乙女ゲームアプリ完全攻略サイト | 乙な彼氏(オツカレ)

イケメン革命 | フェンリル=ゴッドスピードプレミアストーリー①「デートインワンダーランド」

このページではイケメン革命フェンリルのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「デートインワンダーランド」第4話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「デートインワンダーランド」

偶然、現代の世界から魔法の国に迷い込んでしまった主人公は、魔法を跳ね返す自分の力のせいで命を狙われることに怯えます

そんな主人公を二度も救ってくれた上に相談相手にもなってくれたフェンリル。今日は気晴らしにデートに連れて行ってくれるようです。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


(フェンリルとの待ち合わせ場所、ここで合ってるよね)

青空の下、黒の軍の旗が風に煽られてひるがえっている。

お前な、そーいう大事なことは先に言えよ

大事なことって?

甘いもんが好きってこと。ま、でもこれでプランが立てられる
セスたちに聞かれるとうるせーから、内緒な?
明日一日、空けとけよ。デートしようぜ?

あの瞬間のドキドキがおさまるまで、一晩かかってしまった。

(非番だから付き合えって言ってたし、深い意味はないんだろうな)
(とっさに行きたいって返事をしたけど……)
(この橋を渡れば、セントラル地区。黒の領地の外だ)

赤の軍に襲撃された記憶がフラッシュバックして、悪寒が走ったその時……

よう、●●●、お待たせ

あっ、フェンリル……

現れたフェンリルの笑顔を見て、身体の強張りがふっと解けた。

(今日は、軍服じゃないんだ……。私服姿を見るの、初めてだな)

じゃ、始めるぞ、クレイドル食い倒れツアー

えっ、食い倒れ!?

お前、甘いもん食うの好きなんだろ?
セントラル地区のオススメスイーツ、全制覇させてやるよ

(それで、デートに誘ってくれたんだ)

ふわっと心が浮き立つけれど、手離しには喜べない。

すごく嬉しいんだけど、セントラル地区には赤の軍もやってくるんでしょう?
スイーツ巡りをしてる時に、私を狙ってる敵にばったり会っちゃったら……

決まってる。速攻ぶっ飛ばして次の皿を注文する

(予想外の答え……!)

多少のリスクがある方が、デザートのうまみも増すんじゃね―の?

フェンリルの笑顔は自信たっぷりで、襲撃を楽しみにしている気配すらある。

ほら、行こうぜ

う、うん……っ

ナチュラルに差し伸べられた手を、勢いに呑まれてぎゅっと握る。
風がびゅうびゅう吹き過ぎて、橋へと足を踏み出した私たちの背中を、後押しした。

セントラル地区の中心部は、大勢の人が賑やかに行き交っていた。
道行く人の服装は、クラシカルだったりエキゾチックだったりと様々だ。

(前来た時は馬車だったから、気付かず通り過ぎてたけど、素敵なお店がいっぱいあるな)

テーラーに雑貨屋、ブックストア、アイスクリームショップにカフェ…
目に入る全てが新鮮で、カラフルだ。

きょろきょろすんのはいーけど、迷子は勘弁な?

う、うん

あら、フェンリル! 何してるのーっ?

んあ?

ワンピースとミニハットで着飾った女の子の一団が駆け寄ってきて、フェンリルを取り囲む。

(友達かな? 可愛い子ばっかり……)

久しぶりじゃない、フェンリル!今日はお休みなの?

その子、誰? フェンリルの恋人?

ち、違います

全員にじーっと注目され、思わず背筋が伸びる。

私は●●●といって……黒の軍にお世話になっている者です

外国からの旅行客なんだ。で、俺はこいつのボディーガード役

うらやましいな、私もフェンリルに守られたいー!

でも変な感じね。フェンリルにボディーガードがついてるっていうならわかるけど

(フェンリルに、ボディーガード?)

言えてるー!

小鳥がさえずるように女の子たちが笑い合うけれど、私にはピンとこない。

どうしてフェンリルにボディーガードが必要なんですか? こんなに強いのに

それは、なんてったってゴッドスピード・カンパニーの御曹司だもの

ゴッドスピード・カンパニー?

フェンリルの実家のゴッドスピード家は、黒の領地最大手の建築会社を経営してるのよ

フェンリルはこう見えて、名家の箱入り息子なの

(箱入り息子!? フェンリルが!?)

