このページではイケメン革命ヨナのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!
今回の「獲物の刻印」は第4話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!
プレミアストーリー「獲物の刻印」
偶然、現代の世界から魔法の国に迷い込んでしまった主人公。最初に出会ったレイのいる黒の軍の兵舎に保護されます。
赤のクイーンであるヨナからのデートの誘いの手紙がきて、デートに向かいますが、ヨナの傲慢な態度にデートは散々な結果に……主人公先導でデートはいい展開になったものの、それでは満足ができないヨナは主人公を赤の兵舎に連れて行きます。
※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。
(まさか、ここへ連れてこられることになるなんて……)
馬車を降り、かすかに震える足で石畳を踏む。
私の目の前にそびえるのは、荘厳な赤の兵舎だ。
(ヨナとのデートをうまくこなして、早々に黒の兵舎に帰る……。そのつもりだったのに)
【回想シーン】
こんな中途半端なデートで、君を帰せるわけないじゃないか
帰せないって、そんなこと言われても……
陽が落ちるまで、君は俺といるんだよ、アリス
俺と来て。――赤の兵舎に
あの瞬間に向けられたヨナの視線は、熱烈で、真っすぐで、否応なしに惹きこまれた。
(ヨナは私を好きでも何でもないし、利用したいだけだってわかってるのに、どうして……?)
(無理やり腕を解いて、逃げるべきだった)
強引に馬車に詰め込まれてしまったことを、後悔してもしきれない。
ようこそ、赤の兵舎へ、アリス。君を歓迎してあげる
隣に並んだヨナを、私は思わず睨んだ。
初めから、約束を破る気だったの!?
え?
無理やり赤の兵舎に連れ去るなんてルール違反じゃない
私をこのまま、黒の軍に帰さないつもりなんでしょう?
……君は、誰に物を言っているの?
不愉快そうに、ヨナの眉がピクリと持ちあがる。
赤のクイーンたるこの俺が、約束を違(たが)えるわけがないだろう
それなら、どうして……っ
言い募ろうとした時、兵舎の方から爽やかな声が響いた。
楽しそうなお話ですね。俺も混ぜてもらえませんか?
……!
温和な笑みを浮かべたその男性には、前に会ったことがある。
(この人はたしか、赤のジャックだよね……?)
【回想シーン】
ヨナさん、あまり強く掴んでは彼女を怯えさせますよ
見かけない顔ですね。貴女はどうやってこの場所へ入ったんですか?
私たちの前までやってくると、エドガーさんは爽やかに笑った。
さすがは赤のクイーン。大手柄、ですね。
何の話?
アリスを虜にすると宣言して、またたく間に成し遂げた、という意味ですよ
(え……)
エドガーさんが私に向き直る。
とても優しく微笑んでいるのに、逆光で顔に濃い影が落ち、なぜかぞっとさせられた。
貴女の名前は、●●●、でしたよね。よく来てくれました
手のひらを差し出されるけれど、握手をするのはためらってしまった。
エドガーさんは気分を害した様子もなく、笑みを深める。
なるほど。貴女はずいぶんと奥ゆかしく、大人しい女性なんですね
それに、純真です
どういう意味ですか……?
デートに応じて、黒の軍の護衛もつけずにヨナさんに会えば……
強引に連れ去られて監禁されるかも、とは、考えなかったんですか?
(監禁って……)
温かみのあるエドガーさんの声と、物騒な言葉が、頭の中でうまく繋がらない。
言葉を返せずにいると、エドガーさんが私の手を捕まえ、問答無用で指を絡めた。
(っ……!)
怯えた顔も、可愛いですよ
思い違いをするな、エドガー
(あっ)
隣から肩を掴まれ、引き寄せられる。
ヨナが私を背中に隠し、エドガーさんとの間に割り込んだ。
俺は、彼女の承諾を得ずに、赤の軍へくだるよう強制するつもりは毛頭ない
え?
(そうなの……?)
びっくりしながら、肩越しにヨナをうかがう。
力ずくでアリスを手に入れることはしないと誓ったからには、ちゃんと黒の兵舎に帰す
俺がアリスをここへ連れてきたのは、あくまでデートの一環だ
(本気で言ってるみたいだな……)
誇り高き赤のクイーンは、決して己の約束を違えない
怯えていたのも忘れ、夕日に照らされるヨナの凛々しい横顔に、ただ見入る。
(……まただ。目が、離せない)
わけがわからない人なのに――こうして時々、強烈に、視線を惹きつけられてしまう。
これはこれは……貴方の深慮に思い至らず、失礼なことを言いました、クイーン
エドガーさんは、もう何もしないという意志を示すように両手を上げてみせた。
●●●、無礼を許して下さい。ゆっくりくつろいでいってくださいね
は、はい
頷きながらも、つい後ずさりしてしまった。
(この人、ヨナよりよっぽど怖い人かも……)
ずいぶんと嫌われてしまったみたいですね。弱ったなぁ
挽回のチャンスをいただけませんか?俺が、兵舎を案内しますよ、●●●
いらないよ
ヨナの鋭い声が響くのと同時に、身体をふわりと抱き寄せられる。
(!?)
淡く高貴な香りと温もりに包まれて、鼓動がうるさく騒ぎ出した。
俺の許可なく、手出しをするな
この子は、俺の獲物だよ
ヨナさん……
――アリス。君は、俺と来て
あ、ちょ、ちょっと……!?
(びっくりした……)
中庭らしき場所まで来て、ヨナとふたりきりになる。
ヨナは、私の手を掴んだまま離そうとしない。
あの、ヨナ。庇ってくれてありがとう……
ヨナ
庇ったわけじゃない。俺は、部下の過ちを正しただけだよ
そ、そっか……。ええっと、そろそろ、手を離してもらえると、
ヨナ
嫌だ
(えっ)
正面から向かい合い、ヨナが私の手を引き寄せて……
ぁっ……
右の手首の内側に、そっと唇を押しあてた。
薄い皮膚を強く吸われ、甘い刺激が肌を走る。
(な、なんで……)
なんで、こんなこと……!?
他の男に手出しをされる前に、印(しるし)をつけておく
君の心を奪うのは、俺だから
(何、それ……。本当に、めちゃくちゃだよ)
知れば知るほど、ヨナという人がわからなくなる。
それでも、夕日を浴びて光るヨナの瞳は、まるで燃えているようで、美しくて……
私はまた視線を囚われ、魅入られることしかできなくなった。
傲慢というより真面目な人なんですよね。ヨナさん♪