がろはる_喜

信長様との両ルート(幸福な恋・情熱の恋)をどちらも恋度MAXで秘密エンドを見ると、特典が貰えるんだよ!

ぱいせん_喜

特典は「魔王の好きな甘いもの」が読めるのとロングボイスだぞ

魔王の好きな甘いもの

…とある日の夕刻。

安土城の広間に、織田軍の武将達が信長によって緊急招集された。

織田信長

(全員、集まったな)

豊臣秀吉

信長様、いったい何事ですか?

石田三成

非常事態とのことですが、まさか謀反の報がもたらせれたのでは…

織田信長

いや、そうではない

明智光秀

では、領地で何か不測の事態でも…?

伊達政宗

今のところ、俺達の耳には入ってませんが

織田信長

それも、違う

織田信長

(もっと由々しき事態だ)

徳川家康

では、いったい何が……

織田信長

●●●がここ数日、俺に口を利かない

徳川家康

……は?

石田三成

……

豊臣秀吉

非常事態とは……そのこと、ですか?

織田信長

ああ

織田信長

(早急に手を打たねばならん)

眉間に深く皺を刻み、集う武将達を見回す。

織田信長

どんなことでも構わん。打開策を出せ、貴様ら

重々しく命じた瞬間、政宗が盛大に笑いだした。

伊達政宗

信長様がここまで追い詰められるとは、たいしたタマだな、●●●は

明智光秀

ああ、まったく

織田信長

(こやつら……わかっておらんようだな。事態がいかに切迫しているか)

織田信長

笑いごとではない。●●●が口を利かなくなりすでに三日…

織田信長

これまでには一度もなかったことだ

織田信長

(その間、●●●の笑う顔を一度も見ていない)

織田信長

(このままでは、俺が持たん)

徳川家康

あの、俺もう帰っていいですか?

織田信長

駄目だ

石田三成

では……そうですね

腕を組み、三成が生真面目に信長に尋ねる。

石田三成

三日前、何かが●●●様との間に、特別な出来事はありませんでしたか?

織田信長

いや、特には思い浮かばん

豊臣秀吉

……あ

三成と同じく真剣に考え込んでいた秀吉が、目を見開いた。

豊臣秀吉

信長様、原因がわかりました

織田信長

(何だと?)

織田信長

本当か、秀吉!

豊臣秀吉

はい。三日前、家臣達のねぎらいのために開いた宴…

豊臣秀吉

あの場に●●●もいたはずです

織田信長

(それは俺も記憶があるが…)

伊達政宗

あー、あれか

明智光秀

なるほどな

織田信長

(……? どういうことだ)

石田三成

十中八九、間違いありませんね

徳川家康

……ますます帰りたくなってきた

織田信長

(全員、何かを察したようだが…)

思い当たる節がなく、苛立ちがつのっていく。

織田信長

貴様ら、俺にわかるように説明しろ

豊臣秀吉

家臣達が宴の余興に招いた、旅芸人の一座が原因です

織田信長

(は……?)

伊達政宗

信長様、踊り子の女達に滅茶苦茶もててたからな

石田三成

はい…。そういえば●●●様、かなり心配そうな顔をしていましたね

徳川家康

たしかに、信長様が酌されてるたびに腰を浮かしてたよね

織田信長

つまり、どういうことだ

明智光秀

あの小娘は嫉妬して拗ねているだけ、ということです

織田信長

(嫉妬? なぜだ)

織田信長

妬く必要などないだろう

織田信長

俺が今さら、●●●以外の女を相手にするはずがない

豊臣秀吉

それは重々承知しております。●●●も理解しているでしょう

豊臣秀吉

ただ、頭でわかっていても、心がついていかない…ということです

織田信長

(そういうものか…?)

織田信長

では、●●●に説いて聞かされば良いわけか

徳川家康

…念のため聞いておきますけど、なんて言い聞かせるつもりですか?

織田信長

嫉妬などくだらん。必要ないことはやめろ、と告げる

豊臣秀吉

っ……畏れながら、それでは逆効果かと

織田信長

(そうなのか……?)

伊達政宗

こういう時は、贈り物でもして喜ばせてやるべきです

織田信長

贈り物……

豊臣秀吉

あ、豪華なものは避けてください。やましいところがあると勘違いさせるかもしれません

明智光秀

さすがは秀吉だな。町の女に人気があるわけだ

豊臣秀吉

やめろ光秀。お前に褒められると寒気がする

石田三成

ささやかなものでも、信長様からの贈り物でしたら、●●●様は喜ばれると思います

徳川家康

●●●なら、甘いもののひとつでもあげればコロッと機嫌直すんじゃないですか

織田信長

(成程、甘いものか)

織田信長

では、そうしてみることにする

素直に頷く信長に、武将達はそろって、ほっとしたような表情を浮かべた。

織田信長

貴様ら、礼を言う。大儀であった

織田信長

(早々に用意をせねば)

