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イケメン革命 | レイ=ブラックウェル プレミアストーリー④「あなたと過ごした時間たち」

このページではイケメン革命レイのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「あなたと過ごした時間たち」第20話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「あなたと過ごした時間たち」

明日は黒の軍と赤の軍が戦いをする日。そして主人公が現代に帰る日でもあります。

ブランに挨拶に行った帰り、主人公はレイと出会います。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


……レイ!

●●●……

私に気づいたレイが、顔をあげる。

なにしてたの?

お前こそ

ブランさんの家に行ってたんだ。そしたら、レイを見つけたの

ふーん……

レイはどこか上の空で、後ろ手に何かを隠していた。

(……あやしい)

一瞬の隙に、レイの背後に回り込む。

隙あり!

……っ

……花束?

……

今日、誰かのお誕生日だっけ?

違う
これ、お前の

え……

レイはもう諦めた、とでも言いたげに花束を持ち直す。

お前が帰るのは、明日の夜だけど
普通に過ごせる夜は、今日で最後だから。今日、夜は兵舎で、お前のお別れ会

戦いの前の日なのに、いいの……?

だから、だろ

首を傾げると、レイがにやりと笑う。

お前、気づいていないの
お前がいると、みんな嬉しそうなんだよ
だから、こんな夜は、お前が必要

レイがふっと可笑しそうに笑みを溢す。

お前のための夜なのに、誰のためかわかんねえな

何気ない笑顔に、胸がぎゅっとなる。
その感情を隠して、なるべく笑顔を作って言葉を返した。

ありがとう、レイ

ん……

レイの顔が、茜色に染まる。

それじゃ、歩いて兵舎まで戻るか

クレイドルの街を、2人で歩いて行く。

(……こうやって歩くのも、最後かもしれない)

少し前で揺れる、大きな手を見つめる。
本当は手を伸ばして触れたい。
けど、もうそれを望むこともできない。

……なあ

ん……?

クレイドルに来て、お前が心から笑えた日、一度でもあった?

唐突な質問に驚くけれど、穏やかな沈黙が答えを促しているようだ。

……あったよ

(……そんなの決まってる)

毎日、笑ってたよ

……

セスさんと食べに行ったパンケーキ屋さん、美味しすぎて笑っちゃった

あーあいつ、ほんとそういうとこ詳しいよな

そうそう!ルカ、寝言でも料理の指示してたんだよ?

なんか、想像できる

シリウスさんは、花壇の花が咲くと本当に嬉しそうに笑うの。つられちゃうよね

それ、お前だけ

フェンリルが話してくれることは、全部面白いから、お腹が痛くなっちゃって困るよ

あいつにそれ言わないで、調子に乗るから

私が話す言葉、一つひとつのことにレイは優しい声で反応してくれる。

あとはね……

レイと、視線が真っ直ぐに重なる。

(レイと、笑った時間は……)

【回想シーン】


あ、待って!もう帰っちゃうの?

どうせまた来るから
お前も、来たいならお好きにどーぞ

え、いいの?

だってお前、駄目って言っても来そうだし

来る!明日にもここに来るよ

……勢い良すぎ


(……レイが初めて、笑いかけてくれた時、本当に嬉しくて)
(つられて笑ったっけ)
(あとは……)

その瞬間、色んなレイの笑った顔が胸を埋め尽くす。

(レイといると、私はいつも笑ってた)

一緒にいるだけで、ただ嬉しくて、一瞬一瞬が愛おしかった。
ただ好きな人といる、それだけで毎日が爽やかに色づいた。
右も左もわからないこの世界のことを、愛することが出来た。

……

……●●●?

……私、みんながいたから、レイがいたから笑えてたよ

過ぎていく時間は、記憶を奪っていく。
雨で濡れた地面が乾くように、波が足跡をさらうように、しだいに薄くなり消えていくのかもしれない。
だけど今、頰を撫でるこの風も、レイの声も、みんなの笑い声も、一つ残らず消えてほしくない。

このクレイドルで過ごした時間の全部を絶対、忘れない

……

この手に抱えて、抱きしめて、ずっと生きていくんだ

自分の手を、茜色の陽をかざす。

…………忘れたく、ないな

無意識に吹いたその時、温かな体温が手を包む。

レイ……?

……

手を掴んだまま、路地裏に足を踏み入れると……

(……っ!)

レイの腕が私を閉じ込める。

……レイ

少し、こうさせて

……

切実な声に、息が奪われた。

笑った日だけじゃない
こういうのも覚えてて

(そんなの……)

ずるいよ……っ

忘れたくないと願う体温が、声が、全部身体に流れ込んでくる。

忘れたくても、忘れられない……

ずるいよな
けど……

ゆっくり身体が離されて、手をそっと持ち上げられた。

お前の中に、残ってほしい

手の甲に唇が触れて、
見上げたレイの眼差しが、焼きつくすように私の心に刻まれていく。

……少しでも、俺が残っていてほしい

もう、何も言葉にすることが出来ない。

レイの手にある花束だけが、私たちの間で静かに揺れていた…


むう、別れなくてはいけないのに、こんなことされたら抜け出せないじゃない!!