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イケメン戦国 | 上杉謙信 プレミアストーリー⑥「病み上がりの恋情」

このページではイケメン戦国謙信のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「病み上がりの恋情」情熱ルート第十三話中盤の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「病み上がりの恋情」

顕如との戦いの傷がもとで高熱にうなされる謙信。

過去のトラウマと決別をした謙信は元気を取り戻し、主人公と喜びあうのでした。


おいで、●●●

(あ……っ)

身体を抱き寄せられ、とくっと鼓動が鳴った。

今こそ本当の意味で、俺はお前を手に入れたのだ

(……謙信様の過去の傷を、私が癒やせたの?)
(もう謙信様が深い哀しみに心を狂わせなくていいの?)

嵐のような感動が胸に吹き荒れ、心を波立たせる。

(どうしよう、こんなに幸せで……)

声を詰まらせながらようやく言葉にした。

っ……嬉しいです
あなたの心を取り戻すことを諦めなくてよかった

(たくさんの悩みと苦しみのあとに、こんなご褒美が待ってるなんて)
(謙信様の過去を丸ごと、受け止めてあげられる日が来たんだ)
(謙信様を信じて、愛してよかった……っ)

お前には長い間、つらい思いをさせたな
これからはもう、哀しませはしない

壊れ物を扱うように髪を撫でられ…
こらえようとしても次から次へと涙の粒がこぼれ落ちた。

すみません、普段はこんなに涙もろくないんですけど……
幸せなのに泣きたくなるなんて、変、ですね

変などと思うわけがない
お前が心のままにこぼす涙はこの世の何よりも美しい
だが、これから先は哀しみの涙ではなく幸せな涙だけを流せ

っ…謙信様…

胸がいっぱいになって、ただ謙信様の名を呼ぶ。

……●●●

謙信様も応えるように私の名を呼び、そっと顔を寄せられて……

ん……っ

奪われた唇から甘い熱が流れ込む。

…ん、ぁ……

口の中で舌を捕らえられ、弱いところをくすぐられ…
最後に、ちゅ…とかすかな音を立てて唇が離れた。

っ…謙信様、怪我、してるのに…

怪我をしていると愛しい女に口づけてはいけないという決まりがあるのか

そういうわけじゃ、ないですけど……っ
(もっと触れられたくなってしまうから困る)
(少し冷静にならないと)

こぼれそうな本音を押し込めて、謙信様からそっと身体を離す。

傷の具合は、どうですか?

もう何ともない

……嘘はだめですよ。見せてください
(あんなに熱が出るくらいの怪我だったのに、大丈夫なわけない)

…仕方ないな

謙信様は着物の襟もとをくつろげ、その下を私に見せた。

(っ、やっぱり、ひどい傷……)

包帯代わりに巻かれた布と無数の切り傷が痛々しい。

もう良いだろう

謙信様は私の顔を見て、さっさと着物の前をあわせる。

これらはお前を守った証しだ
誇りに思うことこそあれ、お前が気に病むようなことはない

堂々とした謙信様の言葉には、一切の迷いも嘘もないことがわかる。

(でも…)
…こんな怪我、もうしちゃだめです
謙信様はもっと自分を大事にしてください

そうだな

(え?)

すんなり同意を得られると思わなくて、目を瞬かせる。

(今までの謙信様は私を壊れ物のように扱っても…)
(自分のことは大事にしてなかった)

嬉しいですけど、何か心境の変化があったんですか……?

変化というわけではないが…
ただ、俺が血を流し倒れた時のお前の顔を思い出しただけだ

(あ……)
(あの時の私は何も考えられず、謙信様の名前を叫んでた)

朦朧とした意識の中で、哀しむお前に何もしてやれないことが不甲斐なかった

(そうだったの……?)
(あんな時にまで謙信様は私のことを考えてくれてた)

どこまでも純粋な愛に心を射抜かれて、息を呑む。

先ほど言っただろう、これからはもう哀しませない

(謙信様が私の気持ちに歩み寄ってくれることが、こんなに嬉しいなんて…)

っ…ありがとうございます

(何かしないと気持ちが溢れだしそうだ)
謙信様。私に今、してほしいことはありませんか?

してほしいことか……
それならば、お前の傷も見せろ。越後で斬られた肩の傷だ

私の傷を……っ?

とっさに肩口の傷を着物越しに押さえる。

っ…でも、場所が場所だけに脱がないとお見せできないですし…

脱げばいいだろう

(脱げばって……そんな簡単に)
無理です……っ

してほしいことを聞いたのはお前なのにか?

それは……っ

謙信様は私の肩にそっと触れる。

俺はな。ずっとお前の傷口を確認するのが怖ろしかったのだ
見たら平静ではいられなくなると知っていたからだ

そうだったんですか……?

ああ
だが今、過去の哀しみから解放されたけじめとして……見ておきたいと思った

(そういう理由だったんだ…)
(それなら……謙信様の覚悟に応えてあげたい)
(この方のために何でもしたいって思ってるのは本当だから)

っ…わかりました…脱ぎます

……!

ゆっくりと着物の帯を解き……
思い切って片袖を腕から落とした。

(落ち着かない……)

胸元でずり落ちないように着物を押さえたまま、謙信様を見つめる。

どう、ですか……?

よく見えない。身体をまっすぐにしていろ

私のすべてを奪うような強い視線で貫かれ、動きを縫いとめられる。
むきだしになった肩から鎖骨の線が緊張で熱を帯びる。

……痛々しいな

形の良い眉をひそめ、謙信様はぽつりと呟く
それを見ている私の心の方が痛くなった。

……謙信様の傷も同じですよ

そうか。同じか

…はい。だから、これからはお互い怪我に気をつけましょうね
どちらかが傷ついたら、もうひとりも傷ついてしまうから

ああ。そうしよう
お前の身体は俺のもので……その代わり、俺の身体はお前のものだ
それで良いか、●●●

っ…はい。もちろんです
(こんなに甘い独占欲、私は知らない)
(謙信様は文字通り、私にすべてを投げ出してくれる)

その代わりーー私のすべても謙信様に奪われる。
そのことがひどく幸せだった。

だが、忘れるな
俺のものということは、俺の好きに扱って良いということだ

(っ、あ)

ふわりと抱き寄せられ、布団の上に沈められる。
その拍子に胸元で押さえていた着物がずり落ちて……

(だめっ)

隠すな。……今さらだろう

慌ててもう一度引き上げると、
その手の甲に宥めるようなキスが落とされる。

お前が俺のものだと自覚したら…
今度は傷だけでなく、すべてが見たくなった

ずる、い……そんなの

●●●、手をどけろ
自分から俺にすべてをさらけ出すお前が見たい

(っ……)

傲然と命じられて勝手に指先から力が抜けた。
外気にさらされた肌の柔いところに、視線だけで火を灯される。

だめ、です。謙信様、お身体に障ります。熱も……っ

熱はとうに引いた
これは、お前のせいで掻き立てられた熱だ

危険な甘さが低い声に混じり、そのまま唇が肌をたどった。

…ゃ…謙信様……っ

俺のためにと恥じらうお前を見ていて、我慢などできるわけがないだろう

(我慢できないのは謙信様だけじゃない…)

ようやく訪れた心の平穏に、身体は性急に互いを求めた。
静かな夜に儚く水音が響く。

(そういえば、もう雨の音は聞こえないな)

甘く霞んだ意識の中でふとそんなことを考えたー…


最後の雨の音のくだりがいいですね♪余韻が残るプレミアストーリーに仕上がっています。

情熱ルートの謙信の方がちょっと優しめに感じるのは私だけ??