エドガールートネタバレ・感想
このページでは『イケメン革命』エドガールート9話〜17話のストーリーネタバレ・感想を書いていくよ!!
彼からの手紙の内容やプレミアストーリー・スチルについてもネタバレしていくのでぜひ参考にしてみてくれ♪
選択肢などの情報は以下のネタバレ無しの攻略を参考にしてね!!
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第9話「エドガーの過去」
エドガーが不在の夜、食堂でお茶を飲みながら、ゼロは静かに語り始めました。
ゼロがエドガーに出会ったのは、セントラル地区の寄宿学校に途中編入した時でした。
ゼロはそれまでは学校に通わず、魔法の塔で暮らしていました。
魔法の塔には、魔法学者をはじめとする関係者が全員住み込んで生活していたのです。
ゼロは魔法の塔で生まれ育ちましたが、色々あって出て行くことになり、14歳の歳に
寄宿学校に放り込まれ、その際に学校側がゼロにあてがった監視役兼世話係がエドガーでした。
ゼロは淡々と話しますが、魔法の塔で生まれ育った経緯、色々あっての『色々』、
エドガーに与えられた『監視役』とはどういう意味かなど、主人公はその話の内容に対して謎ばかりでした。
けれど、ゼロは特に頓着する様子もなく、話を先に進めました。
エドガーはいわゆる優等生でしたが、タチの悪い冗談が大好きで、
ゼロは毎日のようにからかわれていました。
特殊な出自のゼロを他の人たちは遠巻きにしていましたが、エドガーは違い、
お構いなしにゼロに好奇心をぶつけてきました。
そして、エドガーは学生当時から剣術の腕が師範レベルで、
ゼロは暇つぶしにとエドガーに稽古に付き合わされてはボロボロに負かされていました。
なので、ゼロは強くなってエドガーを見返したくて、エドガーに弟子入りしたのでした。
ゼロにとってエドガーは師匠でありライバルでもあるんだな、と主人公は思いました。
学年が上がると剣術の試合でゼロが勝つことが増えていきましたが、
なぜかゼロは『あいつに勝てた』と思えたことは一度もありませんでした。
とはいえ、ゼロはエドガーのお陰で剣の腕を極めるという目標を見つけられ、
熱心ではなかったけれど、世間で生きていくのに必要な術を教えたのもエドガーでした。
卒業後、行くあてのなかったゼロを半ば無理やり赤の軍に招き入れたのもエドガーで、
今のゼロがあるのはエドガーのお陰と、ゼロは思っていました。
しかし、素直に感謝できるかといわれると微妙だとゼロは言い、
感情をあらわにしないし、肝心な話はのらりくらりとかわすエドガーの態度に
腹が立ちっぱなしだと言いました。
ゼロの話を聞いて、主人公はゼロがエドガーを深い所で大事に思っているとわかりました。
それから主人公は、エドガーの、人との距離感が独特でからかい上手という、
一風変わったところもエドガーの魅力につながってるんだろうと言いました。
それを聞いたゼロは驚き、「いけしゃあしゃあを絵に描いたようなあの男を、
お前は腹立たしいと思わないんだな」と主人公に言いました。
主人公が困らされることはあるけど嫌いじゃない、と答えると、
ゼロはどこか嬉しそうに微笑んで席を立ちました。
そして、俺が言うのもなんだが…と前置きしてから、
「クレイドルにいる間、エドガーと仲良くしてやってくれるか」
「お前のような人間になら……あいつも心を許せるかもしれない」
と言って、主人公の肩にそっと手を置き、行ってしまいました。
そのゼロの言葉は、先日のランスロットの命令と重なりました。
その日、結局エドガーは戻りませんでしたが、会えない時間ずっと、
主人公はエドガーのことを考えてばかりいました。
《主人公の部屋 翌朝》
翌朝、主人公の部屋にエドガーが尋ねてきました。
エドガーは、約束をキャンセルしたお詫びを言いたくて朝一番に訪ねてしまったと言い、
それから、仕事を手伝ってほしいと主人公に依頼し、
9時にエドガーの部屋へ来てほしいと言い、それからこう付け加えました。
「貴女には、俺の秘書になって頂きますね」
《エドガーの部屋》
9時ぴったりに緊張しながらエドガーの部屋を訪れる主人公。
それから、主人公はエドガーに書類の整理を頼まれますが、
やる気とは裏腹に、クレイドル独特の単語が多く、なかなか仕事が進みません。
何度もエドガーに質問をしてしまい、手伝いどころか足を引っ張っている気がすると
感じる主人公。
一方エドガーは主人公の面倒を見ながらも、別の書類を片っ端からさばき、
事務処理の合間には続々やってくる部下からの要件に答えていきます。
次々仕事をこなすエドガーを見て、主人公は改めてすごい人なんだと感じました。
主人公は、自分に頼んだ仕事も、エドガーが自分でやった方がきっと早いのに、
自分が手伝いたいと言ったから、非効率とわかっていても仕事を振ってくれたんだ、
と自分で立てた推測にショックを受けていました。
そして、こうなったら!と、エドガーに、仕事の効率を上げるために、
クレイドルの行政について書かれた本を貸してほしいと言いました。
いくら質問をされても構わないとエドガーは言いますが、主人公は私が構うの、と言います。
そんな主人公に「真面目だなあ」と言ってエドガーはくすくす笑い、
主人公に本のタイトルとしまわれている場所を教えました。
主人公がいつしか夢中になって本を読んでいると、エドガーが紅茶を淹れたので
休憩しようと声をかけました。
主人公の前にティーカップを置いて、エドガーが苦笑交じりに呟きます。
「頼ってくれないんですね、俺のこと。ちょっと退屈です」
主人公は意地になっていることを謝り、エドガーが初めて任せてくれた仕事だから、
出来ないということに甘えずに信頼に応えたいんだと言いました。
それを聞いたエドガーは、主人公と自分はまるで違う生き物みたいだと言いました。
主人公が、優秀なエドガーと比較されたらそう思われても仕方ない、と返すと
エドガーは「そうじゃなくて。魅力的って意味ですよ」と言いました。
すると、エドガーは主人公の座る椅子の肘掛けに手をつき、
「なんだか貴女は…俺に欠けている物を全部、持っている気がします」と言いました。
温和な笑顔に、今までにない感情が入り混じっている気がして、主人公の鼓動がざわめきだします。
主人公が、かけているものって何?と尋ねると、エドガーは自分でもよくわからないと言い、
それから、自慢ではないけれど自分は『わからない』ってこと自体が少ないんだと続けました。
そして、翡翠色の瞳が無遠慮に主人公に近付くと、言いました。
「だから今、知りたくて堪らない」
その視線に心を丸裸にされていくような気がしましたが、エドガーの目は底が見えず、何を想っているのかがわかりません。
主人公は、おかしな人、と思いながら、「でも、私も……あなたを知りたい」と思いました。
2人は瞬きもせず、見つめ合います。そして、エドガーが
