政宗との両ルート(幸福な恋・情熱の恋)をどちらも恋度MAXで秘密エンドを見ると、特典が貰えるんだよ!
特典は「独眼竜の逆鱗」が読めるのとロングボイスだぞ
独眼竜の逆鱗
●●●と青葉城で暮らし始めて、数ヶ月。
●●●は政宗の許嫁として歓迎され、すっかり城の生活にも馴染んでいた。
新作ができました。お納めください
よろしい。近う寄れ
●●●が戯れにかしこまって差し出す絵を、政宗が偉そうに受け取る。
月に一度、政宗が自室に飾る絵をせがむのが、青葉城でのふたりの習慣のひとつになっていた。
本当に、いつも私の絵でいいの?たまにはもっとちゃんとしたの飾ったら?
お前の『だから』いいんだよ
……そっか
飾り気のない政宗の言葉に、●●●がふにゃり、と嬉しそうに笑う。
(この笑った顔、最高に好きなんだよな)
胸にわいてくる愛おしさに突き動かされ、政宗は自分の腕の中に●●●を誘いこんだ。
(すぐ、触れたくなる)
ん……
本能の赴くまま、●●●に口づける。
最初は戸惑いがちに、次第に嬉しそうに表情をとろけさせて、●●●もそれに応えた。
(あーあ、気持ちよさそうな顔)
(可愛い)
触れるたびに幸せそうにする●●●が、愛おしくてたまらない。
●●●を腕の中に囲ったまま、身体のあちこちに口づけの痕を残していく。
んっ……政宗、くすぐったいよ
じっとしてろ
……やだ。政宗もくすぐったくしてやる
●●●がじゃれつくように、政宗の身体を押し倒す。
こら
ん、……くすぐったい?
いーや、全然
首筋に唇を寄せてくる●●●の頬を、笑いながら撫でてやると、
●●●はまた嬉しそうに目を細めた。
(ああ、くそ……まただ)
(こいつに触ってると、おかしくなる)
●●●に触れていると、満ち足りた気持ちと、満たされない気持ちが、同時に湧いてくる。
(触れればそれだけ、飢えてくるみたいで……)
(堪らえようとしても、止まらなくなる)
それが近頃、政宗の頭を悩ませていた。
(もともと口づけも抱擁も、情を交わすのも好きだったし、)
(『愛し合う』って行為については、大概、知ってるつもりだった)
今日は変わらず触れ合えても、人間誰しも、明日、死ぬかもしれない。
だから触れられるうちに、愛おしいと思ったものには、ためらわず触れた。
(ただ触れ合えれば、それで十分だったのに)
政宗……?
ふいに黙りこんだ政宗を、●●●が不思議そうに呼ぶ。
何気なく名前を呼ばれただけでも、胸の奥が苦しいほど詰まった。
(……●●●にだけは、どれだけ触れても、満足できない)
っ…
ぐっと●●●の腕を引いて、その身体を床へ押し倒し覆いかぶさった。
視線が絡み、歯止めも、なにかもを忘れそうになる。
(いくら愛し合っても、満足できないなんて、初めてだ)
(なんなんだ、これ。どうしたらいい)
……あ…っ
紛らわすように●●●の耳に噛み付くと、可愛い悲鳴があがった。
…………
その日の夕方からは、青葉城城下で祭りが開かれることになっていた。
その祭りで、花火が上がる予定だと明かすと、●●●はぱっと笑顔を咲かせた。
まさか、本当に花火が見られるなんて、思わなかった!
(本気で嬉しそうだな、こいつ)
いつものように、家臣も連れずに城下を歩きながら、
隣ではしゃぐ●●●を、政宗が優しく見つめる。
いつか見せてやるって約束しただろ
……覚えてたんだ
俺は物覚えはいい方なんだ
政宗が偉そうに言うと、●●●がくすくすと笑った。
政宗って、以外な長所が多いよね
意外って何だ、意外って
ごめんごめん、……覚えててくれたの、嬉しい。ありがとう
でも、お城で見るんじゃないんだね?
ああ、打ち上げる場所が、城からちょっと遠いからな
見るならちょうどいい場所が……
不意に言葉を切って、政宗は周囲に視線を巡らせた。
(…………さっきから、妙な視線を感じるな)
(二人か)
かすかに感じた気配は、すぐに確信へと変わった。
政宗?どうしたの?
●●●、ちょっと来い
え?
そのまま●●●の手を引いて、馴染みの茶屋へと足早に歩く。
よう、繁盛してるか
これは政宗様に●●●様!ようこそいらっしゃいました
政宗が声をかけると、すぐに店主が顔を覗かせた。
団子と抹茶をひとつずつ頼む
政宗が店主に注文を告げると、●●●が不思議そうに目を瞬かせる。
ひとつ?政宗は?
