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イケメン戦国 | 真田幸村プレミアストーリー③「消せない残り火」

このページではイケメン戦国幸村のプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「消せない残り火」第八話中盤の恋の試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「消せない残り火」

幸は織田と敵対する武将、真田幸村だということが判明。

離れ離れになる二人に、主人公は自分の想いを伝えるために佐助がセッティングしてくれた待ち合わせ場所に急ぎます

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


佐助くんに連れて来られた木の下で、私はひとり幸村を待った。

(幸村に、好きって言おう)
(どんな形になっても、どれだけ先になってもいいから…)
(『またな』って言って、逢う約束、して欲しい)

草むらにうずくまり、ひざを抱えて身を縮めていると…

――…●●●

(幸村……っ)

片手を上げて、幸村がそばへと歩み寄ってくる。

よー

『よー』って…

城下で偶然会った時のような気楽さに、張り詰めていた気持ちが解けた。

おい、デコに痕ついてる

えっ?あ…

(さっき、ひざにおでこくっつけてたから…)

額を手のひらで隠す私の隣に、幸村がどさっと腰を下ろした。

お前、佐助とも知り合いだったのかよ。びっくりさせんなよ

え、あ…ごめん

謝る必要ねーけどな。逢えると思ってなかったから、よかった

あぐらをかいえて頬杖をつき、幸村は私の顔を覗きこんだ。
休戦申し入れの時の別れ際と同じ、優しい笑顔だった。

(わけが、わからないよ…)

なんでそんなに普通なの…っ?

喉が詰まって声が少し荒くなる。

しょーがねえだろ
俺はこーいう時、上手いこと言えねえ
そーいや……祭りの時の約束、守れなくて悪かった

っ……ううん

文、気付いたか?

うん…。あ、着物の袖…!破けたままだね…

懐に入れておいた紅い布切れを取り出すと…

あれな、忘れろ

(え……?)

俺の文は安土に戻ったら燃やせ。信長に見つかったらまずいだろ

な……に、言ってるの!?
出来る訳ないじゃない、そんなこと!

…………

幸村はお祭りの夜、私に言いたいことがあるって言った…っ
私、まだ、聞いてない…!

あー……悪い、何て言おうとしたか、もう忘れた

(そんな……)

ま、燃やせねーなら文は適当にしまっとけ

かすかに笑い、幸村が私の頭をくしゃっと撫でた。

(どうしてそんなに優しくするの…?)

尋ねようとして、答えを聞くのが怖くなる。

っ……袖、直すよ

は?

腕、出して、じっとしてて

…おー

持ち歩いているソーイングセットで、幸村の袖をちくちくと縫う。

(何やってるんだろう、こんなことしてる場合じゃないのに…)
(話さなきゃ、ちゃんと。今、言わないと…っ)

焦りながらも縫い終わると、幸村がまた笑顔を浮かべた。

へえ、大したもんだなーお前

別に…そんなこと、ない

――…大事にする。ありがとな

(っ……)

間近で見つめ合い、息が詰まる。
もう、幸村が優しい理由に気付かないフリをできなくなった。

(幸村は私と、二度と逢わないつもりなんだ)
(最後だから……私の我がまま聞いて、ここに来たんだ)

ありがとうなんて、言わないで…!

私は力の入らない腕で、幸村の胸を叩いた。

……

私は…っ優しくして欲しくて幸村に逢いに来たんじゃないよ

……っ

ただ、幸村に逢いたくて、だから…っ
こんなふうに優しくしないで。最後なんて、やだ…

…………
俺だって……最後になんてしたくねえよ

うめくような低い呟きは、よく聞きとれない。

今、何て…

……何でもねえ

苦い何かを呑み下したような顔をして、幸村は私の頬を手のひらで包み込んだ。

悪いけど、優しくさせろ

え…

我がまま聞いて来てやったんだ。次はお前が俺の我がまま聞けよ

眠る子どもをあやすような手つきで、私の頬を撫でたあと…

ん……

幸村がどこまでも優しく、私に唇を重ねた。
舌先でくすぐりながら、味わうようにゆっくりと口づけが深まる。

ん…、んん…っ

幸村の唇が甘い分、切なさが胸を引き裂いた。

(ひどいよ、幸村…)

溺れてしまいたい衝動に逆らって、幸村の胸を押し返す。

…や、めてっ

…………

(別れるつもりのくせに、こんな優しいキスするなんて、ほんと、無神経…)

今まで堪えた分の涙が、抑えきれずに溢れだした。

(こんなの一生、忘れられない…)

幸村なんて、きらい…

…………

大、嫌い……

…あっそ
]俺は、好きだった。お前のこと

え…

初めから敵だと知ってたとしても、俺はきっとお前に恋した

(っ……)

私がぴくっと目を上げると、幸村は吹き出した。

あーあ、ひでえ顔。鏡で見せてやりてえ

幸の手の甲が、羽で触れるようにそうっと、私の頬を拭う。

う…、ぁ…っ

泣ーくーなーって

む、り……っ

…ったく
最後まで、しょうがねえヤツ

幸村が笑って、私の涙を唇で盗んだ。

(あ…)

じゃーな、●●●

仕上げのように私の頭をくしゃっと撫でて、幸は立ち上がった。
振り返らずに遠のく背中を見送りながら、私は瞬きも忘れた。

(っ……好きって言えなかった。どうしても、言いたくなかった)
(これが最後だなんて、嘘…)

恋をしてからずっと、胸の奥が燃えていた。
幸村の背中が見えなくなっても、焚きつけられた火が消えず、熱を上げ続けた。


この場面、いいよね。決定的なことはないんだけれどもこの感じ、すごく好き♡