「……貴女と過ごすのって、クセになります」と言い、その指先が主人公の頬の輪郭をなぞります。
エドガーデキる男
普通の師弟関係とはなんだか違うなあ、と感じてモヤモヤしていたので、少しすっきりしました。
でも、今回ゼロから話を聞いたことで、主人公と同じく、今度はゼロについての疑問もたくさん浮かんできてしまいました(>_
この先ゼロの謎は明らかになるのでしょうか?それとも、ゼロルート配信までお預け!?(T_T)気になります…
今回は、お仕事モードのエドガーの「できる人」って感じが素敵(*´艸`)
と爽やかな気持ち(?)でいたら、終盤にまた距離を詰められて、刺激強めでドキドキさせられてしまいました。
エドガーって、言葉の言い回しにいちいちドキッとさせられるんですよね
(今回でいえば、「クセになります」とか)…そこがまたいいんですけど(//▽//)
第10話「エドガーの真意」
エドガーの長く細い指先が、主人公の頬にそっと触れます。
かすかな刺激が主人公の肌を痺れさせ、主人公は苦しくなります。
主人公が、触れる指先の感触と、エドガーの眼差しだけに意識を囚われていると――
失礼、とヨナが部屋に入ってきました。2人の様子を見て慌て、顔を赤くするヨナ。
ヨナは昼中から何を考えているんだよ、とお説教を始めますが、エドガーはそれをニコニコ微笑んで受け流し続けます。
主人公も、ヨナに悪いとは思いましたが、お説教が全く頭に入ってきませんでした。
主人公の頭には、先程エドガーの瞳に垣間見た、底のない翡翠色の闇が居座り続けました。
《医務室》
エドガーの秘書になって数日が経ち、主人公はエドガーの依頼でカイルに医療関係の本を借りに来ていました。
カイルは、主人公がエドガーの秘書を始めたという噂は本当だったんだな、と言って
すぐに書棚から本を取り出してくれました。
主人公が、本の使用目的についてカイルに話すと、カイルは
「へーえ。お前、すっかりいっぱしの秘書じゃねーか」と言いました。
そして、恐縮する主人公の頭を偉いもんだと言って撫でると、兵舎で
“「優しき悪魔」が第二のアリスをこきつかってる”と噂になっていると言いました。
主人公はそれを否定し、自分が好きで手伝わせてもらっているだけで、
エドガーは優しき上司だと言いました。
すると、カイルは思いついたように、主人公に
「そうだ、今夜付き合えよ。お前もちょっとは息抜きしろー」と言いました。
《キッチン》
「そんじゃ、かんぱーい」というカイルの声に、主人公も小さく「乾杯…」と応えます。
夜中のキッチンに忍び込み、カイルと主人公はお酒を交わし始めました。
勝手にこんなことをしていいのかと心配する主人公に、
カイルはランスロットに許可はとってあると言いました。
そして、誘ったけどフラれたとも言うカイルに、主人公が度胸があるねと言うと、
カイルは「同期を誘うのに勇気なんていらねーだろ」と言いました。
そこで初めて主人公は、カイルとランスロットが同期だと知り、赤の軍のみんなと仲良くなったつもりでも、まだ知らないことだらけだなと感じました。
ゆったりと飲みはじめると、カイルが主人公にエドガーとはうまくやっているのかと
主人公に話を振ってきました。
主人公はうん、と言い、そして、
「エドガーがあまりに優秀だから、もっと頑張らなくちゃって毎日思う」というと、
カイルはエドガーはたいていのことは達人だから比べるな、と言いました。
どういうことか主人公が尋ねると、カイルはエドガーにとっては、できることを数えるよりも出来ないことを数える方が早いと言いました。
やらせれば何でもできるし、その気になれば医者にだって余裕でなれるかもしれない、
とカイルは言います。
思った以上にハイスペックだと主人公が感心していると、カイルが表情を曇らせて言いました。
いつだか、エドガーが「俺は、銀のスプーンをくわえられるだけくわえて生まれてきたんです」と言っていたと。
うらやましい話だね…と主人公が言うと、カイルは、それを否定して、そういっていた時のエドガーはつまらなそうな顔をしていたと言いました。
どうしてだろうと主人公が思っていると、キッチンのドアが開き、
エドガーとゼロがやってきました。
そして、2人も主人公とカイルに誘われ、酒宴に加わりました。
あっという間に賑やかになり、そこにヨナまで現れ、輪に加わりました。
カイルがどんどんグラスを空けていくのをゼロが止め、ヨナが煽ります。
エドガーは笑顔でそれを見守り、マイペースにグラスを傾けながら主人公に言いました。
「幹部で深夜にキッチンで酒宴なんて、こんなの初めてですが、案外面白いですね」と言い、
主人公が初めてなの?と聞くと、普段はミーティングを兼ねた会食をするくらいだと言います。
そして、エドガーは主人公がいるからこうしてみんな集まったんだと言い、
やっぱりいい匂いでも発しているのでは…と主人公をからかいます。
今日のエドガーはいつもの温和な表情とは違って、満面の笑みを浮かべていて、
心から楽しんでくれているような気がして主人公は嬉しくなりました。
主人公とエドガーが微笑み合っていると、不意にヨナがきょとんとしたような顔で
主人公達を見ていることに気が付きました。
「ねえエドガー。君、今……」
そうヨナが目を丸くして呟くとエドガーは不思議そうに「何でしょう?」と聞きますが
ヨナは何でもないと言って話を変えてしまいました。
すぐにまたキッチンは賑やかになって、主人公とエドガーは、
ヨナが何を言いかけたのかを聞きそびれてしまいました。
《ランスロットの部屋》
主人公を囲む幹部たちの酒宴が盛り上がる一方、その様子を「……騒がしいものだ」と、
ランスロットが自室から瞳を赤く光らせて見つめていました。
ランスロットが手をかざしている鏡には、笑い合う主人公やエドガーたちが映っています。
かすかに目元を和ませると、ランスロットはすっと手を引きました。
魔法が解けて、キッチンの様子がかき消えると、鏡に映るのはランスロットの青い瞳だけになりました。
《廊下 翌日午後》
真夜中のパーティーの記憶を思い返しながら、廊下を急ぐ主人公。
「外出の仕度をして15時に部屋に来てほしい」とエドガーに言われていたので、
またクリーク一家との散歩に連れて行ってくれるのかも、と期待に胸を躍らせる主人公を待っていたのは、更に上をいく提案でした。
《エドガーの部屋》
ノックしてエドガーの部屋のドアを開けると、そこには私服姿のエドガーが待っていました。
久しぶりに午後休みをとったというエドガーは、主人公に歩み寄るとその手を取り、
指先に礼儀正しくキスを落として、言いました。
「俺とデートしてください、アリス」
(プレミアストーリー「誰のためでもない祈り」へ続きます)
ヨナお邪魔虫
(動揺するヨナが可愛過ぎるところがまた最高ですww)
そんなヨナと反対に、エドガーの切り替えの早さ!!
なんでちょっと色気のある雰囲気から、いきなり切り替えてヨナと話せるの!?
