘えてくれるようになればいい。
そんなことを願って、私はそっと、指を絡めた。


政宗の悲しみは底知れぬものですよね。主人公には頑張ってほしいです♪