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イケメン革命 | レイ=ブラックウェル プレミアストーリー②「名前を、呼んで」

このページではイケメン革命レイのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「名前を、呼んで」第10話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「名前を、呼んで」

ある日、ブランからの招待状をもらった主人公は地図を頼りにブランの家を目指しますが、入らずの森に迷ってしまいます。

魔法の塔付近でランスロットに助けられた主人公は、そのまま黒の兵舎まで魔法で送ってもらいます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


レイは腰に下げた鞘に手をかけ……、音もなくランスロット様の首に刃を当てた。

答えによっては……容赦は、しない

(……っ!)

刃を向けられているのに、その人は微動だにしない。
それどころか、まるで何かを見定めるようにレイを見据えている。

からからな喉から絞り出すように声を上げた。

違うの……レイ!
この人……、ランスロット様は、私を助けてくれた

……!

ゆっくり剣がおろされる。
剣の切先が、地面に触れる音だけが、響いた。

(ちゃんと伝えないと……)

些細なことが戦いの火種になる、その教えてくれたシリウスさんの声を思い出す。

私、入らずの森に迷い込んじゃったの
そしたら、魔法の塔のそばでフードを被った男の人たちが近づいてきて……

……魔法の塔の、奴ら?

必死に言葉を紡いでいると、すっと冷たい手が首に触れた。

……!

……余計なことを、口にしないほうが懸命だ、アリス
この細い首を手折られたくなければな

ひどく冷たい視線に息を呑むと、首に触れていた手を払われる。

……こいつに、簡単に触るんじゃねえよ

……

ランスロット
お前が何を考えてるかは知らねえが……
今後一切、黒の領地入ること。そして……

こいつに触れることは、許さない

空気さえも震えるほどの迫力に、手をぎゅっと握りしめる。

約束しても良い。だが……
お前たちが赤の傘下に入ると言うのなら……な

……

若き黒のキングよ、覚えておくと良い
お前の判断が、全てを狂わせ。そして破壊する可能性を孕んでいることを
…………その上で、何が黒の軍にとって正か、判断しろ

そう低く告げた瞬間……

……

……っ

瞳が再び深紅の光を放ち、まるで空気に溶けるように姿が消えた。

……姿が、消えた……!?
それより……っ、ご無事ですか、●●●さん!

うん……

……よかった、本当に

隣に立つレイは、ずっとランスロット様が消えた方を見つめていた。

……

その横顔が険しくて、声をかけることを躊躇してしまう。言葉を選んでいると、ふっと視線が重なった。

部屋まで、送る

(……こんな状況じゃ、ブランさんの家にはいけないよね)

私はレイの視線に促されるように頷く。

——(場面転換)

…兵舎に戻る頃には、夜がもう迎えにきていた。

部屋まで送り届けてくれると、レイは扉に手をかけたまま目を伏せた。

今日はもう休め

立ち去ろうとする横顔に声をかける。

レイ……っ

ん……?

心配かけて……ごめんなさい

お前が謝る必要はねえだろ

扉から手を離し、レイは私の正面に立った。

お前が不安な時に、そばにいなくて……悪かった

その言葉が、胸に突き刺さる。

(レイは、こういう人だ)

人を守ることばかり考えて、だからこそ責任を重く感じてしまう。
そして、こんな顔をさせてしまったのは私だ。

(レイは悪くないよ、なんて言葉……この人の前じゃ無意味だ)

色んな言葉を探していると、ふとある記憶がよみがえる。

【回想シーン】


まあ、どうしても助けが必要なら呼べ
出来れば大声でな

大声で……?

俺が聞こえないと、困るから


……次は、ちゃんとレイのことを大声で呼ぶよ

あぁ?

だってレイ、どうしても助けが必要なら呼べ
大声で、って言ってたでしょ?
私、ちゃんと呼べなかったから……だから、次はちゃんと呼ぶ

虚を突かれたような表情のあと、レイの口元が緩む。

わかった

腰を屈めたレイと視線が重なる。

じゃ、練習。今、呼んで

……レイ

よく聞こえねえよ、もう一回

……レイ?

まだよく聞こえねえ

(……おかしい)

聞こえてますよね……?

さすがにバレたか

バレバレです

レイがいつも通りの表情で、悪戯に笑う。

(いつもは、意地悪だと思うのに……)
(今日は、いつも通りレイが笑ってくれたことが嬉しい)

なあ

ん……?

……俺さ、最近お前のことになると、なんか変なんだよね

……?

首を傾げたその瞬間……

(……っ!)

レイの手が、首に触れる。

ランスロットが、お前に触れたの見ただけで苛立った
お前を守れなかった苛立ちと……またなんか違う気持ち

なに、それ……

俺もよくわかんねえだよな

手が、そっと離れていく。

よくわかんねえけど……
こうなるの、お前にだけ

レイはまるで一生解けない謎を手に抱えたままのような表情で、私の部屋から出ていく。
1人になった部屋で、触れられた部分に手を当てる。

(私だって……)

……わからないよ

残された言葉は、残された熱は、なかなか消えてくれなかった…


なんか、ランスロット様が可哀そう…( ゚Д゚)