しかもヨナをからかう余裕まであるなんて…さすがです。
もう少し、あの少し妖しい雰囲気のエドガーを見ていたかった気もしたので、
少し残念ですが、それはこの先の楽しみとしてとっておきましょう♪
そして、キッチンでパーティー!!楽しそう!!!ww
何だか今回のキッチンのシーンの雰囲気は、1話の黒の兵舎での食事のシーンを思い出しました(^^)
赤の軍はこんなワイワイするシーンないと思っていたから、なんだか嬉しかったです。
またこういうワイワイしたシーンがあったらいいなぁ。
第11話「二人で笑いあって」
主人公達は兵舎のディナーでデートを締めくくりました。
デザートも食べ終え、就寝時間が迫ってきたタイミングで、
エドガーが主人公に手を差し出すよう言いました。
主人公が不思議に思いつつ手を出すと、手のひらに小さな小箱が載せられ、
その中には純白のハンカチと、繊細なデザインの腕時計がありました。
主人公がお礼を言い、思わず「大事に使う。ロンドンに帰った後も、ずっと」と何気なく言うと
ふっと沈黙が訪れました。
主人公は改めて、自分はロンドンに帰ること、エドガーと過ごせる時間は限られていることを思い出し、胸がとても痛くなりました。
エドガーをうかがうと、テーブルに乗せた自分の手をじっと見つめていました。
エドガーが何を考えているのか、見つめても見つめても答えは見つからず、
思わず主人公はエドガーに声をかけました。
すると、エドガーは今度こそお開きにしましょうと言い、笑顔を取り戻して席を立ちました。
主人公は、席を立った後も一瞬みせたエドガーの無表情が気になって仕方ありませんでした。
そして、少しだけ、エドガーが怖かったと感じていました。
《廊下》
主人公を部屋へ送り届けた後、エドガーが踵を返すと同時に、灯りが落ちました。
消灯時間になり、エドガーは主人公に出会ってから1日があっという間だと、改めて感じていました。
そして、視線を落として自分の手をじっと見つめて、その手のひらで主人公に数回触れたと思うと、
ちりちりとした熱を指先に感じると同時に、胸が重たくなりました。
その未知の感覚の正体が何か、今のエドガーには図りかねました。
翌日、エドガーは普段通りの笑顔に戻っていて、主人公は安心して仕事に没頭しました。
《執務室》
主人公はエドガーから書類を預かり、ランスロットの元を尋ねていました。
ランスロットに書類を確認してもらい、早々に退出しようとした時、
主人公はランスロットに呼び止められ、先日エドガーと兵舎の外へ出掛けたそうだな?と聞かれました。
主人公が頷くと、ランスロットは主人公がエドガーとどんな話をするのかと尋ねます。
他愛のない、普通の話題ばかりだと主人公が答えると、ランスロットは「普通、か。そうか…」と呟きました。
その目がわずかに和らいだ気がして、主人公は思わず見入ってしまいました。
主人公は、質問の意味を尋ねると、ランスロットは特に意味はないと言いました。
そこに、エドガーがやってきて、ランスロットに例の物を遂に入手したと言いました。
誰にも見られていないかとランスロットが確認すると、エドガーはもちろんだと答えます。
主人公はその場にいてはいけないような気がして慌てますが、
その「例の物」とはなんと、ライオンの形をした、ミルク味の白いグミでした。
ランスロットもジャンクフードが好きなのかと尋ねると、そうではなく、
庶民の暮らしについて情報収集をしているだけだと言いました。
エドガーが「例の物」と言った時には何の裏取引かと思った主人公は、ほっと胸をなでおろしました。
するとその時、ヨナがランスロットを訪ねてきました。
ヨナが「ん?お手に持っていらっしゃる物は……」というと、ランスロットはマントをひるがえし、
グミの袋をさりげなく隠して、何でもないと言いました。
エドガーがジャンクフードをランスロットに勧めていたのではないかと疑うヨナ。
主人公は、ヨナは鋭いと思いながらも、空とぼけるエドガーと、完璧に何ごともなかったような顔をするランスロットを見て、思わず笑いがこぼれてしまいます。
不思議に思うヨナに何でもないとエドガーが言って、主人公を執務室から連れ出しました。
《廊下》
笑いをかみ殺しながらエドガーと部屋を出た主人公。
笑い過ぎだとエドガーに言われますが、主人公は笑いが止まりません。
そんな主人公を見てエドガーもつられて笑ってしまい、
結局二人は、顔を見合わせてまた吹きだしてしまいました。
そこにゼロが通りかかり、何を馬鹿笑いしているのか尋ねますが、
エドガーが睨めっこをしていて主人公の変顔が凄かった、とさらりと嘘をつきます。
変なツボに入り、主人公もエドガーもますます笑いが止まらなくなり、
ゼロにグミ事件の説明をするまで時間がかかってしまいました。
そんなやり取りをしながら、主人公は、昨日のデートはしんみり終わってしまったけれど、
エドガーといるとやっぱり楽しいと改めて思うのでした。
《執務室》
廊下から響いてくる主人公達の声を、ヨナは呆れ顔で聞いていました。
やっぱり…と言いながら、ランスロットに身体に悪いものを口にするのは止めてください、
と言うヨナ。
あれほど申し上げているのに…というヨナに、そう怒ってくれるなと返すランスロット。
本気で怒っているわけではありません、と言うと、ヨナの表情が曇っていきました。
ヨナは、主人公が来てからどことなく赤の兵舎が明るくなったような気がするが、
同時に気にかかっていることがある、と切り出しました。
ランスロットが話してみろというと、ヨナは、最近のエドガーは何だかとても楽しそうで、
先日キッチンで酒宴を開いていた時には、あのエドガーが腹の底から笑っているように見えて驚いた、
と伝えました。
そうか、とだけ口にしたランスロットに、ヨナはおかしいでしょうか?と言い、
「私は…エドガーが”楽しそう”なのが真実だったらいいと、願ってしまうんです」と続けました。
無言で聞いているランスロットに、ヨナはもう一言言いました。
「やっぱり、おかしいですよね。エドガーは、あいつは……”赤のジャック”なのに」
《エドガーの部屋 夜》
その夜、仕事を終えたエドガーが部屋に戻ると、話があるというゼロが待っていました。
エドガーがゼロを部屋に通すと、長年のならいで、ゼロが黙ってお茶の支度を始めます。
エドガーも無言で支度が整うのを待ち、支度ができると、どんな話かとゼロに尋ねました。
ゼロは、あと少しで主人公がクレイドルに来てひと月経つけれど、エドガーは主人公をどうする気でいるのかと尋ねました。
どうする気と言われても、主人公の荷物が戻るまで引き続きもてなすつもりだ、とエドガーは答え、
「アリスは、大事な大事な、お客様ですから」と言いました。
その答えを聞いて、ゼロの眼差しが鋭くなり、エドガーに尋ねます。
「正直に答えろ。お前の言う『大事』とは、どういう意味だ?」
赤のジャックの役職
ランスロット様とのグミ事件wでまたいつもの2人に戻っていて一安心しました。
でも、安心したのもつかの間で、気になるのはヨナの話です。どういうことなんでしょう?
エドガーは楽しそうにしていたら「おかしい」のでしょうか?
