がろはる_喜

このページではイケメン戦国謙信のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

ぱいせん_喜

今回の「背中の爪痕」第十話中盤の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「背中の爪痕」

織田との一時的な協定を結ぶことが決まった謙信軍。

その使者としてやってきた三成は主人公を案じ、美しい反物を手土産としておいていきます。

その手土産に激しく嫉妬する謙信…

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


上杉謙信

どこへ行く

イケメン戦国_主人公

(あ…)

あっけなく距離を詰められて背中に壁が当たる。
その瞬間、ぞくりと嫌な予感に全身が震えた。

上杉謙信

お前にはやはり俺のものだという自覚が足りないようだ
いっそ、その身体を躾け、心ごと服従させてやろうか

イケメン戦国_主人公

(何をする気なの…?)

怯みながらも、謙信様を見つめ返す。

イケメン戦国_主人公

私が何かしましたか……?
悪いところがあったら、言ってくれなきゃわからないです

イケメン戦国_主人公

(謙信様と両想いになって重なったはずの距離が、また引きはがされていくみたい)

上杉謙信

お前は悪くない。……どうしようもなく無防備なところ以外は

イケメン戦国_主人公

え……?

上杉謙信

●●●

イケメン戦国_主人公

(っ…)

謙信様は私の髪を一筋すくいあげ、白い指先で弄ぶ。

上杉謙信

信長たちからもらった反物、お前はあれをどうするつもりだ
石田三成が言っていたように、着物を作り、それを肌にまとうか

イケメン戦国_主人公

(これって……嫉妬、だよね?)
(だけど、少し行きすぎじゃないかな)

戸惑って眉を寄せる。

イケメン戦国_主人公

……あの反物で着物を作ったら、いけませんか?

上杉謙信

いいや、お前の自由だ

イケメン戦国_主人公

(本当に……?)

上杉謙信

だが…

イケメン戦国_主人公

…あ…っ

髪に触れていた謙信様の指先が、つつ…と私の胸元に滑り落ちた。

上杉謙信

その姿で俺の前を歩いたが最後、この手で着物をはぎとってやろう

イケメン戦国_主人公

っ、何で…

冷たい囁きの中に滲んだ危うさにあてられて、どくっと鼓動が跳ねる。

上杉謙信

想像しただけでこれほど腹立たしいのだ
実際目にすれば、どのくらいの衝撃を受けるか計り知れない
お前が裸で愛らしく震えることになったとしても仕方あるまい

イケメン戦国_主人公

(裸って……)

捕らえた獲物を嬲るような視線にさらされ、
着物に隠れているはずの肌にまで羞恥の熱を植えつけられた。

けれど――

イケメン戦国_主人公

(どうしてわかってくれないの?)

強制的に高められた熱と一緒に、耐えがたい切なさが私を呑みこんでいく。

イケメン戦国_主人公

謙信様の仰ってることはおかしいです……っ

上杉謙信

なぜだ

イケメン戦国_主人公

安土城のみんなのことは大切ですけど……私にとって特別な存在はあなただけです
だから、反物の贈り物ひとつで、そんなに気を悪くされる理由がわかりません

イケメン戦国_主人公

(言っちゃった……。でも、これが私の率直な考えだから)

きゅっと唇を噛んで謙信様を見上げる。

上杉謙信

わからない、か。そうだろうな

イケメン戦国_主人公

謙信様……?

苦しげに笑う謙信様に胸が軋んだ。

イケメン戦国_主人公

(お願いだから、そんな顔しないで)

上杉謙信

●●●。やはり俺はどうしようもなく怖れているのだ
……お前を喪う日が来ることを

イケメン戦国_主人公

あ……

謙信様が過去の哀しみを打ち明けてくれた時のことが思い浮かぶ。

……

上杉謙信

喪うならば愛さないと、決めていたのにな……もう、手遅れだ
俺は戦では死ぬ気がしない。だがお前が死んだら、俺も死ぬ

……

イケメン戦国_主人公

(……あの時から、謙信様はずっと怖れてたんだ)
(私には想像もつかないくらい、強く)

上杉謙信

いつか喪うと感じるからこそ――
今のお前に対する執着心が、底なしの泉のように溢れる
守ろうとする決意は、いつしか暗い独占欲に取って代わられる

謙信様は静かに俯き、私の頭に口づけをひとつ落とした。

イケメン戦国_主人公

(謙信様との生活が、幸せなのにどこか壊れてしまいそうに感じたのは…)
(私が知らないところで、謙信様がたくさんの感情を抑えつけてたからだ)

――ひとつに重ねたはずの想いが段々とずれていく。

闇の中で溺れていくような感覚に、息が苦しくなった。

上杉謙信

皮肉なものだ
狂おしいほどに想っているのに、俺の愛はお前を傷つける

イケメン戦国_主人公

(いつか謙信様の感じてる怖れが、消える時は来るの?)

