このページではイケメン革命ヨナのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!
今回の「Falling for you」は第25話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!
プレミアストーリー「Falling for you」
ランスロットと結託して見事、魔法の塔の勢力を削ぐことに成功したレイ。単独でアモンに攻撃を仕掛けます。
しかし、アモンの前にレイは力を使い果たします。そこに主人公が現れ、なんとかアモンの攻撃をしのぎます。
※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。
はぁ、せっかくこの手で洗濯したのに、すっかりボロボロになっちゃったよ……
宿の一室で、ヨナは深くため息をつくと、泥だらけのジャケットをポイッと空いた椅子の背にかけた。
帰ったらすぐにクリーニングに出さなくちゃ
ふふ、そうだね
『帰ったら』ーーヨナの口から、当たり前にそんな言葉が語られることが嬉しい。
(真の敵を倒した今、私とヨナが追われる理由もなくなった)
(ヨナは、赤の軍に帰れるんだ)
向かい合って紅茶を呑みながら、私は窓の外に目を遣った。
沈みかけの満月が、煌々(こうこう)と輝いている。
(こうしてゆっくり息がつけるのも、ルカと、ヨナ親衛隊の皆さんのお陰だな)
今から数時間前、アモンたちを倒した直後ーー
ーーー(場面転換)
“アリス狩り”の追手を防いでくれていたルカ達が私たちに合流した。
事後処理は俺たちに任せて、●●●とあんたは、少し休んで
そうしてください! クレイドルの外れの村に、宿を用意しておきました
まだ休むわけにはいかないよ。赤のクイーンたるもの、任務を途中で投げ出したりなんか…
休んでったら、休んで……!
ルカ……?
あんたは使命を十分果たした。これ以上、俺を怒らせないで
何を怒ってるんだよ? お前は、まだ反抗期を続けるつもりなの?
……またビンタされたいの
っ……
(ルカはヨナに『もっと頼って』って、言いたいんだろうな)
(でもヨナは、ルカの気持ち全然わかってなさそう……。兄弟って複雑だ)
仕方ないな。お前にビンタされるの兄様もう嫌だし、言うこと聞いてあげる
是非そうして
……●●●
何?
ルカは私の手をきゅっと握って、かすかに笑った。
……ありがとう
(え……?)
あなたがいてくれて、よかった。本当に本当に
そのひと言に、色んな想いが込められていることがわかって、胸がいっぱいになった。
ううん。……ルカこそ、助けてくれてありがとう
…………っ
……●●●は、ばか兄貴なんかには、もったいない
(え……?)
ねえ、俺を差し置いて、なんなのふたりとも!? 俺はどっちに焼きもち妬くべきなの!?
……………空気を読め
ーーー(場面転換)
(結局、最後はケンカになっちゃったけど、いつか仲直りしてくれるといいな)
ルカの穏やかな笑顔を思いだしたら、その日は遠くない気がして、自然に笑みがこぼれた。
●●●、黙りこんでどうしたの? にやにやしちゃってさ
あ……何でもないよ。さっきルカと話したこと、思い出してただけ
ルカのこと? それで、今の笑顔なの?
へーえ……。ふーうん?
ヨナが顔をしかめて立ち上がり、つかつかと歩み寄る。
私の真横に立つと、椅子の背もたれに腕をつき、顔をぐいっと近づけた。
な、何……?
今になって、はっきり結論が出たよ
俺が焼きもちを妬くべきライバルは、遺憾ながら……
我が最愛の弟だってね
え、どういう意味、っ……ん……!?
突然のキスで、質問を中断させられる。
髪に指を絡められ、頭の後ろを引き寄せられて、口づけが容赦なく深くなる。
ヨナ、待っ、んん……、ぁ
舌をやんわり吸いあげられた途端、閉じ込められた椅子の上で、足の先まで火照りきった。
(いきなり、こんな……っ)
心臓がばくばく騒いで、息もできない。
君は俺だけを見ていればいい。こんな簡単なこと教えないでも理解してよ
高圧的な、けれど甘い命令のあと、キスはいっそう深くなった。
ん……っ、ふ……、ぁっ
吐息が溢れるのを止められず、ヨナの胸にすがりつく。
っ……ストップ。もう、だめ
『駄目』……? 冗談は休み休み言ってよ
全部ぜんぶ君のせいなんだからね! こんなはずじゃなかったのに
(わっ)
プンプン怒りながら、ヨナは私を抱き上げた。
どうして君は、こんなに俺を惹きつけるんだ!?