ちょっと急用ができたから、お前は少しここで待ってろ
急用……?
●●●の瞳が、少しだけ不安そうに揺れる。
(……こういう時、こいつは感が鋭いから厄介だな)
心配すんな。すぐ戻る
なだめるように微笑んで、ぽんぽん、と頭を軽く撫でる。
…………うん
●●●は神妙に頷くと、しっかりと政宗を見つめ返し、微笑んだ。
わかった。気をつけてね
わかってる。いい子で待ってろよ
●●●を茶屋に残して、政宗は先程の気配を追った。
(……これで隠れてるつもりとは、舐められたもんだな)
茶屋が見える物陰で、男が二人、声を潜めて話している。
……あれが、噂の独眼竜の弱点か?
ああ。なんでも、あの伊達政宗が直々に安土から連れてきた、どこぞの姫だって話だ
男たちの視線の先に、●●●の姿があるのを見て、虫唾が走る。
(あいつが俺の弱点、ねえ……)
あの女さえ手にできりゃ、独眼竜を手中に収めたも同然だ
へえ。それで?
独眼竜の弱点と言えば、欲しがる奴は数多だろ?
極めてさり気なく返答する政宗に、男たちはまったく気づいていない。
一番高い値段つけた奴に売り払って、大儲けってわけだ
なるほど。そいつは賢いな
にしても伊達政宗が夢中になるくらいだ……相当いい女なんだろうな
そいつは、売り払っちまう前に確かめればいいだろ
それまでに命があればなあ
……あ?
ようやく一人、余計なのが会話に紛れていることに気づいたらしい。
振り返った矢先、男たちは目を大きく見開いた。
き、貴様は……っ!
(自分の力量も測れずに、目先の欲に目がくらんだか)
(●●●に目をつけたのが、運の尽きだったな)
何か勘違いしているようだから説明してやるよ
あいつは、俺の弱点じゃない
逆鱗だ
薄く笑みを浮かべて、政宗は刀の柄に手を掛けた。
瞬間、男たちの身体が恐怖で震えあがる。
じょ、冗談なんですっ、ちょっとした冗談……っ!
そうそう、本当にさらう気なんてまったくありませんっ
本気か冗談かは関係ない
●●●に危害を加える可能性のある芽は潰す
魔が差した己を恨むんだな
悲痛な叫び声が響いた直後、男たちに容赦ない制裁がくらわされた。
…………
賊への制裁を終えた政宗は、茶屋に●●●を迎えに戻り、
何事もなかったかのように当初の目的地までやってきた。
……まさか、目的地が屋根の上とは思わなかった
ここが一番、花火が良く見える
城下にある屋敷の屋根の上に並んで座り、二人で空を見上げる。
この屋敷の人に怒られないの……?
ああ。この屋敷、俺のだからな
え、そうなの?……お城以外にも屋敷があるなんて、贅沢
拠点はたくさんあった方が何かと便利なんだよ
ふうん。……でも確かに、ここからだと眺め、良さそうだね
わくわくした様子で、●●●は夜空を見上げている。
(こういう表情も、いいな)
眩しげに目を細めながら、政宗は●●●を見つめた。
……花火、まだかな
もうすぐだろ
わくわくするね
そう言いながら、●●●がそっと政宗の肩に頭を預けてくる。
●●●は、政宗が茶屋に戻ってからここに来るまで、
政宗のぬくもりを確かめるように、ずっとその手を握りしめていた。
(……俺が物騒なことしてきたのには、気づいてんだよな)
さっき茶屋で政宗を見送る時の、●●●の強い眼差しを思い出す。
(こいつだって、覚悟を決めてるんだ。きっとあの時から、ずっと)
いつかの日に、●●●に告げた言葉が、政宗の胸に浮かぶ。
●●●、俺は、戦うことをやめる気はない
だからお前は、俺のそばにいる限り、また怖い思いもするだろうが
お前のことは、俺が守る
だからお前は、俺のそばにいろ
今日は他愛もない賊だったけれど、
明日、どんな危険が待っているかは、分からない。
(多分それもわかってて、こいつは俺のそばにいてくれる)
(だから、俺が……)
その時、暗い夜空に一筋の光が走った。
あっ、あがった!
大きな音と共に、色鮮やかな花火が空に咲く。
すごい……きれい
……そうだな
キラキラした目で、●●●は花火を見上げている。
いつもと変わらないその笑顔を見て、政宗の胸が熱く焦がれた。
(俺が絶対に、守ってやる。不安なんて感じる隙もないくらい)
(お前を苦しませるものは、全部俺が斬って捨ててやる)
(ずっと俺のそばで、そうして笑ってられるように)
ねえ、政宗、きれいだよ……って、ちゃんと見てる?
