このページではイケメン革命エドガーのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!
今回の「赦しの時」は第25話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!
プレミアストーリー「赦しの時」
エドガーは主人公のために、赤の軍のために叔父とアモンを裏切り、叔父を打ち倒すことに成功します。
赤と黒も連携し、魔法の塔勢力を打ち倒しますが、エドガーは自分がこれまでしてきたことを甘んじて受け裁判にかけられることを望むのでした……
※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。
エドガーが裁きにかけられる、裁判前夜。
私を腕にふわりと抱き寄せ、優しい悪魔が囁いた。
俺は、100年分の贖罪をすると決めたんです
貴女に相応しい人間になるために
(エドガー……)
手を伸ばして、エドガーの頬を包み込む。
私の手のひらに手を重ねて、エドガーが優しく微笑んだ。
裁判は明日です。当分、帰れないでしょう。だから……
最後の夜を、貴女と過ごしたい
翡翠色の瞳を間近で見つめる。
澄みきっていて、ありのままの心が透けて見える。
(エドガーは、もう決めたんだな)
(犯してきた罪を全部受け入れて、それでも前へ進むって)
(だったら私も、めそめそしてられない)
強く深いこの人に必要なのは、慰めじゃない。それがわかるから、
私は泣くのを堪えて、必死に目尻をつり上げた。
“最後”なんて言うなら、帰る。そんな言葉、大嫌い
……それは知りませんでした。怒ってます?
うん。滅茶苦茶、怒ってる
弱りました。じゃあ、なんて言えば……
今夜、貴女に、キス以上のことをすることが許されますか?
(そんなの……)
そんなのとっくに許されてるの!
切ないくらい優しい笑みを描く唇に、私は自分から、噛みつくようにキスをした。
…………
まだわからないの? 私がエドガーを、どれだけ……どれだけ……っ
(っ、泣くな、怒れ)
どれだけ、好きか……
どれだけ、あいしてるか……!
涙を飲んだら、声が震えて少し掠れた。
●●●……
触れているエドガーの頬が、どんどん熱を上げていく。
重なっている胸が、激しい鼓動を伝え合う。
(私にだけは、なんの負い目も感じないで欲しい。だから)
(あなたがちょっとでも愛することをためらったら、私は怒る)
(怒るくらい、愛してるんだって、あなたに全身で伝える)
いいのっ? 私が、帰っても
挑むように、エドガーを見上げる。
かすかに濡れた美しい唇から、悩ましい吐息が漏れた。
……降参です
こんな夜に、貴女が部屋を訪ねて来てくれてるのに……
帰せるわけ、なかった
っ……でしょう?
わざと得意げな顔をして胸を張ると――
ここにいて。朝までずっと
甘い囁きとともに、優しいキスで口を塞がれた。
ん……っ。ん、ぁ……
一度口づけられたら、止まらなかった。
忍び込んだ舌先に、虚勢を張って言葉を連ねた私の舌が、ほだされていく。
ふ……、ぁ……っ
脇腹を、つ……とエドガーの指が這い下り、耐えがたいほど甘い疼きが背筋を走る。
反射的に身を捩り、体を引きかけたけれど――
逃がしません
!? ぁ……っ
腰に腕を回され、脚を絡められる。
(だめ……っ)
身体が真ん中から溶けそうになって、染みひとつないシャツにしがみ付く。
キスは激しさを増し、水音が羞恥を駆りたてる。
けれど、エドガーの想いを受け止めたくて、たどたどしくても舌先で応えた。
(今、エドガーは、気持ちを丸ごと、ぶつけてくれてる)
(怖いくらい、私のこと、求めてくれてる……)
唇が離れると、しばらく荒い呼吸の音だけが部屋に響いた。
――…ベッドへ、●●●
っ、うん……
両腕で横抱きにされ、シーツの上へ運ばれる。
間をおかず私を組み敷くと、エドガーは波打つ髪に口づけをした。
先に言っておきます
手加減できません。余裕、ないので
え……、っ……ひゃ、ぁ……っ
薄いネグリジェ越しに、カリ、と胸の先をひっ掻かれ、背中が反り返った。
次の瞬間には肌を暴かれて、熱い唇でもう一度同じことをされた。
堪らずエドガーの肩に爪を立てるけれど、キスは止まず、私の身体のあちこちに痕が散っていく。
もう、ゃ……っ、恥ずかし……
でしょうね
あ……っ
蕩けた私をエドガーの指先がさらに溶かし、ひく、と足の指が丸まった。
さっきは我慢できたのに、涙がこぼれる。
でも、苦しいからじゃない。
ああ、もう……
……可愛い
っ……エドガー……
熱の行きわたった肌と肌が、隙間なく重なり合う。
(今夜は全然、優しくない。……でも、嬉しい)
(私、こんなにこの人に、)
(愛してもらってたんだ……)
私はエドガーにぎゅっと縋りついて、口づけの嵐を、全身で受け止めた。
●●●。そろそろ、こっちを向いてくれませんか?
……まだ、無理
隣同士ベッドに寝転がり、私はエドガーに背を向けて丸くなっていた。
心臓が、ド、ド、ド、と、まだうるさい。
涙でぐしゃぐしゃになった顔が気になって、エドガーの顔を見られない。
(身体、溶けるかと思った……)
こっちを向いてくれないなら、仕方ないですね。……よっと
(わ……っ)
ころん、と身体を転がされて、エドガーと鼻先がぶつかった。
顔、見せて?
め……滅茶苦茶だから、やだ
へーえ、どれどれ?
頬に貼りつく私の髪をかきあげ、エドガーはにっこり笑った。
本当だ、滅茶苦茶ですね
滅茶苦茶に、可愛いです
(もう……!)
鼓動の高鳴りに耐えきれず、エドガーの胸をぽかりとグーで叩く。
怒った顔も、可愛いな
……意地悪
ええ、そうなんです。貴女はよくご存じでしょう?
くすくすと笑って、エドガーは私の額にキスを落とした。
安堵と喜びが胸に広がるけれど、同じ分量、切なくなる。
(この夜がずっと、続けばいいのに)
ねえ、●●●。さっきは『怒ってる』って言ってましたけど、ご機嫌、直してくれましたか?
……どうだろう
私がエドガーのこと大好きだって、ちゃんとわかった?
……はい。だからさっきは、ちょっぴり調子に乗っちゃいました
泣かされたせいでスンスンと鳴っている鼻を、指先でつつかれる。
ちょっぴりじゃ、なかったと思う……
甘いですね。まだまだ、こんなものじゃ済まないですよ?
(えっ?)
思わず目を瞬かせると、エドガーがふっと微笑んだ。
これから、少しずつ知っていって下さい。俺の本性を、もっと
(これから……)
“これから”って言葉は、大好き
……よかった
じゃあ、ご機嫌は直りました?
うん、もう怒ってないよ
だから――…ゆるしてあげる
(全部、ぜんぶ。あなたのしたこと、私だけは……ひとつ残らず)
エドガーもいつか……
自分のこと、ゆるしてあげてね
…………
……はい。頑張ってみます
涙目のみっともない顔で笑い合って、私たちはまたキスを交わした。
(今夜のこと、忘れないでね)
(私も絶対、忘れないから)
それから、ふたりできつく手を繋いだまま眠った。
切なくて哀しくて、けれど同時に、
一点も曇りのなく、幸福な夜だった。
エドガーの口から「これから」って言葉を聞けて、私もとっても嬉しい!!