(そんなことで怒られても……っ)
君は科学の国から来た“第二のアリス”で、俺にとって別世界の人間だ
生意気だし、のんびり屋だし、愚かなくらい無邪気だし……全っ然、赤のクイーンと釣り合わない
なのに……どうして、俺をこんな気持ちにさせるの!
っ、それは、私のセリフだよ
(好き勝手言ってくれちゃって!)
ついかっとなって、私は腕を伸ばし、ヨナの首にきつく抱きついた。
っ……!
ヨナは我がままで身勝手で、なのに、痛々しいくらい真っすぐで……
キラキラの目で人の視線を勝手に奪って、挙げ句の果てには私の心臓、鷲掴みにして
(私もう、あなたがいない世界じゃ息もできない)
30日前、私は不思議なトンネルを抜け、クレイドルへ落っこちてーーヨナに出逢った。
それからも、ずっと落下し続けている。
心が制御を失って、引き返せない恋に真っ逆さまだ。
っ……好きになんかならないって決めてたのに!
俺だって、あくまで君を魅了するのが目的で、魅了される予定なんてなかったよ! だけど
こんなはずじゃなかったのに……俺は、君を愛してる!
愛しくて愛しくて愛しくて、頭がおかしくなりそうだ! どうしてくれるの!?
私だって! こんなはずじゃなかったけど……ヨナのこと、世界で一番、愛してるよ
俺の方が愛してる!
そんなことない! 私の方がヨナのこと、
わからずや
ん……っ
滅茶苦茶にキスされて、ヨナにしがみつく。
私たちはもつれながらベッドに倒れ込み、噛みつくみたいにキスし合った。
(もう、引き返せない)
(だけど、それでも構わない)
(ヨナのいない世界を恋しく思うことは、きっとないから)
ケンカ腰で服を乱し合い、体温を奪い合う。
爪の先まで美しいヨナの指先が今、私の柔らかな肌をじかに、這っていく。
ゃ、あ……っ
はしたない声が漏れて、恥ずかしさに唇を噛むけれどーー
ーー……ああもう
なんでそんなに、可愛いの
ヨナの切なげな呟きが、辛うじて残っていた私の羞恥心を壊した。
(ヨナ……)
堪らずこぼれゆく声と荒い吐息が、シーツの上で響き合う。
重なるヨナの身体を、私は全身で抱きとめた。
(ヨナの身体、熱い……。私の、身体も)
甘い感覚の波に襲われ、身体じゅうが熱のかたまりになった気がして、涙がでた。
●●●、そろそろ理解した?
俺の方が君のこと、100億倍愛してるって
(それは……)
荒い息を混ぜ合わせ、ヨナを見上げる。
まだ、わからない……
…………
ヨナは私を組み敷いたまま、一瞬目を見開いた後、口の端をあげてみせた。
今のは、『もっと』って意味で合ってるよね?
(っ……合ってる、けど!)
ヨナ、調子に乗ってるでしょ……っ
当然、そうだよ?
君が俺のこと好きだって知って、俺は今、有頂天なんだ
これまでの人生で一番ね
ヨナがあんまり幸せそうに笑うから、言い返せない。
唇をきつく噛んで、にこにこ顔のヨナを睨む。
(ほんとにもう! ヨナなんて、もう……っ)
(大好き!)
やっぱりどう考えたって、私の方がヨナに夢中だ。
悔しくて仕方ないから、ヨナをぎゅっと抱きしめて、今度は私からキスをした。
ヨナとルカと主人公が旅行に行ってる後日談なんかシナリオであったらいいですよねー♡