膨れ上がる不安に押し潰されそうになるけれど…

イケメン戦国_主人公

(……ううん、私が信じなきゃ)
(ひとりで大きすぎる哀しみを抱えて生きてきたあなたを、幸せにしたいから)

消えない灯を胸に温め、謙信様へ手を伸ばす。

イケメン戦国_主人公

(今はただ、少しでも謙信様の痛みを和らげることができればいい)

イケメン戦国_主人公

……大丈夫です

イケメン戦国_主人公

(言葉で伝えられることは限られてるけど…)

余すことなく気持ちを表したくて、自分から謙信様の身体を抱きしめる。

上杉謙信

●●●…

イケメン戦国_主人公

私、半端な気持ちで謙信様と生きるって決めたわけじゃないです
簡単に傷つけられるなんて、思わないでください

イケメン戦国_主人公

(けして諦めたりしないから…)

見上げると、謙信様の瞳が迷うように揺れていた。

上杉謙信

……温かいな

謙信様は吐息とともに、私の背中にぎゅっと腕を回す。

上杉謙信

人の温もりが心を落ち着かせると、お前が俺に教えたのだ
あの時、戦場に取り残され、誰よりも震えていたはずのお前が

イケメン戦国_主人公

(――ああ、そうだった)

……

イケメン戦国_主人公

人の温もりって、落ち着きませんか?
だから、心が不安な時はひとりにならないでください

上杉謙信

俺は不安など感じていない

イケメン戦国_主人公

そうかもしれませんね。でも……
私は、不安です。だからこのまま触れててもいいですか?

上杉謙信

駄目だ

イケメン戦国_主人公

え? ……あっ

上杉謙信

お前に触れられるのではなく、俺がお前に触れる

……

上杉謙信

あの時から、俺はお前に縋ってばかりだ

イケメン戦国_主人公

そんなの私だって同じです。危ないところを、何度も謙信様に助けてもらいました

イケメン戦国_主人公

(あの時から、私は謙信様に寄り添いたかったんだ)
(強くて優しくて、誰もが畏れ敬うあなたに、危うい一面があると知ったから)

視線を絡め合い、どちらのものかわからない吐息の音が聞こえる。

上杉謙信

目をつむれ、●●●

イケメン戦国_主人公

ん……っ

謙信様は私を壁に押し付けるようにして、一瞬だけ唇を掠め取った。

上杉謙信

もっとお前の温もりが欲しくなった

イケメン戦国_主人公

……そういう言い方は、ずるいですよ

謙信様と一緒に部屋に戻り、私たちは身体を重ね合わせた。

イケメン戦国_主人公

…ぅ…謙信様…もう少し、ゆっくり、おねが…っ

上杉謙信

お前が愛らしい声をあげるのをやめれば、考えてやっても良い

イケメン戦国_主人公

そんなこと、言われても…っ

組み伏せられた身体の至るところに、容赦なく謙信様の唇が落とされる。
そのたびに甘い痺れが走り、瞬く間につま先まで蕩けていく。

イケメン戦国_主人公

(このままじゃ、すぐだめになりそう)

イケメン戦国_主人公

声、抑えるの…無理…です…っ
上杉謙信

知っている。抑えさせる気もない

耳を甘く噛まれ、残酷な囁きを直接流し込まれた。

イケメン戦国_主人公

っ…も…ひどい…

上杉謙信

嫌いになったか

イケメン戦国_主人公

ぁ、や……っ

霞みがかった思考の中、必死にかぶりを振る。

イケメン戦国_主人公

っ……好き

上杉謙信

聞こえんな

意地悪な指先に翻弄され、声が掠れる。

イケメン戦国_主人公

好きです、謙信様……っ

上杉謙信

…足りない
俺の方がはるかに、お前を愛している

イケメン戦国_主人公

違……っ

上杉謙信

違わない

イケメン戦国_主人公

ん……んん……っ

抗議しようとした唇をふさがれ、強引に舌が押し入る。

イケメン戦国_主人公

(何度叫べば、この方の心に届くんだろう)

深くまで乱されて、謙信様の背中に爪を立てる。

イケメン戦国_主人公

(いっそ、痕が残ってしまえばいい)
(これだけ謙信様を求めてる、証だから)

すっかり熱くなった身体にしがみつきながら、ふとそんなことを思った―…


がろはる_照

謙信様とのプレミアはなんか大人なストーリー。
罪悪感や背徳感みたいな感じを受けるなぁ