このページではイケメン革命レイのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!
今回の「理不尽な運命」は第15話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!
プレミアストーリー「理不尽な運命」
クレイドル中央で起きた爆破事故。その原因究明のために出動する黒の軍
その最中で主人公は魔法学者に攫われてしまいます。しかし、間一髪でレイが助けにきます。
※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。
何が起こったのかわからず、腕の中からレイを見上げる。
……ねえ、レイ
……っ……
その瞬間、深紅に染まる瞳に捕らえられ、胸がどくんと音をたてた。
(…どう、して)
その深紅の瞳は、記憶に刻まれている。
(レイは……、魔法を使える、人間なの?)
私の戸惑いの全てを悟ってしまったように、レイの視線が逸らされる。
……見るな
この光景も、……俺のことも
……っ
馬に乗って、お前だけこの場所から、離れろ……
全てを拒絶するようなレイの手を、ぐっと掴む。
そんなこと、できるわけない……
●●●……
レイ、……一緒に
私と一緒に、逃げよう
いつ目覚めるかわからない魔法の塔の人たちから逃れて、森を歩いていると、空が泣き始める。
(……っ)
冷たい雨にうたれながら、私たちは大きな木の下まで辿り着いた。
ここなら……、雨、少しは避けられるよね
2人並んでそっと地面に腰をおろす。
……
レイの瞳は、いつも通りの色に戻っていたけれど、目の前の評定は見たことがないほど疲れきっている。
(…魔法を、使ったせいなのかな)
……変な顔
え……?
また、迷子のガキみたいな顔してる
なあ、離れてないで、肩貸して
あ……うん!
距離を詰めると、ふわっとレイの頭が肩に預けられた。
雨音と、肩からじんわりと伝わる体温が、騒いでいた胸を落ち着かせてくれる。
……●●●
ん……?
……怖がらせて、悪かった
……
その言葉には、色んな意味が込められている気がして胸が詰まった。
(……レイの瞳を見た時、何も感じなかったって言ったら嘘になる)
(だけど……)
怖く、ない
……
私がレイのことを、怖いと思うはず、ない
それに……魔法の塔の人たちだって、怖くなかったんだから
下手くそすぎる強がりを、レイは笑ってくれる。
馬鹿。震えた声で、呼んだくせに
……聞こえてたの?
ん…、言ったはずだけど
お前の声は、もう聞き逃さないって
当たり前のように差し出されたレイの言葉に、唇を嚙みしめる。
(……言葉に、ならない)
雨音だけが、衰弱しきった私たちを包む。
世界に2人だけ取り残されたような静けさの中、レイの声が届く。
いきなりこの世界に来て、こんな風に襲われて……
お前にとってこの時間は、理不尽な運命みたいなもんだよな
理不尽な、運命……
元の世界にいたら、お前が大切にしてる普通の毎日の中で……
思い切り、笑えてたはずだろ
レイの優しすぎる言葉に、泣きそうになる。
ぐっと涙を堪えると……、頬に大きな手が触れた。
レイ……?
……泣くな
レイは私の瞳を真っ直ぐに見つめて、優しく微笑んだ。
どんなに運命が過酷でも、お前は泣くな
俺が、一緒に戦ってやる
……
俺が、お前の幸せを、取り戻してやるから
重なり合った視線が、解けない。
レイの手に、そっと手を重ねると、笑顔が深くなった。
なに、不安なの?
……ううん
無理に笑顔に作って、笑ってみせる。
言ったでしょ、覚悟を決めたら女は強いって
私、レイが思ってるより弱くないから
……うん、知ってる
けど、強くもない
レイがいつも通りの顔で、にやりと笑う。
あんま1人になろうとすんな
そうじゃないと、守りがいないし
……ガキのお守りは、出来ないって言ってたくせに
なに、まだ根に持ってたわけ
少しね
かなりの間違いだろ
ぽつりぽつりと言葉を交わしたあと、レイがふっと口を閉ざす。
レイ……?
●●●
俺は、次の満月までお前のそばにいたいよ
それだけ言うと、レイは頬から手を離す。
そっと隣を見ると、レイは目を閉じていた。
我慢していた涙が、頬をつたう。
(辛いから、泣いているんじゃない)
(元の世界を想って、泣いてるんじゃない)
(レイが優しいから……、とうしようもなく泣きたくなる)
こんな時でもただ真っ直ぐに、守ることだけを考え……、そして、幸せを願ってくれる。
レイは、そういう人だ。
……ありがとう
呟いたありがとうは、雨音が掻き消していく。
地面を濡らす雨と、頬を伝う涙が、乾くことはなかった…
とっても悲しいですね。このときにバックで流れてるBGMがさらに涙をそそる…