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イケメン戦国 | 上杉謙信 プレミアストーリー①「不思議な熱」

このページではイケメン戦国謙信のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「不思議な熱」第二話後半の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「不思議な熱」

二度も謙信にピンチを救ってもらった主人公は幻の地酒をネタに謙信をデートに誘うことに成功します。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


背に腹は代えられん
その店に案内しろ。今すぐにだ

(やった!)
任せてください

謙信様に笑いかけ、一緒に歩き出した。

…………

午後の日差しが夕方の気配を含み始めた頃、私たちは目的地にたどり着いた。
お店を見た謙信様が不審げな顔になる。

ここは茶屋ではないか

はい。だけど、お店の主人が蔵元と親しいらしくて、今の時期だけお酒を提供してるって聞きました
お酒に合わせたお食事もあるそうです。お礼ですから、お好きなものを頼んでくださいね

……お前、本当に支払いを持つつもりでいたのか

え?

女に奢られては、酒の味がわからなくなる
勘定はすべて俺が払う

でも、それじゃお礼にならないです……っ

驚く私をよそに、謙信様はさっさと長椅子に腰かける。

この店を教えたのはお前だ。礼と言うなら、それで充分満たしている

(そうかな? 全然足りない気がするけど)

馳走などと生意気なことは考えず、食べたいものでも勝手に注文しろ

でも…
(むしろ、それだったら謙信様はひとりで静かに飲みたいんじゃないのかな?)

何をもたついている。さっさと座れ

御品書の紙を見ていた謙信様が、煩わしそうに顔を上げた。

相手が誰であろうと、案内をさせるだけさせて帰すような真似はしない

(…そこまで言ってくださるんだったら、お言葉に甘えよう)
ありがとうございます

謙信様の隣にそっと腰掛ける。

さっそく注文するぞ

…………

……

お店の人に注文してしばらくすると、お酒とお料理が運ばれてきた。

これが幻の地酒か

とっくりを前に、謙信様の唇が満足げに吊りあがる。

(本当にお酒が好きなんだな)
お注ぎしますね

……ああ

謙信様が差し出した盃(さかずき)に、静かにお酒を注いだ。
謙信様はそのまま盃を口元へ運び……

なかなかだな

(っ、満面の笑みだ……やっぱり破壊力あるな)

蛍の舞う夜に見た綺麗な笑みが、惜しげもなくこぼされた。

茶屋で供される酒とは盲点だった
有益な情報をよくぞ俺にもたらした、でかしたぞ

いえいえ、喜んでもらえたならよかったです

謙信様は機嫌よく盃を傾ける。

(意外と感情表現豊かなところもあるんだ)
(なんだか可愛いかも……)

何を呆けて見ている。お前も飲め

謙信様がもうひとつの盃にお酒を注ぎ、私に差し出す。

ありがとうございます

盃に口をつけ、ゆっくりと傾ける。

(あ、飲みやすいお酒だな)
本当に美味しいですね……!

ああ

一緒に頼んだおつまみも美味しくて、思わず頬が緩む。

謙信様が越後に行ってしまう前に、こうしてお話ができてよかったです

どういう意味だ

だって、そうしたらもうお逢いする機会もなくなってしまうでしょう?
二回も助けていただいた恩を、何も返せないままお別れしてしまうのは哀しいですから

……妙に律儀なことを言う女だな、お前は

そうでしょうか?

お酒を飲みながら、首を捻る。

私には、謙信様の方が律儀に思えます

何……?
食事処でお前があの男たちと揉めた時、
俺が割って入り奴らを中途半端に刺激した。
浪人どもが今日、お前を追いかけ回したのはそのためだ。
穏便に済ませるのは向いていない。
ならば、最初から徹底的に潰しておくべきだった。
となれば、今からでも原因の男たちを滅して問題を解決するのは俺の責任だろう

……

(さっきだって……)

……

謙信様と接した時間は短いけれど、それでも少しずつわかってきたことがある。

……謙信様って一見冷たい気がするけど、どこか優しくて義理堅い方ですよね

……
つまらぬ戯言を、言ってくれる

(気を悪くさせちゃったかもしれないな……)

眉を寄せた謙信様を見て、口をつぐむ。
しばらくふたりとも黙ったまま、盃を傾けた。

(それにしても、謙信様は本当にお酒が強いんだな)

水のようにお酒を飲み干し、謙信様は次々にとっくりを空けていく。
そのうちに空にゆっくりと茜色が差し始め……

(ああ、夕暮れ時だな)
(遅くなる前に、帰らないといけないけど……)

燃えるような空を見上げると、わけもなく寂しくなった。

……お前は

っ、はい

不意に口を開いた謙信様に驚いて、声が上ずる。

お前は先ほど、やりがいのある仕事を見つけたと言っていたな

そうです、お針子の仕事を任せてもらえることになって

針子か

それが、どうかしましたか?

いや……

謙信様は静かに視線を逸らし、ひと息に盃の中身をあけた。

ーーふと気になって、聞いてみただけだ

(……謙信様が純粋に私のことに興味を持ってくれたのって、初めてだな)

意識した途端、どうしてか胸が騒ぎだす。

お前らしい、他愛ない仕事だな

他愛ないけど、すごく楽しいです

素っ気なく投げられた謙信様の言葉を拾って、会話を続ける。

謙信様にとっては……戦が楽しいことなんですよね?

ああ。血が沸きたつほどにな

(その心を理解するのは、きっと難しいことだ)
(もしかしたら無理なのかもしれない。だけど、これだけは言える)
越後へ行っても、どうかご無事でいてくださいね

なぜ、そのようなことを言う
俺はいずれこの安土に戦を仕掛ける男だ

……わかっています

怪しいものだ

冷ややかに笑われて、哀しくなった。

戦は嫌いです。だけど、謙信様が悪い人には思えません
だから、命を落としてほしくないんです
あなたが安土の敵でも、たとえこれが最後のお話になっても……
こうしてお近づきになれて嬉しかった

……わけのわからないことを言う

(謙信様……?)

左右で色の違う瞳に、不思議な熱がくすぶり始める。
ゆるやかに謙信様の手が伸ばされてーー

(あ……っ)

私の頬にかかる髪を無造作に払いのけた。

呑気な顔だ

鼓動がうるさく高鳴って、どうしていいかわからない。
触れられている頬から、身体中に熱が回った。
止まった思考の中で、謙信様の低い声だけがやけに明瞭に響く。

お前はあまりにもこの乱世に染まっていない
その純粋さがーーいつかお前の身を滅ぼすかもしれんな

っ…あの…どういう、意味…

っ……

やっとのことで言葉を発した私に、なぜか謙信様ははっとした顔をする。
触れられていた手が静かに離され……

……深い意味は、ない

ふたりの間に、ぽつりと呟きが落ちた。

(本当に……?)

何杯目かわからないお酒を飲み干した謙信様の唇が、かすかに濡れる。

今日の酒は、やけに回る

っ…そう、ですね
(目を逸らせないのも、きっとお酒のせいだ)

ゆっくりと夜に向かう夕刻の風が火照った肌を撫で……
束の間のひとときが終わろうとしていたー…


「侍」って感じのする謙信。このときはこんなにかっこいいのに、まさかあんなにヤンデレとは…

謙信ルートは主人公が積極的にアプローチしていくのでちょっと違った感じが味わえます