イケメン革命 | ランスロット=キングスレープレミアストーリー⑤「Day dream」

プレミアストーリー「Day dream」

記憶を取り戻した主人公はヨナとともにランスロットを救いに、魔法の塔へ向かいます。

途中、追っ手に捕まり、一人で屋上にたどり着いた主人公はランスロットを捨て身で救い、なんとか黒幕を倒すことに成功します。
そして、薄れゆく意識の中で。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。

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ーー……目が覚めると、私は真っ白な景色の中にいた。

白い景色を振り払うように、首を振ると……、
まるで、魔法にかけられたようにふわっと、景色が色づく。

賑やかな声、カップがぶつかる音、
長いテーブルに並べられたスイーツに、ここがお茶会の場所だと気づく。

歩き出すと、まだ足元がふわふわする。

醒めない夢を楽しむように歩き出すと、見慣れた姿が視界に飛び込んできた。

その人たちが、私に気づく。

なんだか4人に逢うのは久しぶりなような気がして、
思わず笑みが零れる。

その時、ふと違和感を覚える。

ゼロの視線の先を辿ると、賑やかな喧騒から遠く離れた場所に、

1人で佇む姿が見えた。

駆け寄ろうとする私の腕を、そっとエドガーさんが制する。

ヨナの顔を見ると、私の考えていることを察したように頷く。

ヨナの悲しそうな顔に、焦りが込み上げる。

カイルはお酒を飲んでいた手を止める。

堪らず、私はランスロット様の元へ走り出す。

人から離れた場所で、ただ空を見上げる姿に、駆け寄る。

金の髪が、クレイドルの風に揺れる。

手を伸ばし、腕に触れると……、

視線が、重なった。
だけど、重なった眼差しが、まるで何かを諦めるような色に染まる。

魔法を、解きたい。

孤独に慣れきったこの方を、もうこれ以上1人にしたくない。
隣にいて、抱きしめて、そして……、伝えられていない愛を伝えたい。

その時、ふっと薔薇の淡い香りが鼻をくすぐる。

ーーだって、1輪の白い薔薇の花言葉は……。

ーー『あなたしか、いない』だから。

この悪い夢があのおとぎ話と同じなら、魔法を解く鍵は……。

1輪の白い薔薇を摘んで、私はランスロット様に差し出す。
祈るような気持ちで、そっと差し出す。

心に届くように、言葉を紡ぐ。

聞こえない声を聞くように、ランスロット様が私の頬に手を添える。

ランスロット様が目を見開いた瞬間、
まるで重い鎖が壊れるように、ふわっと光が舞う。

聞こえてきた声は、掠れていた。

ランスロット様が、私を抱きすくめる。

自分の存在を確かめるような声に、ただ愛おしさが込み上げる。

愛情を溶かして名前を呼ぶと、目の前の唇が弧を描く。

ランスロット様が悪戯に笑い、まるで子どもの戯れのようなキスをする。

目を伏せると、ランスロット様が微かに笑う気配を感じた。

ランスロット様の腕が解け、その姿がどんどん遠くなっていく。

消えていく体温を探すように、求めるように、
私は重い瞼をそっと開けた……ーー

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