言われてみれば、礼儀正しさや品の良さを、態度の端々に感じることは何度もあったけれど……
戦闘狂でガンマニアの特攻隊長の出自としては、意外にもほどがある。

(どこで道を踏み外し…じゃなくてっ、方向転換しちゃったんだろう)

あ! それもあってブランさんに坊ちゃんって呼ばれてるんだね

っ…お前、よく覚えてんなー。言っとくけど、うちの家業は今の俺には関係ねーよ
跡を継ぐ気ねーし、オヤジが生涯現役って宣言して、はりきってっからな

そうなの? フェンリルが次期社長なら私、玉の輿(たまのこし)狙っちゃうのに

ほんとよねーっ

バカ言うなって。そんな小細工しなくても、お前らには良い男しか寄って来ねーだろ?

え……っ

誰かを狙うなんて冗談言う前に、自分らが狙われる心配しとけよ、可愛いんだから

女の子たちが頬を染めて一斉に黙り、なんだか私までドキッとした。

(こんなにさらっと褒め言葉を言えるなんて……。フェンリルって天然の女たらしかも)

じゃ、またな。今日はこいつに街を案内する予定なんで
行こうぜ、●●●

う、うん

ぼーっと顔を上気させた女の子達に見送られ、私たちはその場をあとにした。

(フェンリル、相当モテそう……。だからって、遊んでるって雰囲気でもないし……)
(お金持ちの子息だからってだけじゃなく、紳士で優しいから、人気があるんだろうな)

歩調を合わせ隣を歩くフェンリルを盗み見ながら、なんだか自分のことみたいに誇らしくなった。

——(場面転換)

クレイドルの有名菓子店をハシゴして回ったあと、私たちは噴水のある広場へやってきた。

(ふう、お腹いっぱい……)

スコーン、カップケーキ、アップルクランブル、マカロン、フルーツババロア――
フェンリルに案内されるまま、色々なものを2人でシェアして少しずつ食べた。

(はぁ、幸せ……。でも、ちょっとだけ歩き疲れたな)

●●●、そこのベンチでちょっと待ってな

え? うん……

私がベンチに腰を下ろすと、フェンリルは身軽な足どりでどこかへ行ってしまった。

(知り合いでもいたのかな? 休憩できて助かったけど、少し喉が渇いたかも……)

と思った直後、フェンリルがカップをふたつ手に戻ってくる。

今、紅茶とコーヒーどっちの気分?

えっ? ええっと、どちらかというと紅茶かな……

じゃ、こっちな。一応、砂糖は入れてねーけど、あった方がいいか?

ううん、甘いものたくさん食べたあとだし、今はない方が…

了解。あちーから気をつけろよ

あ、ありがとう……!

隣に座ったフェンリルに、湯気をたてるカップを手渡される。

(美味しい……。これを買いに行ってくれてたんだ)
(だけど、なんで?)

フェンリルってもしかして、魔法使いなの?

は?

どうして、私が休憩したいと思ってたことや、喉が渇いたって感じてたことがわかったの?

そーだったのか? じゃ、単に偶然タイミングがよかっただけだろ

(本当かな? あ……紅茶を飲んでたら、ちょっとだけ甘いものがまた欲しくなってきた)

そうだ、これ、よかったらつまめよ。さっき寄った店で買っといたんだ

渡された小さな包みをひらくと、大粒のトリュフが転がり出た。

ねえ、やっぱり私の頭の中、見えてるでしょう!?

だーから、偶然だって。チョコ、いらねーの?

っ……いる

(わぁ、これも美味しい……!)

もぐもぐ口を動かす私に、フェンリルが不意に顔を寄せた。

よく食うなー。お前、胃に穴でも開いてんじゃね―の?

ちょ、あんまりじっと見ないで……っ

断る。見てて気持ちいーからな

(え……)

お前といると、なんか楽しーわ

(至近距離で、そのセリフと笑顔は、反則だよ……っ)

心臓が飛び跳ねて、トリュフを上手に飲み込めず、私はちょっとだけむせてしまった。ちなみに……
すかさずフェンリルがハンカチを差し出してくれてことは、言うまでもない。


これはモテるわwwフェンリル