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イケメン革命 | ヨナ=クレメンス プレミアストーリー④「人の気も知らないで」

このページではイケメン革命ヨナのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「人の気も知らないで」第20話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「人の気も知らないで」

会談の日。全ては魔法学者の仕業であることを知った二人は会談でランスロットを問い詰めます。

しかし、逆に追い詰められ、二人は赤と黒両軍に追われてしまいます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


こんなに酷い目に遭わされて、どうして俺の役に立ちたいなんて言えるの

たしかに、酷い目には遭ってるけど……
ヨナと出逢って、良いことの方がずっと多かったよ

え……

(一緒に過ごすようになったきっかけは、軍同士の思惑でも、)
(ヨナといると、面白くて楽しくて、時々ちょっと胸が痛くて、)

(いつの間にか、大好きになった)

っ…………馬鹿じゃないの

泣きそうな声で呟いて、ヨナが目を伏せる。
顔が近づき、額と額が重なり合った。

(ヨナ……?)

君はいつも、俺を、どうしようもない気持ちにさせる

ヨナの手のひらが、私の頬を優しく包む。

(っ……)

それだけで、たまらない気持ちになった。

お人好しが過ぎるよ、●●●は

そ、そうかな……?

そうだよ。−−…怒れば、いいのに
何もかもお前のせいだって怒って、俺のことなんて大嫌いだって、言えばいいのに

(そんなこと言われても……)

怒ってないし……嫌いじゃ、ないよ

(嫌いどころか、大好きだよ)

出かかった最後の言葉は、堪えて呑み込んだ。

っ……どうかしてるよ

ヨナは眉根を寄せたかと思うと、次の瞬間、私を抱き寄せた。

(わ……っ)

心臓が、爆発するかと思った。

あ、あの、ヨナ……? これは、どういう……

うるさいな、ちょっと黙ってて

は、はい!

前に、ベッドへ無理やり押し倒した時とは違って、
私を抱きしめるヨナの腕は、飴細工でも扱っているかのように、優しくてぎこちない。

(ヨナは……疲れてるのかもな。身体も、心も。だから少し、休みたいんだ、きっと)
(それならいくらでも抱きしめる)
(今はまだそばにいて、こうして触れられるから)

この温もりに期限があることをふと思い出して、切なさに駆られる。
ためらいながら手を伸ばし、とん、とん、とヨナの背中をあやすように撫でた。

……それ、慰めてるつもり?

ええっと……嫌なら、やめる

嫌なんて言ってない

……なら、よかった

ほっとして、少しだけ笑ってしまった。
すると、ヨナが腕を緩め、私の顔を覗き込んだ。

ねえ、なんで、笑うの

あ……ごめん、気を悪くした?

違うよ、純粋な疑問

……素直じゃない話し方だったから、いつものヨナだなって思って、安心したんだよ

……
何、その理由。変なの

崩れるように、ヨナも少し笑った。

(よかった……)

ヨナが、そうやって素直じゃないこと言ってると、ますます安心する

まったく……いついかなる時も、君は生意気だね

そういうと、ヨナは私の背中をぐいっと引き寄せた。

わっ、近い、近いよ!

聞こえないね

嘘つき、ぁ……っ

耳をやんわりかじられ、息が止まった。

(な、なんで……?)

舌の柔らかさと熱さに、肌が震える。

っ…ゃ、だめ、くすぐったい、から……

思わず、
ヨナの背中にぎゅっとしがみつく。

すると、耳から温もりが離れた。

あのね……。駄目なのは、そんな声を出す君の方だからね?

(え……?)

意味がわからない。そんなの、言いがかりだよ……っ

そういう顔で睨むのも、駄目だから

鼻をつん、とつつかれて、口を閉じる。

(っ、なんなの、ほんと……。困るよ、こういうの)

鼓動がうるさくて、ヨナにバレてしまわないか気が気じゃない。
顔が熱くて俯きかけた時、ヨナの手が私の顎に触れ、それを阻んだ。

(ヨナ……?)

見上げると、沈んでいた瞳に、光が戻ってきていた。

……ねえ、●●●。さっきは、言わなかったことがあるんだ

何……?

俺は赤のクイーンの称号にも、赤の軍にも、クレメンス家にも、曇りない誇りを持ってた
実績と経験に裏打ちされた、自信があった。でも、
全ての立場を取り払って、むきだしの自分でいる時は……まだ全然駄目だって、いつも感じてた

(そうだったの……?)

なのに、おかしいんだ。君と出逢ってから、そんなことを思う暇がない

ヨナの顔は、チョコレートを舌に乗せたみたいに、だんだんほころんでいく。

君と過ごしてる時の、赤のクイーンじゃない“ただのヨナ”を、俺は少しだけ気に入ってる
俺といて、君が楽しそうに笑ってくれるなら……

君が頬を染めて困ってくれるなら、そんなに悪くもないなって

(ヨナ……)

嬉しさに、喉を塞がれた。

(人の気も知らないで)
(これ以上、好きにさせないで)

火花をまき散らすみたいに激しく輝く、あなたの瞳に恋をした。
正しく強くあろうとして、必死に胸を張る、あなたの生き方に恋をした。

でも、もうすぐ満月の夜がくる。

(そばに、いたい)
(離れたくないよ)

寂しさが押し寄せ、ヨナの背中を強く強く抱きしめた。

●●●……? どうしたの? もしかして、寒い?

……うん、寒い。夜になって、すっごく寒いから、

(本当は少しも寒くないけど、今だけは、こうしていたいから、)

このままで、いてもいい?

顔を上げられないまま尋ね、温かなヨナの胸に鼻先を押し付ける。
しばらくして、ため息とともに、答えが返ってきた。

別に、俺は構わないけど。−−好きにしなよ

(よかった……)

……ありがとう、おやすみ

……うん、おやすみ

私の想いも知らずに、ヨナは優しく頭を撫でてくれる。
やがて、疲れ果てた身体に、穏やかな夢が訪れた。

●●●が眠りに落ちた後、安らかな寝息に、ヨナのため息が重なった。
●●●を胸に閉じ込めるヨナの耳は、先まで赤い。

……ありがとうじゃ、ないよ、もう

先ほど交わした会話が頭から離れない。

【回想シーン】


●●●……? どうしたの? 寒い?

……うん、寒い。夜になって、すっごく寒いから、
このままで、いてもいい?

…………っ

別に、俺は構わないけど。−−好きにしなよ


構わない、なんて、そんなわけ、ないじゃないか

危うくこの手が、制御を失いかけた。
忍耐力を振りしぼり、どうにか、●●●の頭を撫でるだけにとどめているけれど。

ほんとにもう
人の気も知らないで

こぼれた狂おしい呟きを、森の草木だけが聞いていた。

ーー次の満月まで、あと4日


主人公に完全に籠絡されてるヨナwwでもいい匂いするんだろうなあ……