このページではイケメン戦国信玄のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!
今回の「暗闇の中の幸福」は幸福ルート第十三話中盤の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!
プレミアストーリー「暗闇の中の幸福」
顕如の裏切りによって、敵であった信長と手を結んだ信玄。
悲しみの中、旧知の友を倒し、春日山城へと帰還します
※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。
こっちにおいで、姫君
…はい
寝支度を整え、布団の上で信玄様が手招きする。
ゆっくりと近づくと、そのまま抱き寄せられた。
(あ……)
ようやく、君との約束を果たせるな
今夜は――柔らかい褥(しとね)の上で、心ゆくまで君を抱く
髪をやさしくかきあげられ、頬をかすめた指先の感触に、熱が灯る。
(ドキドキする…。でも…やっと、触れてもらえるんだ)
恥ずかしさと、信玄様の温もりを待ちわびる気持ちとが、甘くせめぎ合う。
あ、でも…
少し心配になって、信玄様を見上げた。
お身体の具合は、大丈夫なんですか?
(戦のあとも何かと忙しかったし、長旅だったから、疲れてるんじゃないかな)
普通の人でも大変なのに、信玄様の病気は一度、悪化している。
大丈夫だ。あれからは軽く咳が出るくらいで、ひどい症状にはなってない
本当ですか……?
もちろん。ずいぶんと疑い深いな、俺の姫は
(それは……仕方ないよ)
信玄様はずっと病のことを言わなかったんですから、今、私が心配するのは当然ですよ
それを言われると、弱るな。あの時は、君を諦めるつもりだったから
今はもう、君に大事なことを隠したりしない
(…信玄様と、やっと同じ目線になれた気がする)
幸せが、ひたひたと心に広がっていく。
私、ずっと信玄様の背中を追いかけて来たような気がします
少しは追いつけたんだとしたら、嬉しいです
俺に言わせれば、その逆だよ
え?
きょとんとして、信玄様を見つめる。
俺の行ける道は途中で行き止まりだったから、その先へ駆けていこうとしてる君が眩しかった
だが、君は俺の手を取って、道の先へ導いてくれた
(そんなふうに、思ってくれてたの……?)
心がふわりと浮き立って、大きな喜びに包まれた。
(この幸せを、ずっと手放したくない)
信玄様、必ず五百年後で治療して、病を治しましょうね
ああ。必ず
信玄様は、力強く答える。
どうしてだろうな。大きな賭けをしようとしてるのに、不安なんて一切ない
君が…俺の天女が、そばにいてくれるからだろうな
私も、信玄様と一緒なら不安なんてありません
…ありがとう、姫君
信玄様は微笑むと、ごく自然な仕草で私の顎を指ですくう。
ん…っ
軽く唇をついばまれ、かすかに吐息が漏れた。
(っ…今の、心の準備が…)
そういうこと、不意打ちでするの駄目です
照れ隠しで、信玄様をにらむ振りをする。
愛する女に口づけて、駄目なことなんてないだろ?
それとも――もう一度、君の唇をもらうために、賭けをしなきゃいけないか
それは…
信玄様の言葉を聞いて、春日山城にさらわれた最初の日のことが、まざまざと甦った。
賭けをしようか
二月(ふたつき)のうちに、俺が君を心底笑わせることができたら…その唇をもらう
(懐かしいな。あの時は、信玄様のこと、好きになるなんて思ってなかった)
記憶と同じように、信玄様が不敵に笑う。
賭けをしようか
俺がこれから、君を心底笑わせることができたら…君の、生涯をもらう
(っ……そんなの、賭けになんてならないよ……)
信玄様への想いで苦しいくらいに胸が満たされて、余すところなくそれを伝えたくて……
私はただ、笑みをこぼした。
……こら、あっさり賭けに負けるもんじゃない
優しく私の頬に手を触れて、信玄様も微笑した。
ともかく、今度の賭けは俺の勝ちだな。…ずっと、俺のそばにいろ。いいな?