仮に、普段そんなに笑わない人が腹の底から笑っているのを見たら
「珍しいな」くらいは思うかもしれませんが…。
赤のジャックという役職に関係がありそうですが、今のところ全くどういう意味なのかがわかりません。
微笑みも素敵ですけど、主人公をからかって楽しそうにしているエドガーも好きなので、
ヨナと同じく、”楽しそう”なのが真実だったらいいなと思います(T_T)
そして、ヨナはやっぱりツンツンしてるけど凄く仲間想いなんだなぁ、と改めて思って、なんだかジーンとしちゃいました。
エドガーからの手紙「デートの感謝状」
先日は俺の我がままに付き合って頂き、ありがとうございました。
お散歩、楽しかったですね。
あの小犬にまた会えるといいんですが。
そうそう、はしゃいでる貴女も、小犬みたいに可愛かった。
夕焼けが、とても綺麗でしたね。
これまで何百回何千回と仰ぎ見てきたはずなのに、
貴女と眺める黄昏は異様なほど鮮やかで、
生まれて初めて本物の空を見たような気がしました。
あれから繰り返し頭に浮かぶんです。
西日の眩しさと、笑顔の貴女が。
なんだか少し、変ですね、俺。
Edgar Bright
第12話「本当の笑顔」
ゼロの問いかけに、言葉通りの意味だと答えるエドガー。
そして「個人的に、とても興味深い女性だと思っています」と付け加えました。
一緒にいると退屈知らずだというエドガーにゼロが、
だったら主人公に対して一切何も企んでいないとここで誓え、と険しい顔で言いだしました。
エドガーがどうしたんですか?と返すとゼロは、エドガーはいつもそうやって
へらへらして本心を隠して、ゼロが何を言おうと、胡散臭い常温の笑顔しか返さないと言いました。
エドガーが上手いことを言うなと感心すると、ゼロは、エドガーは誰に対しても常温だけど、
主人公にだけはそうじゃなくなると指摘しました。
エドガーが何のことだと言うと、
ゼロは主人公の前で自分がどんな顔で笑っているか自覚していないのか、と尋ねました。
更に、主人公の隣にいる時だけはエドガーが心から笑っているように見える、と言いました。
エドガーは何を根拠に…と言いますが、ゼロは「俺が何年お前のそばにいると思ってる」と
苛立たしげに呟き、お茶をひと息に飲み干しました。
そして、エドガーが主人公に関して何を企んでいるかは知らないし、
自分に明かす気がないのもわかっているけれど、その企みを主人公に知られた時、それでも笑っていられるのか?と問いかけました。
ゼロの問いかけに、エドガーは自分はいついかなる時も笑っていると言いました。
「なんたって、優しき悪魔、ですからね」
話をはぐらかされると、ゼロは目を伏せて席を立ちました。
帰ろうとするゼロをエドガーが、久しぶりにボーイズ・トークでもしようと思ったのに、と茶化すと、
ゼロは茶化すなと言い、「地獄に堕ちろ、この悪魔」と捨て台詞を言って出て行きました。
すると、エドガーは呟きました。
「心配しなくても……いずれは堕ちると、生まれたその日から決まってるのに」と。
《キッチン 翌日》
秘書の仕事の合間にキッチンを借りることにした主人公は、
お世話になっているお礼としてみんなに配るために、アイシングクッキー作りをしていました。
クッキーを作りながら、主人公は考えていました。
元の世界へ帰るまでのあと10日、このまま赤の軍と黒の軍が戦いにならずに済んで欲しい。
そして、あと少しで二度と会えなくなってしまうとしても、誰にも傷ついてほしくないと。
胸が痛んで生地をこねる手が止まった時、廊下から主人公の姿を見つけたエドガーがやってきました。
何をしているのか尋ねられると主人公は笑顔を作って、
「クッキー作りだよ。もうすぐここを去るから、みんなに何かお礼をしたくて」と言いました。
すると、エドガーに無理して笑っていることを見抜かれてしまいます。
主人公は誤魔化そうとしますが、通用しません。
主人公は、寂しいけれどこの国に来れて良かったし、エドガーと出逢えて本当によかったと言い、
だからこそ最後まで楽しく過ごしたいから、やせ我慢するかもしれないけど見逃してね、と続けました。
苦笑いを浮かべて主人公はエドガーを見つめ返しますが、エドガーは沈痛な面持ちのままでした。
いつもなら笑って答えてくれるエドガーに、主人公は何かあった?と心配します。
哀しい顔をしていると主人公が指摘しましたが、エドガーは自覚がありませんでした。
エドガーも寂しいと思ってくれているのかも、と思った主人公は、
それなら尚更しんみりしていられないと、クッキー作りに精を出しました。
《エドガーの部屋》
主人公と別れて部屋に戻ったエドガーは、ひとり、姿見を覗いていつものように微笑んでみますが、
ぎこちない顔が気に入らず、自分の頬を引っ張ります。
「心から笑ったりとか、うまく笑えなかったりとか……
そんなことは、赤のジャックの任務に、含まれてない」
そう呟くと、脳裏に昨晩のゼロの言葉が浮かびます。
そして、自身の口の端を無理につり上げて言いました。
「ちゃんと笑えますよ、ゼロ……そうでなければ、困ります」
《中庭 翌日》
元気のないエドガーも巻き込むように気合いを入れて、
日常のどんな一コマも全力で楽しむことにした主人公。
エドガーの見回り中、中庭に、クリーク一家が自分の後をついてくるようになった事をエドガーに自慢しに行きました。
おやつの時間には、料理長に教えてもらった手作りのグミをエドガーに持っていき、
夕方には、夕焼けがすごくきれいだから休憩時間になったら散歩しようと誘いました。
それでも、エドガーは元気のないままでした。
《エドガーの部屋 夜》
仕事終え、今日はここまででいいというエドガーに、もう一仕事させてほしいという主人公。
主人公は、急いでキッチンに行き、ホットココアを淹れて戻ってきました。
そして、エドガーに勧めると、昨日から元気がないみたいだから、
飲んだら早めに休んでね、と気遣いました。
だからと言って、無理に元気になろうとすることもない、と付け加えて。
貴女に心配をかけるなんて、上司失格だ、というエドガーに主人公は、
その何倍もエドガーは自分を支えてくれていると伝えました。
どれだけエドガーに助けられたかを話し始める主人公に、エドガーは
「――…やめて下さい」と言って、不意に手を伸ばして主人公の唇を塞ぎました。
「貴女はそんなこと言わなくていいんです」
そう言ったエドガーの目は、心もとなげに揺れていて、主人公はそんな顔を初めて見ました。
すると、エドガーは貴女という人は…と切り出し、
「表情がくるくる変わって、俺の予想をたびたび裏切って、
無垢で無邪気で、そのくせ、したたかで……どうか、してる」と言いました。
合わせた瞳からエドガーの内側の熱が、濁流のように流れ込んできます。
どうかしてるなんて、そんなの…と主人公は思いながら、エドガーの手を振り切り、
「そんなの、エドガーの方こそ!」と言い、衝動のままにエドガーの頬を手のひらで包み込みました。
エドガーに出会うまで、自分の血がこんなに熱くなるなんて、主人公は知りませんでした。
そして、激しい磁力でも働いているかのように、勝手に唇が近づいていきます。
エドガーがおかしくなる
いつも完璧で、感情に流されることなんて無さそうなのに…
感情のコントロールがきかなくなってきたのでしょうか。
赤のジャックになる人は、心から笑ったりとか、うまく笑えない時があったりしてはいけないんでしょうか??
なんだか、エドガーが辛そうというか、痛々しいというか…見てられなくなってきました。
それに対して、主人公はなんて健気というか、前向きなんでしょう…。いい子過ぎやしませんか!?
