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イケメン革命 | エドガー=ブライトプレミアストーリー②「誰のためでもない祈り」

このページではイケメン革命エドガーのプレミアストーリーをネタバレしていくよ!!

今回の「誰のためでもない祈り」第10話後半のアバター試練プレミアストーリーになるぞ!!

プレミアストーリー「誰のためでもない祈り」

赤の軍の幹部たちとだんだんと打ち解けてきた主人公。
彼らからエドガーの過去やジャックとしての仕事について教えられます。

そんな孤独なエドガーのために秘書としての仕事を手伝う主人公。
ある日、エドガーの休みの日に主人公はデートに誘われます。

※主人公の名前を呼ぶ部分は●●●にしています。


(風が気持ちいい……)

暮れなずむ空の下、緑の匂いがする空気を胸いっぱいに吸い込む。
赤の兵舎の外へ出るのは、本当に久しぶりだ。

遠くへはお連れ出来なくて、すみません

いいの。兵舎のまわりを散歩するだけで十分楽しいよ

エドガーが私にデートを申し込んでくれたのは、今日の午後のことだ。

【回想】


久しぶりに午後、休みをとったんです。だから……
俺とデートして下さい、アリス

うやうやしく指先にキスをされ、返事に詰まった。

強盗が捕まっていない今、兵舎を離れて歩き回るのは危険ですが……
少しの間、周囲を散策するくらいは大丈夫でしょう

ものものしい護衛をつけて出掛けるのは貴女も気詰まりでしょうし、お忍びデートしましょう

(お忍びデート……)

魅惑的な響きの言葉に、胸が躍り出す。

貴女が出掛けたくなるように、新しい靴も用意しました

えっ? そんなことまで……

ささやかながら、秘書業務の特別手当です


(エドガーがくれたサンダル、サイズぴったりで足に馴染むな)

歩きながら足元を見てばかりいたら、エドガーに笑われた。

気に入っていただけたみたいで嬉しいです

うん、とっても! 本当にありがとう

エドガーの髪を風がさらい、夕陽が洗う。
キラキラ光って、金の糸みたいだ。

(歩いてるだけなのに楽しくて仕方がない。久しぶりに外へ出たせいかな?)

スキップしたくなる気持ちを抑えながら、のどかな風景を眺めていると……

あれ……?

ふとエドガーが脇道に逸れ、茂みの中を覗きこんだ。

どうしたの?

迷子を見つけました

近寄ると、首輪をした小犬が草かげでふるふる震えていた。

わぁ、可愛い。よく気づいたね

鳴き声が小さく聞こえたので。飼い主とはぐれてしまったんでしょうか

片膝をつき、エドガーは小犬を抱き上げた。

「クゥーン、クゥーン……」

大丈夫ですよ。貴女のママを探しましょう

なだめるように、エドガーが小犬の背中を撫でる。
思いが伝わったのか、小犬は安心したように鳴くのをやめた。

いい子ですね。偉い偉い

(なんて優しい目……)
(クリーク一家といる時も、こういう顔をしてた)

エドガーは普段、感情をあらわにすることがないけれど、
動物と触れ合う時だけは、溢れる愛情を隠そうともせず、惜しみなく注ぐ。

(人間を相手にしてる時よりもずっと、心を許してるように見える)

いいなあ……

貴女も撫でられたいんですか?

(いけない、口に出ちゃってた……!)

気にしないで! 今のは何でもないから

遠慮すること、ないですよ

片腕で小犬を抱き直すと、エドガーは手を伸ばした。

(わ……っ)

温かな手のひらがゆっくりと、私の頭を撫でる。
小犬が羨ましそうな目で、私を見つめた。

(ブラッシングでもされてる気分……)

ふふ、こっちの小犬も大人しいなあ

っ、小犬扱いしないで欲しい

そこは、ワンッて言ってくれないと

言わないよ……!

冗談ですよ。いい子、いい子

(……っ、そんな優しい声を出されると、困る)

こんなふうに溢れんばかりの愛情を注いでもらえるなら、小犬扱いでもいい気がしてきた。
その時――

すみません! うちの子がご迷惑をおかけして……

よかった。早々にママが迎えに来ましたよ

走り寄ってきた飼い主の女性に、エドガーは小犬を手渡した。

またお会いしましょうね

小犬「クゥーン!」

女性が小犬を抱いて去るのを、私たちは並んで見送った。

(すぐに飼い主が見つかってよかった……)

リードが緩んで、家の外に出ちゃったんだろうね

ええ。家の庭に閉じこもってばかりだと、飽きてしまうんでしょう
俺も気持がよくわかります

どうして……? エドガーはどこへでも出掛けられるじゃない

いえ……。赤のジャックという階級は少し特殊で

ブライト家は、赤の軍に身も心も尽くすことを定められた家系なんです
任務ではないのに勝手に遠くへ出掛けるのは、許されないことです

(そうなんだ……)

退屈ですが、いたしかたありません。俺は……赤のジャックですから

エドガーはそれ以上詳しくは語らなかったけれど、
諦念に満ち達観したような笑顔から、任務の重さと階級の厳格さが感じ取れた。

……エドガーに遊びに来て欲しいな。ロンドンへ

え……?

科学の国はすごく面白いところなの。退屈なんて吹き飛ぶこと請け合いだよ

お誘い、恐縮です。折があれば是非

エドガー、流さないで。私は本気で誘ってるの

……

(社交辞令で終わらせたくない。エドガーは私を、丁寧にもてなしてくれたから……)
(私もお礼にエドガーを楽しませたい)

さっきエドガーは『退屈だ』って言ってたけど……
退屈って、寂しいのと似てるでしょう?

…………

いつか、自由にあちこち行けるようになるといいね

……そう、ですね

笑みを消し、エドガーはふっつりと黙ってしまった。

(気を悪くさせたかな……。お節介なこと言っちゃったかも)
(だけど……エドガーのために『自由になって欲しい』って思ったわけじゃない)
(エドガーが退屈で、寂しいと――なんだか私も寂しいと思ってしまった)

(ってことは結局、私自身のため?)
でもどうして、エドガーが寂しいと、私も寂しいって感じるんだろう)
(こんがらがってきちゃった……。深く考えることもないか)

しばらくして、エドガーがぽつりと呟いた。

今日は……やけに、夕焼けが眩しいですね

うん、そうかも

私はエドガーと一緒に茜空を見上げ、誰のためでもなく、静かな心で祈った。
いつかエドガーが自由になれますように、と。

――その祈りを叶えることは、100年も昔から禁じられているとも知らずに。


なんだかちょっと物悲しいストーリーですね……

ああ、早くエドガーと主人公がハッピーになってほしいです!!