険しい表情で立ち上がり、信長は足早に広間をあとにした。その背中を見送り、武将達が顔を見合わせる。

明智光秀

敵陣に突っ込んで眉ひとつ動かさないあの方の言葉とは思えんな

徳川家康

同感です。この変わりようの方がよっぽど緊急事態だ

伊達政宗

そうか? 人間くさくなって、俺は好きだけどな

石田三成

私もです。畏れ多いことですが……少し安心しました

豊臣秀吉

ああ、俺もだ

豊臣秀吉

信長様が動じたり焦ったりできる相手は、●●●くらいだろうからな

今後も●●●の件で緊急招集があるに違いない、と、武将達は全員、同じ結論を出した。

…………

織田信長

(まだ、起きていたか)

天守へ戻った信長は、●●●を見て目を細めた。

行燈の明かりのそばで、●●●は縫い物に集中している。

織田信長

…今、帰った

イケメン戦国_主人公

あっ、お帰りなさ、……っ

織田信長

(…………)

顔を上げた●●●は、途中で言葉を途切れさせ…しまった、と言いたげに、ふいっと顔を背けてしまった。

織田信長

(まだ機嫌は直っていないようだな)

織田信長

(だが、それも今宵で終わりだ)

●●●に歩み寄り、正面に腰を下ろす。

織田信長

●●●、顔を上げろ

顎をすくい、問答無用で唇に親指を押し当てると…

イケメン戦国_主人公

っ……? あ……

信長は、●●●の舌の上に、用意した金平糖を転がした。

●●●は目を瞬かせながらも、金平糖をもぐもぐと食べた。

イケメン戦国_主人公

……急に何をするんですか

織田信長

(……! ようやく、口を利いたな)

この三日間、胸にかかっていたもやが晴れていく。

織田信長

貴様への贈り物だ、●●●

イケメン戦国_主人公

贈り物……?

南蛮人から買い入れた玻璃の皿に、金平糖を丁寧に盛る。目の前に供すると、●●●が複雑そうな表情になる。

イケメン戦国_主人公

なんで、急に贈り物なんて……。やましいことでもあるんですか?

織田信長

(おお…。秀吉の言ったことは、なかなか的を射ていたのだな)
(今度、褒めておくか)

感心していると、●●●の顔が少し哀しげに曇った。

イケメン戦国_主人公

黙るってことは、やっぱり…

織田信長

いや、違う。やましいことなどあるわけがない

織田信長

(俺は、貴様しか目に入っていないというのに)

織田信長

貴様が笑わないと、俺が落ち着かん
貴様が哀しげな顔をすると、俺の、胸が騒ぐ

イケメン戦国_主人公

信長様……

織田信長

(……そういえば、以前、●●●に似たようなことを言われたことがあったな)


……

イケメン戦国_主人公

私があなたを心配しちゃいけないんですか…っ?

織田信長

貴様が俺を心配する理由などないだろう

イケメン戦国_主人公

あります、たくさん…!

イケメン戦国_主人公

あなたに元気がないと私も元気がなくなるし、

イケメン戦国_主人公

あなたが優しく笑うと嬉しくなる、だから…っ

イケメン戦国_主人公

あなたを心配するのは、私の勝手です!

織田信長

っ……


……

織田信長

(あの時は、●●●の言葉が理解しがたかった)
(甘っちょろいと、斬り捨てた)

織田信長

(だが、今なら理解できる)

●●●の痛みは自分の痛みで、喜びは、自分の喜びだ。頭ではなく、身体で、そう感じる。

織田信長

ここ数日、貴様が口を利かなかったのは……妬いていたせいか?

イケメン戦国_主人公

っ……それは……

困ったように頬が染め、●●●が俯く。

織田信長

(ほう、図星か)

織田信長

光秀の見立ては正しかったらしいな

イケメン戦国_主人公

え?

織田信長

嫉妬など無駄なことをするな、と貴様に言い聞かせようかとも思ったが……秀吉に止められた

織田信長

贈り物を用意したのは、政宗の進言だ

織田信長

ささやかな甘いものが良いと言っていたのは、三成と家康だったな

イケメン戦国_主人公

ちょっと、待って下さい

イケメン戦国_主人公

信長様は……いったい皆と何を話してたんですかっ?

織田信長

あやつらを招集し、貴様の機嫌を直す方法を論じていたのだ

イケメン戦国_主人公

え…………?

織田信長

(なかなか有意義な策が出た。今後も有事の際は意見を聞くとするか)

満足して腕を組むと、

イケメン戦国_主人公

もう……きっと皆、今ごろ呆れていますよ?

織田信長

(……!)

●●●の顔が、三日ぶりにほころんだ。鈴が鳴るような声をたて、おかしそうにくすくすと笑いだす。

織田信長

(ようやく、雪解けか……)

安堵が胸に広がるけれど、疑問が残った。

織田信長

なぜ、そこまで笑う?

イケメン戦国_主人公

だって、信長様が皆に相談してるところを想像したら、おかしくて…

織田信長

(……? 家臣に意見を求めるのは当然のことだろう)

織田信長

(共に住むようになってしばらく経つが、相変わらず読めん女だ)

イケメン戦国_主人公

それにしても、どうして金平糖なんですか…?