そんなの、当たり前ですよ
いい答えだな。じゃ、約束だ
見つめ合って、どちらからともなく唇が重なる。
ん……
すぐに入りこんだ舌が、私の下を巧みに絡めた。
ん……ふ、ぁ……っ
呼吸をさらうように深いキスに、頭がくらくらする。
唇がそっと離され……吐息が儚く触れ合う距離で、信玄様が囁く。
あの時、戦場で君を抱いたことを、俺は後悔していない
だが……今日はその分まで、優しく、じっくりと時をかけて、君を俺のものにしよう
や、優しくって……あっ
キスで散々に溶かされていた身体を、柔らかな布団に押し倒された。
ま、待って…
(なんだか、これ…恥ずかしすぎるかも…)
(信玄様の部屋、だからかもしれない……)
戦場を不安な気持ちで駆けて、束の間に、心と身体を溶けあわせた夜とは違って、
今の私は信玄様のそばにいる幸せに満たされている。
(だからこそ、気づいてしまう)
信玄様の生活の匂いのする部屋で、身体を重ねることが――どれだけくすぐったいことか。
(春日山城で暮らしてた頃も、危うい雰囲気になったことはあるけど、それは私の部屋だったし…)
ここまで来て止めるとは、俺の姫君は酷なことを言う
だが、優しくすると言った以上、姫のお許しを待つより他はないな
信玄様は私の手を取って、その甲に唇を這わせる。
あ、ゃ……
わずかな刺激にもたやすく反応する私を見て、信玄様がにやりと笑った。
さて、どうやったら、君を説得できるだろうか
っ、違うんです。……嫌とかじゃないです。ただ、恥ずかしいだけで……
恥ずかしい?
俺に触れられるのは、初めてじゃないのにか
からかうような口調に、私はしどろもどろに反論しようとする。
でも…信玄様の部屋で、するの…初めてですよ。だから、落ちつかないです
信玄様の気配が、そこらじゅうにあるみたいで……
俺の気配に囲まれるのは、ご不満かな
(不満っていうか…)
ただでさえ、触れられると信玄様のことで頭がいっぱいになるのに、この部屋で…されたら、ますます溺れてしまいそうだから
……
(我ながら、恥ずかしいこと言ってるな…)
じわりと頬が熱くなり、信玄様の目が見られない。
……本当に困った姫君だ
気丈なのに純粋で、美人なのにとんでもなく愛らしくて……
俺の方こそ、君にずっと溺れてる
信玄様……
甘い言葉に、どこまでも溶かされていく。
だから、君も、安心して溺れろ
(あ…)
信玄様は立ち上がり、行燈の灯りを落とした。
周りを見ずに済むように、灯りくらいは、消してやる
訪れた暗闇の中で、信玄様が再び私に覆いかぶさった。
ん、ぁ…っ…信玄、様……っ
首筋を舌がなぞり、甘い吐息が漏れる。
同時に器用な指先が袷(あわせ)からするりと入りこんだ。
君の身体、もう熱くなってるな
信玄様の、せいです
だとしたら、光栄だよ
舌と指先が、ことさらゆっくりと私を翻弄し……
身体が小さく跳ねるたび、どうしようもなく甘い疼きが深くまで走る。
(ああ、もう…いっぱいだ、信玄様のことで…)
っ…信玄様…これ、以上は…
まだだ、優しく丁寧に抱くって、言っただろ
…無理…です…っ
焦れるような感覚に、目の淵に涙が滲んだ。
それを信玄様の指先がそっとぬぐって……
我がままな姫君だ。……そういうところも可愛いよ
(……幸せに溺れるって、こういうことなのかな)
身も心も揺らされて、たくましい腕に抱かれた―…
信玄様の部屋♡信玄様の生活臭の匂い……スーハースーハー( ´ ▽ ` )ノ