がろはる_喜

このページではイケメン革命ランスロットのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「忘却と冷たい夜」第4話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「忘却と冷たい夜」

偶然、現代の世界から魔法の国に迷い込んでしまった主人公は、黒の軍のお世話になろうとした矢先、赤の軍に誘拐されてしまいます。

黒の軍に帰るために脱出を試みる主人公でしたが、助けにきた黒の兵士はランスロットに殺されてしまいます。主人公は嘆き悲しみ、その夜、地下へと忍び込みます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


駆け出したその刹那、悲しげな声が私の足を止めた。

ランスロット

アリスという人物、そして今夜の記憶を……
ーーお前の中から、消し去ろう

黒の兵隊

……!

まるで柔らかな陽ざしのように温かな色をした光が辺りを包み……、
そしてすうっと消え去っていく。

ランスロット

……戻るが良い。黒の兵舎に

黒の兵隊

…………は、い

視界を覆われていた手を外された兵士は牢屋を出て、

イケメン革命_主人公

……!

私の横を通り過ぎていった。
ーーまるで、私なんて最初から知らなかったかのように。

イケメン革命_主人公

(…………魔法で、記憶を消した?)

兵士が立ち去る足音が、遠くなっていく。
その足音が消えるのと、ランスロット様の口から深く息が吐かれるのは同時だった。

ランスロット

……

その横顔には、切なさに似た何かが浮かんでいる。

イケメン革命_主人公

(…………どうして、そんな表情をしてるの?)

たくさんのどうしてが込み上げ眉を寄せると、
視線がぶつかった。

イケメン革命_主人公

(……っ)

ランスロット

アリス……?
この様な場所で、なにをしている

イケメン革命_主人公

……

沈黙を貫いていると、足音が近づき……、

イケメン革命_主人公

……!!

壁に追い詰められ顔の横に手をつかれる。

ランスロット

なにをしていると聞いているのだが?

イケメン革命_主人公

私は…ーー

言いかけた言葉は、視界に飛び込んできたものが遮った。

イケメン革命_主人公

(…………血?)

壁についているランスロット様の手の甲からは、血が滴り落ちている。

イケメン革命_主人公

(もしかして……)

【回想】ーーーーー

ランスロット

…………血で絨毯が汚れたな


ランスロット

不快だ……。この男は、片付けておく

ーーーーー

どくんと、胸が鳴った。
そんなことあるはずない、そう思うのに、目の前の光景は紛れもなく事実だった。

イケメン革命_主人公

あの時……、ご自分の手を刺していたんですか……

ランスロット

……

イケメン革命_主人公

それに、どうして魔法で記憶を消したんですか?

私の問いかけは、暗い空間に消えていく。

イケメン革命_主人公

(これじゃまるで……)
(助けたみたいだ……)

血はどんどん地面に滴り落ちていく。

イケメン革命_主人公

(止血をしないと……)

手を伸ばそうとすると……、

ランスロット

ーー動くな

音もなく抜かれた剣の刃が、首に触れる。

イケメン革命_主人公

……っ

ランスロット

動けば、ただちにこの細い首を落とす

イケメン革命_主人公

ランスロット……様

ランスロット

お前には、魔法が効かないのだったな……

目の前の瞳が、可笑しそうな細められた。

ランスロット

だが、この刃で首を落とせば記憶は消えるだろう?

イケメン革命_主人公

……それは、今見たことを忘れてほしいということですか……?

ランスロット

……

イケメン革命_主人公

黒の軍の人を助けたと、思って……いいんですか?

ランスロット

黙れ

刃が近づき、空気が震える。
刃の冷たさに、喉がごくりと鳴った。

ランスロット

憶測でものを語るな
…………殺されたいのか

ぶつかった視線が、揺れる。
あんなに感情を映さない瞳に、少しだけ感情が見えた。

イケメン革命_主人公

(……ここで臆しちゃ、ダメだ)

イケメン革命_主人公

そうしたいのなら、お好きになさってください

長い沈黙のあとに、剣が下ろされた。

ランスロット

自分の私室に戻れ
俺の気が変わらないうちに

冷たい瞳が背けられる。

イケメン革命_主人公

……わかりました
だけど、……これだけは受け取ってください

ハンカチを取り出し、血で濡れた手の甲をそっと押さえる。

イケメン革命_主人公

(………こんなんじゃ、足りないけど)

白いハンカチが、あっと言う間に赤に染まっていく。

ランスロット

……戸惑うなら、触れなければいいものを

イケメン革命_主人公

え……?

ランスロット

手が、震えているが……?

私の手は、確かに小刻みに震えている。

イケメン革命_主人公

戸惑わないはずがありません
……目の前で記憶を消す姿を見て、刃を首にあてられて

ランスロット

……

イケメン革命_主人公

だけど、こうしないと。…………あなたの方が、あまりに痛そうだから

ランスロット

……

イケメン革命_主人公

(傷だけじゃない)

イケメン革命_主人公

とても、痛そうな顔をしていたから

一息に伝えると、手が振り払われた。

ランスロット

……去れ

赤に染まったハンカチが、地面に落ちる。
私は、1人佇むその姿に背を向けて、階段を駆け上がる。
冷たい刃よりも、赤に染まるハンカチよりも、
私の心に残ったのは、あの悲しそうな横顔だった……


がろはる_喜

緊迫した場面での壁ドン……