織田信長

気に入らんか

イケメン戦国_主人公

いいえ、嬉しいです。それに、美味しいです

イケメン戦国_主人公

信長様がこれを選んだ理由が気になるだけです

織田信長

(理由か。何が良いか、ずいぶん悩んだが……)

織田信長

貴様に贈るなら、共に味わえるものが良いと思って選んだ

イケメン戦国_主人公

え?

金平糖をひとつ手に取り、口に放り込む。カリリと噛んで、淡い甘さを舌で愉しむ。

織田信長

好物だ。実は

イケメン戦国_主人公

嘘…っ? 初めて知りました

織田信長

甘いものなど滅多に口にしないが、これは、時々妙に欲しくなる

イケメン戦国_主人公

意外です……

織田信長

よくそう言われる。なので、人前で食うことはあまりない

織田信長

(いちいち驚かれていては、まともに味わえんからな)

イケメン戦国_主人公

……そうですか

ますます嬉しそうに笑って、●●●は金平糖をひとつ、口に入れた。

織田信長

(どうやら機嫌はすっかり直したらしいな)

織田信長

貴様も金平糖が好きだったとは知らなかった

織田信長

やっと、俺に笑ったな

顔を寄せ、視線を交わらせる。●●●は少し困ったように目を伏せた。

イケメン戦国_主人公

金平糖を食べたから笑ったわけじゃありません

織田信長

(そうなのか…?)

イケメン戦国_主人公

信長様が私のことを一所懸命考えてくれたことが、嬉しかったんです

織田信長

●●●……

イケメン戦国_主人公

あとは……。怒らないでくださいね? あなたが可愛いと思ったから

織田信長

(可愛い? 何の話だ?)

織田信長

貴様は相変わらず、わけがわからんことを言う

織田信長

可愛いのは貴様だろう

イケメン戦国_主人公

っ……いいえ、信長様の方です

●●●の頬が、恥ずかしそうに赤く染まる。

織田信長

(わけがわからんが……まあ良い)
(●●●が笑うなら、何でも良い)

ほっと息をつき、●●●の薔薇色の頬を撫でた。

イケメン戦国_主人公

っ……

すると、●●●が腕を伸ばし、そっと胸元に抱きついてきた。

織田信長

(ん……?)

イケメン戦国_主人公

…ごめんなさい、信長様

鼻先を胸板に埋め、切なげな声が響く。

イケメン戦国_主人公

三日間も黙りこんで、嫌な思いをさせて、ごめんなさい

織田信長

(…まったくだ)

織田信長

ああ、反省しろ。貴様の笑みを見られず、俺はここ数日苦しかった

イケメン戦国_主人公

っ…でも、他の女の人に、あんなふうに触らせちゃだめです

織田信長

は?

イケメン戦国_主人公

お酌しながら、何度も抱きつかれてるのを見て……
やっぱり、嫉妬せずにいられませんでした

イケメン戦国_主人公

信長様は……私の、かれし、なのに

織田信長

(●●●……)

織田信長

(不思議なものだ。●●●が相手なら、嫉妬心さえ心地よい)

愛おしさに駆られて、●●●の身体を腕の中に閉じ込める。

織田信長

では、俺も反省する。今後は、貴様以外にこの身には触れさせん
だが……本当に、貴様が嫉妬をする理由などない

●●●の頬に手を添え、顔を上げさせる。覗きこんだ瞳が少しうるんでいて、身の内の熱を煽った。

織田信長

俺にはどのみち、貴様しか見えん
この世でただひとり、貴様だけが愛おしい

イケメン戦国_主人公

信長様……

花がほころぶように、●●●が笑う。

織田信長

(…甘いな)
(金平糖の数倍、甘い)

●●●の笑み、声、身体、心……

それが信長にとって、この世でもっとも好きな、甘いものだ。欲しい、と思うよりも先に身体が動き、●●●の唇を塞いでいた。

イケメン戦国_主人公

ん……っ

はかない声ごと奪って、きつく抱きしめる。

…生まれて初めて、嫉妬の甘さと仲直りの方法を知った。きっとこれからも沢山の初めてが、自分と●●●に待ち受けている。

織田信長

(●●●への愛おしさは、尽きることはないだろう)
(この乱世に確かなものなど何もない。……そう思っていた、貴様に遭うまでは)
(今はひとつ、永遠を知っている)

織田信長

(貴様への想いだ)

抱き締め合い、温もりを分かち合い、愛に溺れる。

この幸福な日々を永遠に終わらせないことを、数多の口づけとともに、胸に誓いながら。

がろはる_尊

あまーーーい!

ぱいせん_喜

特典はさらにあるぞ!

両ルート恋度MAX特典ボイス

織田信長

この乱世に確かなものなど何もない。そう思っていた貴様に逢うまでは……
今はひとつ、永遠を知っている。……貴様への想いだ