がろはる_喜

このページではイケメン革命シリウスのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「Emergency!」第10話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「Emergency!」

黒と赤の会合が破綻した上に旧知の仲であるランスロットとハールの争いを止めることができなかったシリウス。

開戦を前に戦いの立案など忙しそうにしているシリウスのために、レイたちは息抜きのために主人公にデートをしてくるよう依頼します。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


シリウス

妙なことに付き合わせて悪いな、お嬢ちゃん

イケメン革命_主人公

いえ、任務頑張ります!

シリウスさんと私は、レイから任務を授かって街までやってきた。
名目上は、セントラル地区の動向の視察――それも、恋人同士のフリをしろというオマケ付き。
けれど出発する間際、レイが私にだけ耳打ちして明かしたことがある。

【回想】


レイ

幹部全員から●●●に頼みがある。開戦の前に、シリウスに息抜きさせたくてさ


レイ

あいつに思い切り、お前の世話、焼かせてやってくんない?


イケメン革命_主人公

(『世話を焼かせてやって』なんて変なお願いされたの、初めてだ)
(でも、レイたちが心配してるのはよくわかった。今日はシリウスさんにのんびりしてもらおう!)

イケメン革命_主人公

このお店、お菓子も飲み物も美味しいですね。シリウスさん、コーヒーおかわりしませんか?

シリウス

ああ。あんたはケーキもおかわりするといい。何十個でも

イケメン革命_主人公

そんなに大食らいじゃありません!もうお腹いっぱいですし……

シリウス

本音は?

イケメン革命_主人公

……あと2つくらいなら

シリウス

素直で何より。メニューもらうか

シリウスさんはウェイターからメニューを受け取ると、私の方へ向けて差し出してくれた。

イケメン革命_主人公

(うーん、どれにしよう。今食べたチーズスフレ、美味しかったな)
(バタフライケーキとアップルクランブルが気になる。でもマロンパイも捨てがたい)

イケメン革命_主人公

(……ん?)

メニュー越しに、シリウスさんと目が合った。
コーヒーカップを傾け、おかしそうに目を細めている。

イケメン革命_主人公

なんでしょう?

シリウス

別に。楽しそうだと思ってな

イケメン革命_主人公

すみません、ひとりではしゃいでしまって……

シリウス

それで正解だろ。デートだしな

イケメン革命_主人公

(デート……。シリウスさんの渋い声で呟かれると、単語の破壊力がすごいな)

ドキドキして、変な汗がでてきた。

イケメン革命_主人公

(っ、話題、変えよう)

イケメン革命_主人公

まあ、デートといっても、ほんとの目的は視察ですけどね

シリウス

視察ってのは口実なんだろ

イケメン革命_主人公

え?

シリウス

あんたはクソガキどもに、俺を息抜きさせて来いと頼まれた。違うか?

イケメン革命_主人公

気付いてたんですか!?

シリウス

当然。三十路なめんな

伸ばされた手に、こつん、と額を小突かれる。
触れられたのは一瞬なのに、そこから熱が広がった。

シリウス

で? お嬢ちゃん、ケーキの追加は、どれとどれとどれとどれを頼むんだ

イケメン革命_主人公

っ、4つも頼みませんよ! 3つで十分です

シリウス

さっきより1つ増えたな

私が言い訳するより早く、シリウスさんはウェイターに声をかけた。

イケメン革命_主人公

(シリウスさんの中で、私ってどれだけ食いしんぼうなイメージなんだろう)

釈然としないけれど、しばらくして運ばれてきたケーキが全部絶品で、不満は引っ込んだ。

イケメン革命_主人公

美味しいです!

シリウス

そりゃ何よりだ

コーヒーを片手に、シリウスさんはまた、私を見つめている。
口の片側を軽く上げるこの笑い方が好きだなと、ふと思った。

カフェを出ると、メインストリートはごった返していた。

イケメン革命_主人公

(すごい人出。混んでるのはいつものことだけど、何かが違う)

違和感の正体はすぐにわかった。
道行く人の表情に、極端に笑みが少ないのだ。

イケメン革命_主人公

何かあったんでしょうか……?

シリウス

あるのはこれからだ
みんな物を買い込んだり、店を引き払ったりしてるんだろ。開戦の前にな

イケメン革命_主人公

(そういうことか)

以前セスさんとショッピングを楽しんだ時の陽気さは、今はない。
様変わりした街の風景が、痛ましかった。

シリウス

あんたまで引きずられることはない。ほら、行くぞ
腹ごなしに散歩だ。迷子になるなよ

イケメン革命_主人公

は、はい

シリウス

そういや元々、よその国からの迷子だったっけな、あんた

長い腕がすっと伸ばされて――

イケメン革命_主人公

(あ……)

大きな手のひらに、指先を包まれる。

シリウス

繋いどく

人混みをかきわけるようにして、私の半歩先をシリウスさんが歩きだした。
握られた手が、やけに熱い。

イケメン革命_主人公

(シリウスさんの手、すごく大きい)
(……心臓、うるさい)

それでもこの手を離したくはなくて、私は繋いだ手に、こわごわ力を込めた。
その時――

イケメン革命_主人公

きゃ!?

ドンッと背中に誰かがぶつかり、身体が揺らぐ。
とっさに踏みとどまるけれど、ガクッと足元が沈んだ。

イケメン革命_主人公

(あ、やっちゃった……!)

シリウス

おい、大丈夫か

イケメン革命_主人公

はい……。ただ、ヒールが折れちゃったみたいで

シリウス

そういうのは大丈夫とは言えねえな
少し我慢しろ

イケメン革命_主人公

え? ……わ!?

ふわりと横抱きにされ、言葉を失う。

シリウス

非常事態だ、許せよ。人波抜けるまでだから
しがみついてろ

頭が真っ白で、頷くのがやっとだ。
私を近くのベンチに座らせたあと、シリウスさんは近くの靴屋に靴を買いに走ってくれて……

戻ってくると、正面にしゃがんで、私の足に履かせてくれた。

シリウス

サイズ、ちょっとでかかったか

イケメン革命_主人公

いえ、平気です。本当にありがとうございます……!

シリウス

いや、間に合わせで悪いな。ちゃんとしたやつはまた今度

イケメン革命_主人公

何言ってるんですか。私がうっかりしてたせいで、ご迷惑をかけてしまって……

シリウス

違う、俺のミスだろ

屈んだまま、シリウスさんが私を見上げた。

シリウス

デート中のエスコートは男の仕事だ

イケメン革命_主人公

そういうものでしょうか……

シリウス

そういうもんさ

シリウス

靴のサイズ、教えてくれるか。今度はピッタリのやつをあんたに贈る

さらりと告げられるひと言ひと言が、私のお腹の底をくすぐる。

イケメン革命_主人公

(いつもと、目線の高さが逆……)

小さなことがいちいち気になって、私を落ち着かなくさせる。

イケメン革命_主人公

……シリウスさんって、なんか

シリウス

ん?

イケメン革命_主人公

なんていうか、ものすごく、とんでもなく、半端じゃなく……大人、ですよね

シリウス

なんだそりゃ

シリウスさんの表情が、くしゃっと崩れた。
いつもの微笑とは違い、どこかあどけない。

イケメン革命_主人公

(子どもみたいに笑うことも、あるんだな)

この人が笑うたび、私の中の何かの目盛りが上がっていく。
笑顔をもっと見たいと思った。
行きつく先は、わからなくても。


がろはる_喜

シリウスの「繋いどく」。やばいo(`ω´ )o