そんな、健気で、自分の気持ちにも、他人に対しても真っ直ぐな主人公が、エドガーには眩しすぎるのかな…
なんて風にも感じて、なんだか切なくなりました。
第13話「悪魔の改心」
エドガーに“アリス”ではなく名前を呼ばれ、上唇と上唇が、ほんのわずかに触れました。
頬を包む主人公の手に、エドガーの手が重なりかけた時、弾かれたように
エドガーは自分の手を主人公から遠ざけました。
主人公が不思議に思っていると、エドガーはしばらく俯いてからぱっと顔をあげて微笑み、
失礼しました、と謝り、言いました。
「お休みの挨拶にしては、度が過ぎていましたね」
主人公も勝手に触ったことを謝ると、軽く首を横に振ると、エドガーは微笑み、
おやすみなさい、と言いました。
主人公も、掠れ声であいさつを返すと、エドガーの部屋を出て行きました。
《廊下》
主人公はエドガーと別れてもなお、目にはエドガーの眼差しが焼き付き、
耳には息遣いの残響がありました。
見つめ合った数秒は息が詰まるほどに濃く、エドガーの頬は熱を帯びていました。
そして、主人公は初めて本当の名前を呼ばれ、触れるか否かの唇の間には、
一瞬確かに電流がほとばしっていました。
これは恋なのかな、と放心のうちに主人公は思いますが、断言する自信はありませんでした。
《エドガーの部屋》
主人公が去ったあと、エドガーは放心したようにココアのカップを見つめていました。
そこに、貸してた本を取りに来たというカイルがやってきました。
エドガーが本を揃えていると、カイルはエドガーに、主人公と何かあったのかと尋ねました。
何かってなんだというエドガーにカイルは、
エドガーの部屋から出て行く主人公がすごくぼへーっとしていて、声をかけたカイルにも気付かなかったと言いました。
エドガーは、遅くまで仕事をしていて疲れたんだろうと誤魔化し、話を終わらせます。
すると、カイルはエドガーに、この短期間で主人公はよくお前に懐いたよな、と言い、
案外お似合いなんじゃねーのか?と言いました。
エドガーがそんなんじゃないですよ、と言うと、カイルは肩をすくめてドアノブに手をかけました。
そして、去り際に声を低めて「エドガー、気付いてるか?」と呟き、
主人公の話をしている間、エドガーが笑えてなかったと言いました。
ドアが閉まると、エドガーの顔は青ざめていきました。
《主人公の部屋》
あまり眠れなかった主人公。
エドガーとどんな顔をして合えばいいかあれこれ考えましたが、
結局、構えないでいつも通りでいるしかないと思いました。
そして、エドガーにどれだけ心を乱されるとしても、別れの間際まで悔いのないよう、
楽しく過ごしたい。…と考え込みながら身支度をして、廊下に出ました。
《廊下》
何気なく主人公が見やった窓の外にはエドガーとクローディアスがいました。
それを見て、エドガーはまた1日出掛けるのかもと主人公が思っていると、
エドガーは軽くうなずき、兵舎の外へと足早に歩き去りました。
その時、残されたクローディアスと目が合い、手を振っていました。
主人公が振り返すと、クローディアスはウインクを返してくれ、
そのお茶目さがエドガーに似ていると主人公は感じました。
すると、主人公はゼロに声をかけられました。
クローディアスが中庭に来ていたという話をしてもう一度中庭を見ると、
そこにはもうクローディアスの姿はありませんでした。
ゼロは機会があれば挨拶をしたかったと言い、彼がエドガーの育ての親だと教えてくれました。
ゼロの話によると、エドガーの父親は幼いころに病死していて、
次男のクローディアスが赤のジャックを継ぎ、エドガーを引き取って育てたらしい、とのことでした。
飼っている動物の話はベラベラ喋るのに、実家の話を聞いたことは数えるほどもないとゼロは言います。
エドガーは動物を可愛がる時だけ、思いっきり笑ってる気がすると主人公が言うと、
ゼロが、それは主人公に対しても同じだと思うと言いました。
更に、主人公といる時のエドガーはかつてないほど感情がダダ漏れで、エドガーが主人公をとびきり気に入っている、と言いました。
主人公はそうかな、と言いつつ、だと嬉しいと答えました。
すると、ゼロの表情がふっと柔らかくなり、主人公がエドガーをありのまま受け入れてくれていることにお礼を言いました。
満月の夜に主人公が去ってしまうことを残念がり、
「お前がそばにいれば、あの悪魔も少しは改心すると思ったんだが」とも言いました。
そして、話し込み過ぎたと謝って、またそのうちと去っていきました。
ゼロを見送っていると、エドガーの部下から、
今日はエドガーに外出の用事が入ったので、秘書の仕事は休んでくれという伝言を聞きました。
今日はエドガーに逢えないのかと考えた途端、主人公の胸が軋みました。
《主人公の部屋》
前回同様、エドガーは深夜になっても帰ってきませんでした。
朝になったら会えると思いながらも、眠れない主人公。
空が明るくなってきたので、眠るのを諦めて、カーテンを開いて外を見渡すと、
その視線の先にエドガーを見つけました。
矢も盾もたまらず、主人公は部屋を飛び出していました。
《中庭》
驚かせてしまうだろうけど、エドガーに逢いたいと思い、
お帰りって一言いうだけで良いからと、エドガーの元へ向かう主人公。
主人公に名前を呼ばれ、驚いたエドガーはその場に立ちすくんだかと思うと、
両手を背中に素早く隠しました。
その顔は真っ青で、主人公は一体どうして…と思いました。
避けられているのかも??
(いや、ほんの少し触れたみたいだからキスはしたのでしょうか!?)
イイ雰囲気になりそうだったところで手を弾かれてしまい…
しかも、そのあと作り笑顔で度が過ぎていたとか言われちゃうなんて、
ちょっと主人公が可哀想だな、と思いました。
エドガーもエドガーで事情がありそうではありましたが…。
違う意味で、エドガーのこと、「優しき悪魔」だなぁなんて思ってしまいました。
そして、酷なことに、そんな切ない出来事をきっかけに主人公はいよいよ恋心を自覚する訳ですが…。
エドガーは引き続き様子がおかしいし、一体どうなるんでしょう。
第14話「ニセモノの温もり」
突然現れた主人公に、こんなところで何をしているのかとエドガーは尋ねます。
窓からエドガーが見えたから走ってきたという主人公。
そして、主人公はエドガーこそこんな時間に戻ってくるなんてどうしたのかと聞きました。
大した用じゃなく、気付いたらこんな時間だったというエドガーを主人公はねぎらいます。
2人は一緒に兵舎へと歩き出しますが、エドガーは困ったような顔で手を後ろで組んだままでした。
手を隠しているエドガーに、主人公はその理由を尋ねますが、教えてもらえません。
顔色も悪いし、ケガでもしてるのではと思った主人公は、腕を引っ張ってエドガーの手を引き寄せました。
すると、ケガはしていないみたいでしたが、グローブが水に濡れていました。
汚れてしまったので手を洗ったけど、見苦しいので隠していたとエドガーは言います。
お気になさらずと言うエドガーに対して、主人公は気にするよと言ってグローブを取り去りました。
エドガーの手は冷え切っていて、主人公は向かい合って右手で左手を、左手で右手をぎゅっと握りました。
離してと言うエドガーに、主人公が触られるのが嫌だった?と尋ねると、
エドガーはそうじゃなくて…と言い淀み、唇をきゅっと結びます。
いつも穏やかなエドガーの瞳が、不安を露わにしていて、主人公は放っておけませんでした。
