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イケメン革命 | ランスロット=キングスレープレミアストーリー①「忘却と冷たい夜」

このページではイケメン革命ランスロットのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「忘却と冷たい夜」第4話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「忘却と冷たい夜」

偶然、現代の世界から魔法の国に迷い込んでしまった主人公は、黒の軍のお世話になろうとした矢先、赤の軍に誘拐されてしまいます。

黒の軍に帰るために脱出を試みる主人公でしたが、助けにきた黒の兵士はランスロットに殺されてしまいます。主人公は嘆き悲しみ、その夜、地下へと忍び込みます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


駆け出したその刹那、悲しげな声が私の足を止めた。

アリスという人物、そして今夜の記憶を……
ーーお前の中から、消し去ろう

……!

まるで柔らかな陽ざしのように温かな色をした光が辺りを包み……、
そしてすうっと消え去っていく。

……戻るが良い。黒の兵舎に

…………は、い

視界を覆われていた手を外された兵士は牢屋を出て、

……!

私の横を通り過ぎていった。
ーーまるで、私なんて最初から知らなかったかのように。

(…………魔法で、記憶を消した?)

兵士が立ち去る足音が、遠くなっていく。
その足音が消えるのと、ランスロット様の口から深く息が吐かれるのは同時だった。

……

その横顔には、切なさに似た何かが浮かんでいる。

(…………どうして、そんな表情をしてるの?)

たくさんのどうしてが込み上げ眉を寄せると、
視線がぶつかった。

(……っ)

アリス……?
この様な場所で、なにをしている

……

沈黙を貫いていると、足音が近づき……、

……!!

壁に追い詰められ顔の横に手をつかれる。

なにをしていると聞いているのだが?

私は…ーー

言いかけた言葉は、視界に飛び込んできたものが遮った。

(…………血?)

壁についているランスロット様の手の甲からは、血が滴り落ちている。

(もしかして……)

【回想】ーーーーー

…………血で絨毯が汚れたな


不快だ……。この男は、片付けておく

ーーーーー

どくんと、胸が鳴った。
そんなことあるはずない、そう思うのに、目の前の光景は紛れもなく事実だった。

あの時……、ご自分の手を刺していたんですか……

……

それに、どうして魔法で記憶を消したんですか?

私の問いかけは、暗い空間に消えていく。

(これじゃまるで……)
(助けたみたいだ……)

血はどんどん地面に滴り落ちていく。

(止血をしないと……)

手を伸ばそうとすると……、

ーー動くな

音もなく抜かれた剣の刃が、首に触れる。

……っ

動けば、ただちにこの細い首を落とす

ランスロット……様

お前には、魔法が効かないのだったな……

目の前の瞳が、可笑しそうな細められた。

だが、この刃で首を落とせば記憶は消えるだろう?

……それは、今見たことを忘れてほしいということですか……?

……

黒の軍の人を助けたと、思って……いいんですか?

黙れ

刃が近づき、空気が震える。
刃の冷たさに、喉がごくりと鳴った。

憶測でものを語るな
…………殺されたいのか

ぶつかった視線が、揺れる。
あんなに感情を映さない瞳に、少しだけ感情が見えた。

(……ここで臆しちゃ、ダメだ)

そうしたいのなら、お好きになさってください

長い沈黙のあとに、剣が下ろされた。

自分の私室に戻れ
俺の気が変わらないうちに

冷たい瞳が背けられる。

……わかりました
だけど、……これだけは受け取ってください

ハンカチを取り出し、血で濡れた手の甲をそっと押さえる。

(………こんなんじゃ、足りないけど)

白いハンカチが、あっと言う間に赤に染まっていく。

……戸惑うなら、触れなければいいものを

え……?

手が、震えているが……?

私の手は、確かに小刻みに震えている。

戸惑わないはずがありません
……目の前で記憶を消す姿を見て、刃を首にあてられて

……

だけど、こうしないと。…………あなたの方が、あまりに痛そうだから

……

(傷だけじゃない)

とても、痛そうな顔をしていたから

一息に伝えると、手が振り払われた。

……去れ

赤に染まったハンカチが、地面に落ちる。
私は、1人佇むその姿に背を向けて、階段を駆け上がる。
冷たい刃よりも、赤に染まるハンカチよりも、
私の心に残ったのは、あの悲しそうな横顔だった……


緊迫した場面での壁ドン……