ああ……お前のこと見てたから、見てなかった
膝に肩肘をついて、●●●を見つめながら言うと、
●●●の頬がさっと赤く染まる。
(……相変わらず、可愛い反応)
……せっかくよく見えるところに来たんだから、見ないともったいないよ
俺は、花火見てはしゃいでるお前を見に来たから、いいんだよ
な……っ
あえて率直に本音を言えば、赤みが頬から耳の先まで広がった。
またそういうこと言って……困らせて、楽しい?
ああ。すげえ楽しい
お前がそんなわかりやすく、恥ずかしがったり喜んだりするから
クセになる
……っ、喜んで、ない
見透かすような政宗の眼差しを受け止めて、●●●は拗ねたように唇を尖らせる。
(そういうのも可愛いって、気づいてないんだろうな)
ほら、次が上がるぞ
わ……っ
腕を回して引き寄せると、政宗は後ろから●●●の身体を抱きしめた。
俺のことは背もたれか何かだと思って、お前は花火見てろよ
もう……
首筋までうっすらと上気させて空を見上げる●●●を見下ろしていると、
また喉の渇くような渇望を覚える。
…っ、ん
こらえる気もなく、政宗はそのうなじに唇を寄せた。
っ……政宗?ここ、外……
……わかってる、口づけだけだ
ん……っ
包み込むように抱き込んだまま、うなじから耳の後ろへ、唇を滑らせる。
(ああ、まただ……触れば触るほど、どんどん足りなくなってく)
幾度か首筋に口づけを落とすと、●●●の身体から力が抜けて、
諦めたように、くったりと政宗の胸に身を預けた。
目線、下がってるぞ。花火、見るんだろ
……っ、いじわる……
上がる花火の音を聞きながら、頬に、こめかみに、耳に、手に、
肌に直接触れられる、いたるところに、政宗は口づけを落とした。
触れるたびに、びく、と小さく●●●の身体が跳ねる。
ん……っ、ふ……
(……口づけだけじゃ、全然足りねえ)
ちらりと横顔を伺うと、花火を映した●●●の目はかすかに潤んでいた。
視線は空を向いているけれど、その目は熱に浮かされたようにぼんやりとしている。
(お前が、そんな素直に反応するからだ)
(……ほんと、可愛いやつ)
花火、ちゃんと見てんのか?
や……っ
からかうように囁いて、目尻を舌先で舐めてやる。
瞬間、●●●の身体がびくっと、ひと際おおきく跳ねた。
……っ、もう……!
おっと
怒ったような顔で叫ぶと、●●●は身体をねじって政宗に抱きついた。
勢いに倒れそうになるのを堪えて、政宗がそれを受け止める。
外なんだから、ちゃんとわきまえて……っ
……お前、言ってることとやってること、真逆だぞ
っ、だって……
●●●は一層強く、ぎゅっと政宗にしがみついてくる。
……政宗に触られると、どんどん足りなくなってくから、こわい
怖い……?
……おかしくなっちゃう
…………っ
(……あのなあ)
●●●の言葉に、政宗は頭を鈍器で殴られたみたいな感覚を覚える。
(おかしくなりそうなのは……、俺の方だ)
愛し合う行為について、大概を知っているつもりだった。
それが本当に、ただの『つもり』だったと、
こうして●●●に、何度も思い知らされる。
口づけだけで我慢してやろうってのに、馬鹿だな
●●●に乱されきっている本心を悟られないように、余裕を装って意地悪く笑ってやる。
(怖い、なんて考えられないくらいに…めちゃくちゃにしてやりたい)
いまさら怖気づいても、もう逃さねえよ
お前の身体に、クセになるまで俺を覚えこませて、
これ以上ないってくらい溺れさせてやる
観念するんだな
囁かれ、●●●はまっすぐに政宗の視線を受け止める。
戸惑いと期待が入り混じった目に、薄く微笑む政宗が映った。
おかしくなっちまえ
……っ、ん……
顎を引き寄せて、強引に●●●に口づける。
溢れる甘い吐息ごと奪い取るように、何度も何度も柔らかい場所へと噛み付いた。
(俺なしじゃいられなくなればいい)
……どうせ一生、離さない
浅い呼吸を幾度か繰り返してから、●●●は微かに頷いた。
うん……
その小さな返答が、政宗のなけなしの余裕を剥ぎとっていく。
(悩むのは、もうやめだ)
(どれだけ愛し合っても足りないなら……、)
(命が果てるまで、愛し合えばいい)
頭上で咲き誇る花が、ふたりの姿を彩る。
底なしの幸せに包まれるように、
二人はいつまでも、互いの熱に溺れていった。
両ルート恋度MAX特典ボイス
いまさら怖気づいても、もう逃さねえよ
お前の身体に、クセになるまで俺を覚え込ませて、これ以上ないってくらい溺れさせてやる
観念するんだな