エドガーが主人公の手は温かいというと、主人公はエドガーだって同じだと言います。
しかし、エドガーは「俺の手は、いつだって冷たい」と言いました。
なんでそんなこと思うの…?と感じた主人公は、その手を自分の頬に添えました。
主人公には、何がエドガーを不安にさせているかはわかりませんでしたが、
自分が不安だったときにエドガーがしてくれたように、精一杯微笑み掛けました。
そして、森で助けてくれた帰り道に繋いでくれたエドガーの手が、すごく温かくて、
エドガーがいてくれたからもう大丈夫だと思えた、と心を込めて伝えました。
すると頬に触れるエドガーの手がびくりと震え、気のせいです、と言い、それから、
「俺のは、ニセモノの温もりです」と言いました。
どういう意味か主人公が尋ねるとエドガーは一瞬言葉を失い、それから何でもありませんと言い、
もう十分だとお礼を言い、すっと手を引いたかと思うと主人公に背を向けました。
そして、馬車に忘れ物をしたのを思い出したので、主人公は戻って眠るよう言いました。
待って!と主人公は呼び止めます。
今のエドガーは様子がおかしいと感じた主人公は、言葉をかき集めました。
前にエドガーから貰った言葉を返してもいいかと尋ね、それから、
赤のジャックの任務は凄く大変で、気を緩めずにいる必要もわかると前置きし、
「ただ……私の前でだけは、エドガーも心を許してくれたら嬉しい」と言いました。
強盗事件の日の帰り道、エドガーが主人公に言ってくれたように。
そして「大変なことがあったんじゃないの?私じゃ力になれないかな」と主人公は言いますが、
いつもと何も変わらない、とかわされてしまい、かすかに笑ってエドガーは歩き去りました。
それが嘘だとわからないほど主人公は馬鹿じゃありませんでした。
遠ざかる背中を見ながら、主人公は自分の力不足を感じ、なんだか涙が出ました。
気付けば主人公は、もうすぐ逢えなくなるとわかりながらも、エドガーにどうしようもなく心惹かれていました。
それから主人公は部屋に戻って泥のように眠りました。
《廊下 翌日》
主人公が目を覚ますと昼近くで、急いでエドガーの部屋へ向かい、ドアをノックすると、
ヨナがやってきて、エドガーの部屋のドアを一瞥して肩を竦めました。
ヨナは、エドガーはランスロットの指示で出掛けたと告げ、
エドガーに主人公の世話を頼まれたから待っていたと言いました。
そして、さっそくランチに同席するよう指示すると、午後の予定はセントラル地区有名店の
お取り寄せミルフィーユ食べ比べで、合間に書類整理を手伝ってもらうと言いました。
《食堂》
ヨナと一緒に食堂へ向かうと、そこにはゼロとカイルがいました。
2人はエドガーから、この時間にヨナと主人公がランチをとりに来るはずだと聞いて待っていたのでした。
幹部三人が集まり、賑やかなランチが始まりました。
主人公は、エドガーが主人公が落ち込んでいるのを見越して、ランチをセッティングしてくれたんだと気付きます。
反対に励まされてどうすると思いながら、主人公はエドガーに元気がないなら
励ませるように自分は目一杯元気でいようと決意しました。
そして、エドガーが心を閉ざして自分を遠ざけるなら、自分は心を開いて
エドガーをどこまでも受け入れよう、とも。
そう決めると、曇っていた主人公の気持ちは晴れていき、幹部3人とのランチを
心から楽しみました。
《廊下》
一日ヨナの手伝いをした主人公。
ヨナの部屋を出るころには外はもう暗くなっていました。
ヨナが、この後執務室で幹部トップ3の定例会議があるから、主人公も顔を出したらと誘いました。
エドガーも帰ってくる頃だろうから、主人公の働きぶり、正確には食べっぷりを
聞かせてあげなくちゃね、とヨナは言います。
主人公がお礼を言うと、ヨナはしばらくはセントラル地区の菓子店のミルフィーユなんて
食べられなくないからね、と言います。
意味がわからず、ヨナに尋ねると、そこで主人公は初めて赤の軍と黒の軍の開戦が迫っていることを知りました。
初耳だという主人公にヨナは、
エドガーが巧妙に主人公の耳に入らないようにしていたのかもしれないと言い、
スケジュールを調整してまで主人公に張り付いていたのも、情報を遮断するためだったのかも…と付け加えました。
主人公はヨナと顔を見合わせて、エドガーがいるはずの執務室へ急ぎました。
《執務室》
ヨナが執務室のドアを開いたとき、エドガーの鋭い声が廊下まで聞こえてきました。
エドガーが、ランスロットに単身敵地に偵察に乗り込む許可をもらおうとしていましたが、ランスロットはそれを許可しません。
それを聞いたヨナが「お待ちください!何のお話ですか?」と尋ねました。
エドガーの秘密
一体何の秘密を隠しているんでしょうか。。
「俺の手は、いつだって冷たい」なんて悲しいこと言わないで欲しいです…(;_;)
主人公はきっとエドガーに心を開いてもらえずにいて辛いはずなのに、
自分はエドガーを受け入れようという気持ちで、まっすぐにエドガーに想っていることを伝えて…偉いなぁ。
偉いというか、優しい娘なんでしょうね。自分だったらめげちゃって、怖くって、
あんな風にエドガーの手を取ったりできません。
今回はエドガーに高い高い壁を作られてしまっているようで、読み進めていてちょっと辛かったです。
早く今までのような雰囲気に戻って欲しいと思うばかりです(´・_・`)
スチル「ニセモノにご注意を」
第15話「崩れる仮面」
エドガーとランスロットが話しているところに主人公とヨナが割って入ると、
エドガーに、なぜ主人公に開戦が間近であることを黙っていたのか尋ねました。
エドガーは棒読みで、主人公を不安にさせたくなかったからだと答え、
それを聞いた幹部二人も険しい顔になります。
そして、ランスロットの指示でエドガーは主人公に現在の情勢を説明しました。
本当に戦が始まろうとしているんだと理解した主人公は、胸が引き裂かれる思いになりました。
エドガーの説明が終わると、ヨナがエドガーに、なぜ今ひとりで敵地に乗り込むなんて言いだしたかを問い詰めます。
開戦したら先頭で指揮を執るのは自分なので、事前に偵察しておこうと思ったとエドガーは答えます。
エドガーが無茶をしたら主人公にどれだけ心配をかけることになるか、とヨナは食いつきます。
すると、ランスロットが口を開き、エドガーに許可するかは追って沙汰するので今日は主人公を連れて下がるよう指示しました。
《廊下》
執務室を去ると、廊下は静まり返っていました。
さっきの話なんてなかったみたいな顔をしているエドガーに、主人公は
どうしてもエドガーがひとりで偵察に向かわないといけないのかと尋ねます。
間髪入れずに、眉一つ動かさずエドガーは「はい」と答えます。
何と聞いても肯定しかしないエドガーが意固地になっているように思えて、
主人公は、エドガーが万能なのはしっているけれど、それでも心配だと伝えます。
すると、エドガーは放っといてくれと言いました。
その顔からぎこちない笑みが消えて、エドガーの口調がわずかに早くなります。
無茶かどうかは問題ではなく、自分の本来の職分は戦うことだ、そして、
「俺の生き方に、貴女は立ち入らないで下さい」と言いました。
それを聞いて動揺する主人公を見て、我に返ったようにエドガーは目を見開きます。
「アリス、今のは……」とエドガーが言うと、主人公は謝り、頭を冷やすと言って、エドガーに背を向けて走り去りました。
《主人公の部屋》
主人公は自分の部屋に駆け込み、明かりもつけずに立ちすくみます。
エドガーを怒らせたことに対して、ショックが去ると、「私は馬鹿だ」と後悔が襲ってきました。
エドガーが心を開こうとしないなら自分自身がとことん心を開くって決めたのに、
それを無理にこじ開けようとしてしまうなんて、怒らせて当然だと。
《廊下》
主人公が駈け出すのを見て、エドガーは咄嗟に手を伸ばしましたが、
呼び止めて我に返って口を閉ざします。
伸ばした手を自分の頬に当ててみると、微塵も笑えていないことに気づきます。
自分らしくないなと思いながら、声を荒げたのはいつ以来か、考えますが思い出せません。
「こんな俺、俺は、知らない」
《食堂 翌朝》
朝食の席で一緒になったゼロとカイルに、主人公はエドガーを怒らせてしまったと相談しました。
ゼロとカイルは、主人公の話を聞いて目を丸くして驚きました。
そして、よくやった、おめでとう、と言うと、カイルの拍手が響き、
ゼロに至っては主人公に握手を求めてきました。
あのエドガーが人間らしくなってきたこと、あのニヤニヤ笑いが一瞬でも崩れたことに
幹部2人は盛り上がりますが、主人公は真剣に悩んでいるんだから茶化さないでと言います。
エドガーに嫌われたらどうしようと言う主人公に、カイルが気にし過ぎだと言い、
どうでもいい奴が相手だったら怒ったりしないと言いました。
すると、ゼロもそれに同意して、本音を押さえておけないほどエドガーは主人公に気を許しているんだろうと言いました。
そして、カイルは笑って二日酔いが吹き飛んだと言い、去っていきました。
距離が縮んだと考えていいのかと考え込む主人公に、ゼロがまだ心は晴れないかと声をかけます。
主人公は、うん、と答え、気を許してくれているなら嬉しいけど、エドガーを不快にさせたのは事実だから、と言いました。
ゼロは、気持ちはわかると優しく言い、それからキャンディーを取り出して、茶化したお詫びだと言って主人公に差出しました。
そして、主人公に、エドガーを怒らせてしまって後悔しているなら、
仲直りすればいいとアドバイスしました。
それを聞いて主人公はその通りだと思い、なんだか元気が出てきました。
そして、改めてエドガーと向き合おうと決心するのでした。
《中庭》
朝食後、訓練に向かう道すがら、ゼロはひとり先程の主人公との会話を思い返して、
「自覚があるんだか、ないんだか」と呟きました。
そして「どっちにしろ……あの悪魔にはもったいないな、本当に」と言いながら
素直で前向きな笑顔を脳裏に描き、口元に自覚なく苦笑いを滲ませていました。
《廊下》
『エドガーが帰ってきた』とゼロが知らせてくれたのは、消灯時間の間際でした。
仲直りのために、主人公はエドガーの部屋へとやってきていました。
ドアの前で深呼吸を繰り返しながら、「大丈夫。エドガーなら、きっと話を聞いてくれる」
と思いながら、よし!と気合いを入れ、ノックしようと一歩踏み出した瞬間、
目の前でドアが音を立てて開きました。
そこにはエドガーがいました。
(プレミアストーリー「恋の罪」へ続きます)
激おこエドガー
しかも、その上俺の生き方に立ち入るな…って。
そりゃそうかもしれないけど、もう少し言い方ってものがあるでしょ…(;_;)
と、なんだか主人公が可哀想で仕方なくなってしまいました。
でも、今回エドガーと喧嘩をしてしまい、また読んでいて辛い展開だなぁなんて思っていたところで、
カイルとゼロが登場してくれて、救われました。きっと主人公も同じ気持ちだったと思います。
茶化しつつもズバッと意見やアドバイスを言ってくれるカイルに、優しさのかたまりのようなゼロ。
本当にいい人達だなぁとしみじみ思ってしまいました。
最後に仲直りをしに向かいましたが、エドガーも同じことを考えていたようだし、
無事元通りになるといいなぁと期待せずにはいられません!
第16話「ひとつの真実」
翌日、ランスロットの部屋に呼び出されたエドガーは、
ランスロットに昨日の申し出について、考えは変わらないかと尋ねられます。
はい、というエドガーに、ランスロットは了承しますが、その前に…と言い、
視察の真の目的は、危険な任務に没頭することで主人公から遠ざかろうとしているのではないか?
とエドガーに尋ねます。
エドガーは一瞬言葉に詰まり、「貴方に嘘は通じませんね」と言い、それから
主人公のことでランスロットにお願いがあると言い、己の決意を話し始めました。
《兵舎門前 夕方》
その日の夕方、エドガーは偵察に向かうにあたって見送りに来てほしいと主人公を呼び出していました。
エドガーは主人公に昨晩もらった四葉のクローバーのお礼と言って、
エドガーがお気に入りのお店のジェリービーンズを渡しました。
主人公がお礼を言うとエドガーは、昨日主人公が、いつまでもどこにいてもエドガーの無事を
祈ってくれると言ってくれたことについて、「俺も、同じ想いです」と伝えました。
すると、エドガーは手を主人公の頬にかざし、1mm分の距離を隔てたまま、
ゆっくりと輪郭をなぞって、言いました。
「貴女が笑顔でいられるように、願います。いつまでも、どこにいても 心の底から」
主人公がありがとうと言うと、エドガーはそろそろ時間だと言って、主人公にいい子で留守番しているよう言いました。
そして、そうすればきっといいことがあると付け加えました。
主人公がいいこと?と不思議に思っていると、エドガーは
「帰ってきたら少しお時間をください。貴女にお話ししたいことがあります」と言いました。
主人公がわかったと言うと、エドガーは至って紳士的に、主人公の前髪に
挨拶のキスを残して出かけていきました。
見送ったばかりなのに、もうエドガーに逢いたくなる主人公。
いつまでもそばにいたいと思い、その心に、満月の夜が明けてもこの空の下で
生きていく――そんな選択肢が芽生え始めていました。
《黒の領地》
夜明け前、黒の領地に潜入していたエドガーの元に、クローディアスがやって来ました。
エドガーに急ぎの用があってと言うクローディアスは、
赤の領地では少し話しにくかったから丁度良かったと言って、その要件をエドガーに伝えます。
話を聞いたエドガーは目を見開いて、血の気の引いた顔でクローディアスに正気かと尋ねますが、
クローディアスは笑みを崩さぬまま、その件で、エドガーの紹介として、改めて主人公に会わせてほしいと頼みます。
エドガーは今ここでは答えられないので、戻り次第検討すると答えました。
それを聞いて、くれぐれも頼んだよ、と言いクローディアスは笑顔で去っていきました。
クローディアスが去ると同時に、エドガーの顔からも笑みが消えます。
そして、表情を一変させてエドガーは一路赤の兵舎へ戻り始めました。
《主人公の部屋》
早朝、ノックの音で目覚めた主人公はドアを開けて廊下を見ますが、
そこには誰もいませんでした。
しかし、そこには主人公宛の一通の手紙が置かれていて、
封の中には、エドガーの金庫の鍵と、走り書きのメモがありました。
『貴女は騙されている。すべての真実は、秘密の金庫に。』
デレエドガー
エドガーはやっぱり、さらっと「え、なに今の台詞、どういう意味!?主人公のことどう思ってるの!?」と
少し甘い期待をしたくなるようなセリフを言ってこそだと思っているので…ww
相手が自分の事を好きなのか、どうなのか、ってドギマギしている時期って何でこんなに楽しいんでしょうね(*´艸`)
(その時は楽しいと思う余裕なんてないんだけど)
エドガーは帰ってきたら、主人公になんて言ってくれるんでしょう?
甘い展開を期待しますが…エドガーだし、笑顔で残酷なことを言うかもしれない、とも思っているので、続きが非常に気になります。
クローディアスも何かを企んでいるようですし、本編もいよいよ大きく動いていきそうで楽しみです!
エドガーからの手紙「貴女をお菓子にたとえると」
貴女は俺にとって、ジェリービーンズのような人です。
触れる者の指先と心をときめかす、何の罪もない、愛らしいもの。
明るく華やかで、色彩豊かな、ただひたすらに甘いもの。
アリス、俺は、
貴女みたいに、生まれたかった。
なあんて、
戯言です。忘れて下さい。
Edgar Bright
第17話「エドガーの金庫」
手紙の中にあったJと刻印された鍵は、倉庫の中のエドガーの金庫の鍵だと気付く主人公。
字はエドガーのものじゃないし、差出人も書いていないと思うと、
主人公の胸を嫌な予感が覆い始めました。
気味が悪いなと思いながら、主人公は、兵舎に来たばかりの頃に
ゼロが困ったことがあれば俺を頼れ、と言ってくれたことを思い出しました。
《食堂》
主人公は、食堂にゼロを呼び出し、届いた手紙の件について相談しました。
ゼロは、メモの筆跡に見覚えはないけれど、鍵は確かにエドガーの金庫のものだと言いました。
そして、エドガーが所持品の管理を怠るわけがないので、エドガーから鍵を
盗んだとすれば、送り主はただものじゃないと言いました。
主人公は、送り主の目的はさっぱりわからないけど、エドガーが自分を騙しているなんてありえないよと言います。
すると、ゼロはそうであることを願いたいけど、ありえないとは言い切れないと言います。
主人公は、そんな!と思いながら、時々冗談が過ぎるけど、すごく優しいってことを
弟子のゼロが一番よくわかっているはずだと言います。
しかし、ゼロはこう返しました。
「あいつをよく知る弟子だからこそ、『ありえない』と言い切れないんだ」
ゼロは痛ましげな表情を浮かべながらも、どういうことかわからない主人公から、
目を逸らしません。
その言い方ではまるでエドガーを信用できないって言っているようだと主人公が言うと、
ゼロはそれを肯定します。
エドガーが私を騙して何か企んでるかもしれない、そう言いたいの?と主人公が
尋ねると、それもゼロは肯定します。
騙されていたなんてとても思えない主人公は、こんな手紙はたちの悪い悪戯で、
自分はエドガーを信じてると言いました。
すると、ゼロがだったら確かめに行くしかないと言い、鍵を取り上げて差し出しました。
「真実を知る覚悟はあるか?それが、お前にとってどれほど残酷だろうとも」
主人公は、鍵を受け取り、強く握りしめて言いました。
「真実はひとつしかないよ。私にとってエドガーは……ちょっぴりお茶目で、
とびきり優しい紳士、それだけ。」
そして、金庫を開いてその手紙に書かれているのは真っ赤な嘘だと証明すると言いました。
《倉庫》
ゼロは主人公を中庭の片隅にある倉庫まで案内し、扉を開けてくれました。
奥へ進もうとした時、ゼロの部下がやってきて、血の気の引いた顔でゼロに、
隊のリチャードという兵が、赤の領地の森で遺体で発見されたと報告し、
何者かに殺害されたようです、と付け加えました。
部下からの報告を受け、ゼロは主人公に謝り、エドガーの金庫の場所を告げると、
「扉を開けて何を見たとしても、気をしっかり持て。……いいな?」
と主人公の肩を励ますように軽く叩いて、兵舎へ戻ってしまいました。
倉庫が静寂に包まれると、主人公は中へと進み、エドガーの金庫を開けました。
すると、そこには……
黒の軍からの手紙の束と、主人公が黒の軍の幹部たちから貰って、
強盗に奪われたバッグに飾っていたコサージュが入っていました。
どうしてこれがエドガーの金庫にあるのか、状況が理解できない主人公。
そして、ひもで束ねられた手紙の束を開くと、すべて主人公宛てのものでした。
『この手紙をあんたが読んでるってことは……
ブラン名義で送ったあんた宛ての荷物が、赤の軍の検閲をうまくすり抜けられたってことになる。
赤のジャックがあんたの身柄を拘束したと、ブランから聞いた。
赤の軍はあんたを軟禁して、懐柔するつもりだ。決して気を許すな。――シリウス』
『お前を取り戻す交渉を赤の軍と始めてる。赤の軍側の交渉役はエドガーだ。
奴は”アリス自身が、魔法無効化の力を赤の軍に生かしたいと望んでる”なんて抜かしてる。
“赤の軍に正式に所属し、満月の夜を過ぎても赤の軍で暮らすつもりだ”とも。
嘘だってわかってる。必ず助けるから、待ってろ。 ――レイ』
レイとシリウスからだけでなく、他の幹部3人からの手紙も、何通もありました。
更には、主人公が黒の軍に宛てて書き、出しておくと言われてエドガーに預けた手紙の束もごっそり出てきました。
どういうことか理解できず、頭の芯がじんと痺れ、これまでの出来事や、
エドガーから言われた言葉、ゼロからの忠告などが次々と頭に浮かんできます。
主人公は、手の中の手紙と、コサージュを呆然と見つめ、始めに一通だけ届いたレイからの手紙は、
字を見る限りニセモノだと思いながら、自分が赤の軍に連れて来られた真の目的は、
『元の世界に帰さず、今後ずっと軍のために能力を使うよう懐柔すること』だと気付きました。
そのことをきっとゼロやヨナ、カイルは知らなくて、ランスロットはわからないけれど
元々ランスロットは主人公を排除しようとしていた…と考えるうちに、
主人公を騙して利用しようと計画していたのは、エドガーただ1人だと主人公は理解しました。
《森の奥》
狂ったように、森の奥へ奥へと走る主人公。
守衛の目を盗んで赤の兵舎を抜け出し、発見した手紙とコサージュだけを手に、
身一つで黒の領地へ向かっていました。
誰にも挨拶せず、赤の軍で支給された物は、贈り物も何もかも全部置いてきました。
足が止まるから今は何も考えるな、と自分を叱咤したその時、
エドガーが必死の形相で追いかけてきました。
世界で一番会いたくないのに、その顔を見た瞬間主人公の足は止まってしまい、
エドガーが主人公の硬直する手を強く掴んで、引き寄せました。
「戻りましょう、外は危険です!事情はこれから何もかも話します」
疑心暗鬼
実際には第1話からもうとっくに起きていたんですけど。
ストーリーを進めながらも、心のどこかでエドガーのことを疑っていましたが、見て見ぬフリして
主人公とエドガーの恋模様を楽しんでいました。
…やっぱり、エドガーは主人公を騙していたんですね。
今回は、ストーリーを読み進めながら、気になるから先に進めたい、でも、先に進めて真実を知りたくない。
…と凄く複雑な気持ちになって、主人公と同じように鼓動がドクドク鳴りました。
ここまであったちょっと読んでて辛くなった回とは比べ物にならないくらい、
読んでいてしんどくなる回でした。